薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

ファーネッコ先生が行く

三重県伊勢/鳥羽/津 ほか

旅人 ファーネッコ先生

美し国、
三重県を訪ねて。

三重県は近畿地方!? それとも東海地方!?
近畿地方とは一般的に大阪、京都、滋賀、和歌山、奈良、兵庫の二府四県を指す。学校では三重を加えた「近畿二府五県」と教える傾向にあるという。
中部地方は愛知、岐阜、静岡の三県で、東海地方だとここに三重県が加わる。「東海三県」とは聞いても「東海四県」とはあまり聞かないので、ますます三重県の立ち位置が面白い。
果たして三重県は近畿なのか東海なのか、真実に迫る旅が始まった—。

お伊勢さん、こと伊勢神宮の正式名称は「神宮」というシンプルにして荘厳なもの。皇室の御祖神であり、日本人の総氏神でもある天照大御神をお祀りする内宮と、衣食住を始め産業の守り神である豊受大御神をお祀りする外宮からなり、14の別宮、43の摂社、24の末社、42の所管社、合わせて125の宮社の全てを含めて神宮という。

内宮への入口、五十鈴川にかかる宇治橋の手前の大きな鳥居で一礼をする。この橋は日常の世界から神聖な世界へ、また人と神とを結ぶ架け橋だといわれている。橋を渡るだけなのに妙に緊張してしまう。自然豊かで玉砂利の続く長い参道を進み、幾つもの鳥居をくぐると内宮の正宮である皇大神宮の石段が見えてきた。
神妙な面持ちで静かに参拝を終えると晴れやかな自分がそこにいた。

宇治橋をもう一度渡り鳥居をくぐって日常の世界にもどる。この鳥居のすぐ側で栄えたのが「おはらい町・おかげ横丁」。宇治橋から五十鈴川に沿って続く800mの石畳の通りには、お伊勢さん特有の様式を取り入れた町並みが軒を連ね、通りにはたくさんの土産物店・飲食店が建ち並ぶ。
ここで「萬金丹」を購入する。古くより三重は東海道、伊勢街道、熊野街道など有名な街道があり、江戸時代にはお伊勢参りの土産物として萬金丹は全国に広まり、旅には必ず常備する万能薬とされた。主に胃腸を改善し、その効能は、食欲不振、消化不良、胃弱、飲みすぎ、食べすぎ、胸やけ、胃もたれ、はきけ、二日酔い...配合されている生薬には、下痢、腹痛にも効果があるそうだ。黒と金色の丸薬は見た目も神秘的。

この通りには歴史的建造物もありレトロな雰囲気を楽しみながらのんびり散策でもと思っていたのだが、平日なのにこの賑わい。多くの方がアジアからの観光客だがみんな笑顔いっぱなのが印象的だ。

鳥羽市相差町おうさつちょうにある海女小屋『はちまんかまど』へ向かう。ここは漁場のすぐそばの海女さんの小屋で、海女さんが魚介を焼いてくれる。すでに小屋の中は先客でいっぱいだ。
小屋の真ん中にカマドがあり海女さんたちが手際よくアワビ、サザエ、カキ、桧扇貝、大アサリや天然伊勢エビを焼いている。貝を焼く香りと煙が食欲をそそる。

まずは鯛の姿造! 身がプリプリでほんのりと甘くとっても美味しい!舌鼓を打っているとお盆に焼きたてサザエを海女さんが置いてくれる。1つ、2つ、3つ...テンションが上がる。桧扇貝にカキと休む間もなくアツアツの香ばしい海の幸をいただく。そして大トリは天然伊勢エビ!
雰囲気たっぷりの小屋とカマド、眼前の美しい海においしい魚介、海女さんとの楽しいおしゃべりに時間を忘れる。
最後は海女さんたちの踊りで宴は終わった。

夜は伊勢市駅周辺で宿をとり、地元の老舗割烹店へ。てっさ、ワタリガニ、カキフライにイカの刺身などなどを肴にビール、熱燗で至福の夜は更けていった。

エスカルゴ牧場なるものを松坂市内で見つけたのでさっそくお邪魔した。予約もしていないのに快く応対してくださった代表の方に施設の概要をお聞きする。
高級食材で有名なエスカルゴは、フランス国内では絶滅の危機にあり保護育成種指定動物になっていて輸出が禁じられているそう。そこで誰も出来ないエスカルゴの養殖を独学で始められ、約30年の歳月をかけてブルゴーニュ種エスカルゴの完全養殖に、世界で始めて成功したというすごいところなんだ。
ここでエスカルゴを試食する(有料)。代表自らが考案したオリーブオイルベースの特製ソースをたっぷり絡めたエスカルゴをトーストにのせて頂いたが想像以上に美味しい! 因みにエスカルゴ(カタツムリ)は陸に生息する巻貝の総称で魚介類に分類されると知り驚いた。

お昼は駅弁やサービスエリアで販売されている人気の松阪名物黒毛和牛「モー太郎弁当」を購入。容器は角も生えた全面牛の顔、フタを開けると童謡『ふるさと』が流れる日本初のメロディ弁当は旨み油がとろけ出た松坂牛を、すき焼き風に甘辛く味付けしたお味が最高!
見た目のインパクト、フタを開けるとメロディが流れるまさかの演出、美味さ格別と三拍子揃ったお弁当はコスパ最高だ。

明治30年創業のレストラン東洋軒本店は三重県津市にある。お目当ては創業以来続く伝統の『ブラックカレー』(ファーネットマガジン8号掲載)。店内は趣のある明治の香りと大正浪漫を伝える素敵な空間が広がる。
名産の松坂牛や小麦粉、秘伝のスパイスで手間ひまかけてつくられたブラックカレーは美しい輝きを放ち、気品に満ちている。松坂牛の甘みや旨みが溶けあい、まろやかな辛みは至極上品な大人のカレーだった。

三重県は近畿なのか東海なのか—と真実に迫る旅のはずが、すっかり旨いもの三昧の旅となってしまった。
結論。三重県は『美し国』であり『美味し国』なのであった。

地域密着のヘルスケアステーション コスモス薬局

コスモス薬局の皆さん

代表取締役社長 前田賢治さん(左)と取締役専務 前田貴洋(右)さん

有限会社コスモスは三重県津市・伊勢市に11店舗展開、2017年にも新たに2店舗の開局を予定している調剤薬局です。「薬を通して地域の皆さまの健康に貢献すること」を常に目標とし、個性と実力を伸ばす育成環境での各薬剤師の感性と、最新の調剤機器による設備の正確さをベストミックスし、質の高い調剤業務を行っています。

取材協力

有限会社コスモス
三重県津市野田33-5
TEL:059-237-5278

代表取締役社長 前田賢治さん・取締役専務 前田貴洋さんにお話をお伺いしました。
  • ユニヴ

    コスモス薬局さんの雰囲気を教えてください。

  • 前田専務(以下専務)

    ガチガチの私語禁止という訳ではなく、患者さんがいらっしゃらない時には薬剤師どうしで雑談などのコミュニケーションが取れるような、楽しい職場ですね。

  • 前田社長(以下社長)

    開局から23年目になるのですが、離職率が非常に低いので、年齢層は比較的高いですね。1番上の方は70歳を超えていますが、今でも第一線で頑張って下さっています!今後は若い力も迎えながら、在宅にも注力していきたいですね。

  • ユニヴ

    離職率の低さの理由はどういったところでしょうか?

  • 専務

    プライベートが充実してこその仕事だと考えておりますので、長期休暇が取りやすい環境を整えています。だらだらと残業をするのではなく効率的に仕事をして、休む時はしっかり休んで頂くというメリハリを大事にしていますね。

  • ユニヴ

    コスモス薬局さんの「他の薬局とここが違う!」という部分を教えてください。

  • 社長

    現在は健康サポート薬局としての機能を担うために邁進しています。2016年の調剤報酬改訂以降、認定薬剤師の研修を1年間かけて行ったり、在宅医療への取り組みに向けて他業種との連携を図ったり、一歩ずつ進んでいます。eラーニングへの取り組みや、基準薬局の関係で土曜日開局となる店舗があることなども、みんな前向きに捉え、非常に協力的に行動してくれています。
    また、開局を予定している店舗も、プライバシー保護の観点から天井までのブース式にし、中の会話内容が分からなくなる装置を入れています。薬局の構造や設備等も常に新しいものを取り入れていきたいと考えています。

  • ユニヴ

    津市の患者さんの地域性はありますか?

  • 専務

    ご高齢の方がとても多く、温和な感じの方が多いです!周りは基本田んぼなので、一人一台車を持っていて、車を運転して来られる方が多いですね。

  • ユニヴ

    そういった地域だからこそ在宅にも積極的に取り組んでいかれたいということですね。推進への難しさはどういったところですか?

  • 社長

    開業されているドクターが在宅をしようと思っても、そこに及ぶまでの時間がないことですね。在宅専門のドクターが増えると、在宅も推進されるのですが、まだその土壌が少ないですね。

  • 専務

    最近感じているのは、在宅予備軍の方が多いということですね。例えば、娘さんが薬局へご両親の送迎を行っていても、一緒には住まれていないので普段のお薬の管理ができないことに不安を感じているご状況で、ただ介護保険を使うまでではないんですね。医療保険の3割ですと、在宅1回の負担金が1860円。そうなるとやはり頼みにくいというお話をよく伺いますね。ただ、手をこまねいているわけにはいかないので、できるところからやっています。

  • ユニヴ

    今後の取り組みについてお教えください。

  • 社長

    地域の皆様に色々な形で貢献したいと考えています。例えば、コスモス薬局には薬草の先生もおりますので、今までは薬剤師会を主体としてやっていた薬草観察会を薬局単位で開催したいと考えています。後日参加された方が来局されたときの、「この間はありがとう」という会話が関係性の始まりにもなります。

  • ユニヴ

    将来の展望についてお教えください。

  • 専務

    薬剤師は接客業だと考えています。患者さんとの対話を大切にし、次回も気持ちよく来て頂ける薬局でありたいですね。

  • 社長

    私が薬局を開いたときから、地域の人にお薬を通して貢献したいという想いはずっと持ち続けています。健康サポート薬局でやっと制度化し、より一層頑張り甲斐がありますね。