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豊食紀行 第1回 東京・大阪・京都グルメ紀行

豊食紀行

グルメというと「美食」を思い浮かべる人が多いでしょう。
「美」は大きな羊を意味してますから、美食とは「生贄の羊」(少し残酷?)のことですね。
しかし、私はあえて、グルメ=「豊食」(「飽食」ではもったいない!)だと思います。
衣食住で最も欠かせないものが「食」です。食と言う字は人に良と書きます。
食べることは本来人に良いこと、 良いものを食べるべきなのです。
しかし、昨今はファーストフードなど身体によくないものが増えてきています。
グルメは単なる高級料理やお金持ちの趣味や道楽でもなく、真の意味で身体によく、かつ文化の香りがして豊かな気持ちにしてくれるものだと考えます。
もちろん 豊食は美食になるかもしれません。
しかし、やはり生活の中に豊かさを感じることは絶対重要です。
豊食としてのグルメの目線から今回は 東京、大阪、京都より選りすぐりのお店を取り上げました。
豊かな食をぜひ体験してください。

東京・日本橋 穴子専門店・玉ゐ

東京でも珍しい穴子専門店。天然物の穴子を贅沢に使用しています。特にお薦めは、「あなご箱飯」。穴子の味付けは、煮あげか焼き上げから選べます。ほわっとした食感を楽しみたければ煮上げ、かりっとした香ばしさが好きなら焼き上げです。
箱飯は、穴子が鰻重のような形で出てきます。そのまま食べてももちろん美味しいのですが、熱々の出汁をいただいてそれをたっぷりかけます。そこにワサビなどの薬味を添えると最高の出汁茶漬けになります。穴子の骨からとった御出汁の味はまた格別。穴子料理の奥深さを教えてくれる逸品です。まさにこれは穴子のひつまぶし、といったところです。夜はお酒を中心につまみが多く並びます。穴子の骨せんべい、あまき(うまきでなく、「あ」まき)、焼鳥盛り合わせ、刺身盛りなどなど、どれも美味。そして〆に箱飯ですね。日本橋高島屋の裏手と言うロケーションは買い物にもぴったり。土日は地方からのお客さんで大賑わいです。もちろん平日も混みますよ。またお昼は予約不可ですので、早めに行くことをおすすめします。12時回れば長蛇の列。それでも食する価値ありです。江戸伝統の味を楽しんでください。

HP http://anago-tamai.com/

東京 しょうがの香り

女性に人気のある健康食材「しょうが」をふんだんに使った料理が食べられるお店です。ここの看板メニューはなんといっても「生姜しゃぶしゃぶ」です。甘みあふれる豚肉と新鮮なレタスを、生姜たっぷりの鍋でしゃぶしゃぶします。出汁にこれだけの生姜を使っているお店は今までみたことがありません。まさに「生姜鍋」です。すりおろした生姜をたっぷりと鍋に入れます。口に入れると、豚肉の脂のうまみと、生姜の香りと味がマッチして本当に美味しいですよ。
生姜は、昔から薬膳や漢方ではなくてはならない食材です。その効用は、血行促進、身体の温め、消化促進、そして美容とスーパー食材です。
また、鍋だけではなく、刺身などの鮮魚料理も充実、新鮮さも抜群。旬の魚を厚めに気前よくさばいた刺身盛り合わせ、熊本直送の馬刺し、豪快なカマ焼き、カルパッチョなど洋食系も楽しむことができます。そして飲み物も、ジンジャービールに生姜ハイボール、さらに生姜サンガリアに生姜梅酒と生姜を使ったユニークなものが目白押しです。お店の雰囲気も、カップルシートから大人数での食事も個室の貸し切りができて、女子会にも最適です。

大阪・本町 江戸菊

江戸菊は本町にて大正3年創業の老舗すき焼き屋さんです。初代の新田徳治郎から数えて5代、新田元さんが御主人を務めます。すき焼きでも、こちらは「八丁味噌」を入れたユニークなもの。砂糖やしょうゆでは味合えない、コクと深みが出てきます。田楽のような感じです。それが和牛の味を一層引き立てます。霜降りの脂と味噌が本当に溶け合いマッチするのです。ランチでは1890円ですき焼き鍋がいただけます。肉も鹿児島の黒毛和牛を使用。もう1つのおすすめは、1575円の半月弁当。具材がたっぷり詰まったお弁当です。刺身、煮しめ、お肉、焼き魚など盛りだくさんで、女性はもちろん男性にも十分な量です。老舗名店の味を気軽に楽しむことができますよ。

大阪・道頓堀 今井

関西といえば「うどん」です。関西風のお出汁でいただくおうどんは美味しいですね。そこでおススメなのが道頓堀 今井です。私はリーガロイヤルに泊まるので、ランチによく使います。特に昆布とかつおでとったお出汁は、作り置きなしに毎日新鮮なものを作ります。だから美味しいのです。柔らかさの中に、しっかりとした重厚なコクと旨み。旨みの余韻と昆布の後味の跳躍感が何とも言えないですね。数あるメニューの中でも、きつねうどんときざみうどんがおススメ。きつねは大きなお揚げ、きざみはきざんだお揚げが乗っているのですが、このシンプルさゆえに出汁の深みを感じる逸品です。是非、ランチにさらっと食べてみてください。

京都・紫野 和久傳

私が和のスイ―ツを食べるならここです。京都の高級料亭・高台寺和久傳がここなら気軽に味合えます。町屋ならではの落ち着いた雰囲気、二階に上がると非日常を感じます。ゆったりとした調度品の配置、贅沢なお茶の時間が流れます。特にお薦めは、わらび餅(抹茶つき)。わらび餅はわらびの根から採れるデンプンを使います。ただ10キロのわらびから100グラムくらいしか採れない貴重なデンプンなのです。和久傳のわらび餅はこの本わらび粉のみを使用しています。まず、餅を噛んだ時の弾力、さらに歯切れが素晴らしいのです。この食感は今までにないものでした。歯ごたえはありますが、歯につくことがまったくないのです。そして黒蜜も上品な甘さで、まとわりつくような感覚がありません。さらに嬉しいのは、デザートを頼むと「付きだし」として「艶ほくろ」が出ます。これは黒豆を炒って砂糖をまぶしたもの。このおつまみがお茶と合い、美味しいのです。京都の、おもてなしを心から感じる茶席です。

HP http://www.wakuden.jp/shop/sakaimachi/menu.html

京都・下京区 フランス料理・レザン

京都と言えば会席や京料理がイメージされやすいですが、このフランス料理店レザンはおススメです。フレンチは敷居が高いと思いわれがちですが、ここは本当に良心的。場所も四条大丸デパートからほど近い住宅街。御夫婦で経営されているお店。なんと夜のフル―コースが2000円からなのです。しっかりと前菜、魚料理、肉料理、そしてデザート盛り合わせ&コーヒーと充実です。しかも前菜とメインは数種類から選べ、季節と入荷状況によっては、霧島六白豚、鴨、うずら、エゾ鹿などのジビエも提供する本格派。野菜も有機野菜を贅沢に使用。御夫婦の料理へのこだわりを実感します。もう少し豪華に!という方は3500円のレザンコースがあります。質・ボリュームともに満足。また、ドリンクメニューもしっかりしています。グラスワインは500円から、ボトルワインも2700円からとリーズナブル。すべてがフランスワインですのでこの値段はお得です。京都の住宅街にある小さなフレンチ、まさに自宅でくつろぎながら食事をしている気分に浸れる素敵なお店です。

所在地 京都市下京区仏光寺通柳馬場西入る東前町405 ウーデベル1階
TEL 075-351-3778
営業時間 ランチ/12:00 - 14:00 ディナー/18:00 - 22:30
HP http://raisin1001.jimdo.com/