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黒川眞妃子先生の薬膳レシピ 5 秋の美肌作りに…白木耳、蕪、鶏団子の豆乳汁

材料(4人分)
小蕪・2個 蕪の葉・1束 白木耳(乾燥)・8g 鶏ミンチ・200g
刻み生姜・5g 出汁・800㏄ 豆乳・50㏄ 白味噌・大さじ2
クコの実・適量 塩、胡椒・少々
作り方
  • 蕪は皮をむき、櫛切りにする。蕪の葉は茹でて小口切りにする。
    白木耳は水で戻し、サッと茹で、食べやすい大きさに切る。
  • ボウルに鶏ミンチ、塩、胡椒、刻み生姜を加えて練り混ぜておく。
  • 鍋に出汁を沸かし蕪、白木耳を入れて10分ほど煮込み、蕪が軟らかくなったら鶏ミンチをスプーンで丸めながら、団子状にして落とし入れる。
  • 【3】の鶏団子に火が通ったら白味噌を溶き入れて火を弱め、豆乳を加える。
    ひと煮立ちしたら塩で調味し器に注ぎ、蕪の葉、クコの実を添え、好みで黒胡椒をふる。
効能
肺の乾燥を防ぎ肌を潤す白木耳に体に潤いを与える蕪や豆乳を合わせ、滑らかな美肌作りに役立つ一品です。

秋の食養生

暑さが和らぎはじめると徐々に乾燥した空気が流れ始めます。
中医学では秋のエネルギーは乾燥の「燥」。この燥の影響を一番受けやすい臓器は「肺」だと言われています。肺は呼吸機能以外にも水分代謝や体温調節機能、免疫機能といった様々な役割を受けもち、潤いを好み乾燥を嫌う「喜潤悪燥きじゅんあそう」の臓器と言われています。肺は十分な潤いを保つことでその役割を果たしていますが、乾燥した外気により潤いが不足すると、肺を中心とする呼吸器系、皮膚、大腸などにトラブルがおこります。
口の渇き、鼻や喉の乾燥、から咳が出る、声が枯れるなど、また美容面においても肌のカサつきや痒み、便秘も気になるところです。
秋は肺を潤し、唾液の分泌を促進して渇きをいやす「潤肺生津じゅんぱいせいしん」の効能をもつ白木耳、梨、リンゴ、柿、山芋、エノキ、百合根、白ごま、松の実、豆乳、豆腐、瓜類、桑の葉茶、蜂蜜などがお勧めです。
から咳が出るなら大根や梨のすりおろし汁、喉が腫れてくるようならフレッシュミントティー。肌のカサつきには松の実粥や白木耳のスープ、豆乳鍋をごまタレで頂くのもいいでしょう。潤い不足の便秘には無花果や蜂蜜がお勧めです。
また、寒さの入る晩秋には肺を温めて働きを高める生姜や葱、紫蘇など辛味の食材を少々加えるのも秋の食養生のポイントです。
秋は「自然の道、養自然の身」。秋は自然のままの気候で夏の疲れを回復し、無理なく体を養うことが出来る季節です。あまりバタバタと動き回らず、読書や音楽を楽しみながら心身共にゆったりと過ごし、寒い冬に向け体を備えておきましょう。

黒川 眞妃子氏プロフィール
黒川 眞妃子 氏

経歴

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。 食べることは生きること・・・食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

資格

国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターsecond Grade

執筆

大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報

TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

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