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ファーネッコ先生が行く 甲斐の国、山梨を味わう。

旅人 ファーネッコ先生

武田信玄が治めた甲斐の国、
山梨県の魅力にふれる。

南に富士山を有し、北に八ヶ岳、西に南アルプス、東に奥秩父山地と四方を2,000m以上の山々に囲まれた甲斐の国は、富士の国としても有名。戦国歴史の宝庫であり、信玄の隠し湯とも知られるロマン溢れる源泉は1,300余年続く。海のない独特の食文化を堪能し、今大人気の甲州ワインのワイナリーを訪れた。
また科学技術の最先端である超電導リニアの試験走行の見学や霊峰富士に夕日がかかるダイヤモンド富士まで、一気に味わい尽くす旅に出発。
そんな歴史・文化・科学が混在する魅力溢れる山梨県にあるみさき薬局武田さんにも訪れ、二人の薬剤師さんにお話を伺った。

♪中央フリーウェイ〜右に見える競馬場〜左はビール工場〜♪ ユーミンの唄を口ずさみながら雨が降る中央自動車道を走る。調布から国立府中にかけて歌詞のとおり右手に府中競馬場が見え、左にはマンションが建ったりして見にくくなったけれどサントリー武蔵野ビール工場が今でも見える。
今回の旅の目的地は戦国時代、風林火山の軍旗を用い甲斐の虎、甲斐の龍とも称され、織田信長にも恐れられていた武田信玄公がいた甲斐の国、山梨県。武者震いをしつつも乙女心で向かった先は甲州ワインのワイナリ〜、勝沼醸造。

勝沼醸造は1937年創業以来、葡萄の栽培からワイン醸造までを一貫して手がける甲州ワイン屈指のワイナリー。建物は築140年以上の日本家屋が美しく、1階にはワイン貯蔵庫があり静かに並んだ樽の香りと熟成中のワインの香りがふわりと鼻をくすぐり魅了される。
事前予約をしておいた500円のテイスティングコースでワイン6種類を試飲。赤、白、ロゼ×ライトボディ、フルボディ、ミディアムボディの組み合わせでどれも味わい深いものだった。
2階にはミニギャラリー、裏には葡萄畑が広がり収穫は10月とのこと。冬の1〜3月は葡萄の木の余分な枝を剪定することにより、葡萄樹の活力と果実の量を決定づけるのだそう。
勝沼醸造には「スタッフコース」というワイナリーツアー(要予約)もあり、こちらは甲州ワインの歴史や栽培を学び、葡萄畑の見学や本格的なワインテイスティングが行えるコース。次回の収穫時期に再訪してみたいと強く思ったワイナリー見学だった。

岩下温泉旅館は勝沼醸造から車で15分、川沿いに旧館と新館が並んで佇む。今夜宿泊するのは玄関前に大きな木がある新館だ。
新館とはいえ居心地抜群で部屋からは嬉しいことに富士山も見える。
着いて早速温泉へ向かう。源泉100%の内湯と露天風呂は温度が低めでゆったり長湯ができる。露天風呂では側に寒桜が咲いていて、ひらひらと花びらが湯面に落ちるその情景に癒されながらアルカリ性単純温泉がカラダの芯まで染みわたるのだった。
温泉を愉しんだ後は、山梨の郷土料理、ほうとう鍋のコース料理をいただく。海鮮をふんだんに使うお料理も美味しいけれど、海の無い内陸部特有の食文化は誠にお上品。
甲州のごま豆腐から始まり、牡蠣の甲州薫製、岩魚の卵 紫大根添えも美味しい。自家菜園の白菜に包まれた甲州ワインビーフの煮込みも絶品! 味噌仕立ての懐かしくて優しいほうとう鍋をいただき、デザートは源泉コーヒー(!)のジュレで大満足。山々の恵みと料理長の心が込もった甲州を味わい尽くすお料理に舌鼓を打った。

翌朝は大正浪漫あふれる旧館へ。以前は旅館だった建物をそのまま残した旧館に源泉はある。1300余年の歴史を誇る甲州最古の温泉で近世には武田家とも深く関わり、信玄の隠し湯とも言われた、まさに秘湯。この源泉風呂のある旧館は、立ち寄り湯として利用が可能だ。泉温28℃と低めの温泉は、加温して利用する湯舟と源泉そのままの湯舟の2つがあり、どちらも掛け流しで、その泉源が建物内というのがなんとも素晴らしい。またこの旧館は旅館第一号の国指定重要文化財で、建物内の見学も自由にさせてもらえたのには驚いた。
神秘的で独特な雰囲気と良質の温泉でノスタルジーな時間をゆっくり楽しんだ。

山梨の見所は歴史だけではなく、科学の最先端にふれることもできる。そう、現実の世界になりつつあるリニア新幹線だ。
長閑な景色に建つ山梨県立リニア見学センターに着いたのはお昼過ぎだった。中に入ると試験車両が展示され、その近未来空間に21世紀に生きていることを実感する。

リニアの中も見学自由。2階は超電導リニアのしくみを学べる展示やワークショップスペースがあるが、何と言ってもリニアの磁気浮上走行が体感できるミニリニアに乗れる!しかも無料で!距離は2、30メートルと短いけれど独特の浮遊感が体験できた。3階はリニアと山梨の未来ジオラマ、時速500キロの感覚を得られるリニアシアター、見学ラウンジがあり楽し過ぎる。
平日ということで人数は多くないが、幼い子どもを連れた家族が3、4組にカップルや年配のグループの姿もあり、みな目の前を500キロで疾走するリニアが通るたび、歓声を上げたりスマホやカメラで撮影をしている。笑顔の中の瞳は誰もが子どものようだった。
リニアの試験走行は15〜20分間隔で行ったり来たりを繰り返してくれるので何度でも見れるのがいいね。

ダイヤモンド富士を見るため東京方面に向けて中央自動車道を走る。「ダイヤモンド富士」とは富士山頂に太陽が重なる瞬間、ダイヤモンドのように輝く現象のこと。富士山頂に太陽が重なるのは、日出と日没時で山中湖で見られるダイヤモンド富士は日没時。季節は秋から冬にかけて約4ヶ月半ほど観測できるそう。
14:00に山中湖に到着し観察スポットを探すため湖を1周してみた。寒い季節だったので可愛らしい足こぎスワンが砂浜のあちこちに揚げられている姿に哀愁を感じた。
ようやく停めたパーキングには続々と車がやって来て皆、カメラやビデオを構えている。そしてその時がやって来た!夕日は少し右にズレたけどなんて美しい!思い出が沢山できた山梨の旅はこうしてダイヤモンド富士で締めくくられた。

山梨県全体の地域医療を推進する みさき薬局グループ

左から横内さん・深澤先生・佐野さん・渡辺先生

みさき薬局グループは山梨県甲府市を中心に14店舗の調剤薬局と2拠点の居宅介護支援事業所を運営する、山梨県内調剤薬局としてはトップクラスの企業です。「親切・丁寧・おもてなしの心を持って皆様の明るい未来に貢献します」をモットーに、薬を通して地域の医療を支えています。患者様に安心してご利用いただけるように、店舗には様々な工夫がなされています。例えば、投薬窓口は全店すべて個別空間セパレート型になっています。座って話ができ、大人2名でも家族でもゆったりとした投薬スペースを確保することで、患者様のプライバシーが守られゆっくり相談ができます。

また、18年前に山梨県内初のドライブスルー薬局を開局させ、現在は4店舗で車から降りずにお薬を受け取る方式を併設しています。患者様のことを第一に考え、患者様の立場になって気軽に何でも相談できる地域密着の薬局を目指しています。

薬学生教育にも積極的に参加され、学生とともに指導者も学ぶ気持ちで毎年受け入れがあります。

山梨県内でいち早くクリーンルーム調剤を導入実働させるなど、がんターミナル・小児特定疾病にも着目し、県内パイオニアとして在宅中心静脈栄養療養推進に貢献しています。山梨県薬剤師会において、みさき薬局佐藤社長が「クリーンルームの稼働と在宅支援の現状と問題について」というテーマで講習会も行いました。また、県外のグループワークに招聘されて、在宅療養支援を実施する着眼点や課題などを挙げ、これらを推進していくためには何が必要なのかについて講演し参加者と対談しています。みさき薬局グループでは在宅と騒がれる前の創業当初から居宅・施設支援を推進してきた歴史があります。在宅支援は薬局側より積極的に働きかけていくこと、連携先の問題点などを共有することが必要であること、また薬局機能・業務を他職種に理解いただき利用していただくことが大切であり、今後もこのような活動を通して、山梨県全体の地域医療を推進することが、みさき薬局の使命でもあり存在価値だと考えられています。

取材協力

有限会社ダイナ みさき薬局武田
所在地:山梨県甲府市武田3-2-18
TEL:055-269-6868

薬剤師の深澤先生、渡辺先生にお話を伺いました。
  • ユニヴ

    みさき薬局に入社した理由を教えてください。

  • 深澤先生

    私は山梨出身で、就職は山梨県でしたいと思っていました。数ある薬局の中でも佐藤社長の人柄や地域医療への熱意に惹かれ、みさき薬局に入社しました。

  • 渡辺先生

    私も山梨県出身で、将来は地元の薬局で地域医療に貢献したいと考えていました。みさき薬局は山梨県内薬局の中でも私の志の多くを持っており、社長の医療への思いや会社の方針に共感し、またこの薬局であれば自分自身を成長させながら地域の皆様の支えになれると思いました。

  • ユニヴ

    お2人とも地元がお好きなんですね〜。山梨県の魅力はどんなところがありますか?

  • 深澤先生

    山梨県のグルメで言うと、やっぱりフルーツですね!ぶどうと桃が有名です。それとB級グルメでチャンピオンを取った「鳥もつ煮」が美味いです。白いご飯! そうそうお酒にも合いますよ〜(笑)私は山椒を振りかける派です。

  • 渡辺先生

    富士山、南アルプスに八ヶ岳、名峰に囲まれていますから観光も色々ありますよ。春は武田信玄の「信玄公祭り」、夏は忍野八海、神明の花火に石和の花火、秋は河口湖の紅葉祭り、冬は甲府盆地の夜景ばっちり「ほったらかし温泉」露天風呂がオススメです。間近に雪をかぶった富士山も見えて素晴らしいです。四季折々の自然の変化を楽しめるのが山梨県の良いところですね。

  • ユニヴ

    自然が豊かで食べ物もおいしく、とても癒されますね。山梨が大好きなお2人ですが、地域医療に貢献するためにどんな薬剤師になりたいですか?

  • 深澤先生

    地域の皆様に必要とされる、頼りにされる薬剤師になりたいですね。患者様の立場になって、何でも気軽に相談される、立ち寄りたくなる薬局にしていきたいです。

  • 渡辺先生

    山梨県内において、みさき薬局は在宅療養支援をいち早く進めてきましたが、県全体で考えるとまだまだ在宅医療が進んでいるとは言えません。薬局薬剤師だけではなく、病院薬剤師、医師、看護師、ケアマネージャー関連他職種の方と連携し、研修会や地域の方々へのセミナーなどの活動を通して在宅医療推進に貢献していきたいと思います。

  • ユニヴ

    山梨の地域の皆様のためにこれからも頑張ってください! ありがとうございました。