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黒川眞妃子先生の薬膳レシピ 4 冬瓜と浅利のピリカラスープ

材料(4人分)
浅利・300g 冬瓜(正味)・200g 昆布5B角・1枚 水・800cc トマト・2個
刻みパセリ又はシャン菜・適量 酒・大3 ニンニク・1/2カケ分 生姜・1カケ分
トマトピュレ・大4 A:砂糖、醤油・各小1 豆板醤・小1/2 豆鼓醤・大1 塩、胡椒・少々
作り方
  • 浅利は砂ぬきをしてよく洗う。冬瓜はワタと皮を除いて食べやすい大きさに切る。
  • トマトは4等分の櫛切りにする。生姜、ニンニクは薄くスライスする。
  • 鍋に水、昆布、冬瓜を入れて中火にかけ、アクを取りながら冬瓜が軟らかくなったら昆布を取り出し、浅利、酒、生姜、ニンニク、トマトピュレを加え、浅利の殻が開いたらトマトを加え5分ほど煮込む。
  • 【2】にAを加えて調味し、ひと煮立ちしたら火を止め器に盛り、パセリを加える。
効能
体の余分な水分を排出する働きのある浅利や冬瓜を使ったスープに辛味を少し加え、食欲が無くなる梅雨時季の浮腫み対策に役立つ一品です。

梅雨どき食養生

雨が多くじめじめとした梅雨時季は外気の湿気が体を覆い、汗が出にくく体内に余分な水分が溜まりやすい季節です。この時季に水分代謝が上手くいかず尿や汗として湿気を外に追い出す事が出来ないと、体の至るところに様々な不調が表れます。

私達の体に悪い影響を及ぼす湿気は「湿邪しつじゃ」と呼ばれ、重濁じゅうだくと停滞の特徴をもち、頭や体が重い、足が浮腫んでだるい、目ヤニが多くなる、ニキビがジュクジュクと膿む、おりものが多くなったりします。

また、「脾」という消化器系統の機能は湿を最も嫌い、湿が脾に滞ると食欲不振、消化不良、下痢、軟便などの症状も表れます。
この時季の食養生は利尿作用のある薏苡仁はとむぎ茯苓ぶくりょう、冬瓜、キュウリ、えんどう豆、空豆、浅利、昆布、若布、緑豆、鱸や鯛などの白身魚などと、胃腸を丈夫にするインゲン豆、じゃが芋、山芋、南瓜、豆類、キャベツなどがお勧めです。

利尿作用を持つ浅利や冬瓜、若布などは体を冷やしてしまうのでスープのような温かな調理法を選び、生姜や豆板醤、豆鼓醤などの辛味を少し加えるのがポイントです。
また、油や甘味は水を抱えやすくなるので、揚げ物は控え、蒸しものなどあっさりとした食べ方がいいでしょう。

体の浮腫みをそのまま放置しておくと血管が圧迫され血液循環が悪くなり、老廃物が脂肪細胞の周辺に溜まり、セルライト発生の原因に。セルライトは下腹部、太もも、お尻にできやすく、一度出来てしまうと自然に消えることなく痩せにくい体になってしまいます。

美容面から考えても体内の湿気は早めに対処しておきましょう。

黒川 眞妃子氏プロフィール
黒川 眞妃子 氏

経歴

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。 食べることは生きること・・・食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

資格

国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターsecond Grade

執筆

大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報

TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

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