薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

ファーネッコ先生が行く

岡山県岡山市 ほか

旅人 ファーネッコ先生

晴れの国 おかやま

気象庁が作成した「全国気候表」(1981~2010年(30年間)の平年値)によると岡山県は降水量1ミリ未満の日が276.8日あって全国第1位。雨の降らない曇りの日もあるので微妙ではあるが、言い切ってしまうところに潔さを感じる。

真夏に晴れの国へ行っても大丈夫?もちろん大丈夫! なんたって岡山には貧血予防や疲労回復など健康には欠かせない栄養素が豊富な牡蠣や葡萄、別名「太陽の樹」と呼ばれるオリーブがある。しかも美容にも効果的とくれば、岡山に行くしかない!

瀬戸内の兵庫との県境を越えたところが岡山県備前市日生町(ひなせちょう)。少し西に進むと漁港、日生港があり五味の市がある。五味の市は早朝に水揚げされた新鮮な魚を漁師のおかみさんたちが販売する漁協市場。新鮮な魚貝類が割安な値段で売られている。
ふと見上げると天井にかかる巨大なソフトクリームのオブジェが目に入る。腕のように横に飛び出しているモノはなんだ?

カキフライだ! ソフトクリームにカキフライが2コ刺さっている。さっそく買ってみた。おかみさんは通常のソフトクリームを作った後、慣れた手つきで揚げたてのカキフライを横に差込む。仕上げに小豆島産の刺身醤油がふりかけられるのが妙に本格的。
ソフトクリームを受け取りオブジェと比較するとまったく同じ(笑)。
突き出たカキフライを慎重につまんで、クリームといっしょに頬張ると...なんだろう、普通に美味しい! 衣の香ばしさとクリーミーな牡蠣がアイスクリームと絶妙に合わさったまろやかさ!なのにさっぱりしている。シュールな見た目とは裏腹にカキフライソフトクリームは小腹も満たしてくれる十分“アリ”なスイーツだった。

日本のエーゲ海と呼ばれる牛窓。美しい瀬戸内海に点在する島々を見渡す広大な丘に牛窓オリーブ園はある。日本にオリーブ樹の栽培が伝わったのは、意外にも古く幕末だとか。今では、気候が適した牛窓町と香川県小豆島が日本の二大産地だ。オリーブ園には成木が約2000本栽培されていて、園内を散策すると幸せの鐘や展望台、ジェラート工房や宿泊施設まである。

木陰で休憩し、オリーブの果汁が使われたオリーブサイダーを楽しんだ。美しいオリーブグリーン色のサイダーは青りんごやバジルの風味に近く、口当たりもフレッシュで爽やか。お洒落な余韻が心地いい。

葡萄は白桃と並ぶ岡山を代表するフルーツ。明治初期に導入されたヨーロッパ系の葡萄は、梅雨や高温多湿の日本の気候に馴染めず各地で栽培が難航。そんな中、岡山県内で考案されたガラス室栽培によるマスカット・オブ・アレキサンドリアの育成に成功する。この栽培法が後のハウス栽培の基礎となり幅広く活用される。

石原果樹園にお邪魔してブドウ狩りを楽しんだ。ここは完全予約制でフルーツガイドの方が案内してくれる。その時収穫出来る品種の説明を受け試食してからの狩りとり制。葡萄は世界に7000品種以上あると言われていて、こちらの果樹園では約20品種の厳選した上質な葡萄を栽培している。岡山を代表する高品質な葡萄、マスカット・オブ・アレキサンドリアは「果物の女王」と称され、日本全国の90%以上のシェアを誇る。ほかにも「黒い真珠」と呼ばれるピオーネや、最近大注目の皮ごと食べられる種なしのシャインマスカット、巨峰とマスカットのイイトコどりをした種なしのニューピオーネや強い甘みが特徴の新品種、紫玉などなど。どれも食べてみたい! と思っていたら収穫できる葡萄の試食タ〜イム♪

左から紫玉、シャインマスカット、小粒のデラウェアー。どれも甘~い! そして種なしで食べやすい。特にシャインマスカットは粒も大きく皮ごと食べられるので満足度が高く試食後の狩りとりではシャインマスカットが一番人気! 紫玉やデラウェアーも相当美味しいんだけど、都心部で値が張るシャインマスカットの現地価格にヤラれた・・・。

今夜は岡山駅周辺で宿を確保し、地元の居酒屋でさっそく反省会なる宴が始まった。 反省をしながら箸とお酒が止まらない。
ここ岡山も食べ物が実に美味しいという結論で反省会は終わり、明日に備えるのだった。

後楽園は約300年前に岡山藩二代藩主、池田綱政が藩主のやすらぎの場として作らせた庭園。明治4年に「御後園」を「後楽園」と改め、17年には保存を目的に池田家より岡山県に譲渡された。そして昭和27年、文化財保護法による特別名勝に指定され、江戸時代の面影を伝える庭園として金沢の兼六園、水戸の偕楽園とあわせ「日本三大名園」と称される。

後楽園ではタンチョウ(鶴)が飼育されている。その昔、庭に降り立ったタンチョウをみて、綱政がおめでたい出来事の兆しと喜び和歌を詠んだという記録が残っている。現在はケージの中で飼育されているが、毎年1月1日には数羽のタンチョウが放鳥される。新年のおめでたい雰囲気を楽しみに、毎年、大勢の人が来園するそうだ。

美しい庭園を歩けば不思議と真夏の暑さも和らぐ―、ことは無かったけれど、心休まる満ち足りた時間を過ごせた。

月見橋を渡れば岡山城がお出迎えだ。天下人、豊臣秀吉に厚遇された宇喜多秀家が、8年の歳月を費やして完成させた城は昭和20年の空襲で焼失するも、41年に再建、復元された。岡山城は豊臣時代を伝える数少ない城でもあり、漆黒の壁が美しいその姿から“烏うじょう城”または“金烏城”と呼ばれる。天守閣の2階では、無料で殿様やお姫様の衣装を身につける体験が人気で、大名駕籠に乗って記念撮影もできる。この日も外国人観光客で賑わっていた。

岡山は山々と清流、瀬戸内海の恵みを受けた素晴らしい景色が織りなす吉備の国。空はどこまでも青く高く、観光PR通り、まさしく『晴れの国』だった。

薬剤師の職能をフルに活かし、地域と深く関わる サンヨー薬局グループ

和気店・武蔵先生の個人在宅に同行させていただきました

雄大な吉井川沿いからつづら折りの山道、最後は対向車とすれ違えないほど細い道を走ること30分、到着したのは市川さん(76歳・女性)のご自宅です。お話好きで明るい市川さんですが、幼い頃に当時は有効な治療法が無かった関節リウマチを患ったことで骨破壊が進み、現在は寝たきりで生活をされています。

「こんにちは~」とご自宅に入るとすぐに、武蔵先生は奥のお仏壇の前で手を合わせます。2週間前にお話していたネズミ退治の続きを聞きながら、手元では一包化された薬に手際よくハサミで切り込みを入れていきます。手に力が入りにくく、マジックカットでも開けにくいので、切り込みを入れるのだと教えてくれました。

続いて、特段断りなく冷蔵庫を開けて取り出したのは座薬入れ、棚からは漢方薬の入ったケース、引き出しからはお薬手帳を取り出します。「他の方が聞いたら驚くかもしれませんが、勝手にさせてもらってるんですよ」と笑う武蔵先生への、市川さんとご家族からの信頼の大きさは計り知れません。

ゆっくりとした方言で進む会話は終始とても自然で、薬を全面に出したお話はありませんでした。市川さんのお話を受け止め、返すというキャッチボールの中で、前回訪問時からの痛みの変化や痛み止めの使い方、ムカデに刺されたという市川さんの患部を確認し、アナフィラキシーショックの症状や対処法についてもお話をされていました。

患者様とご家族を中心に、連携する医療従事者はもちろん、患者さんのコミュニティまで幅広く信頼関係を築かれ、そこには目指すべき地域包括ケアシステムの実現を強く感じました。

井手先生

たけべ店・井手先生にお話を伺いました。

大学院卒業後に病院、企業での経験を経て、サンヨー薬局へ入社して11年目になります。現在は窓口・施設・在宅業務、学会発表、社内研修と携わる仕事は多岐に渡りますが、充実した日々を過ごしています。

私が考えるサンヨー薬局の大きな特長は2つあります。

1つ目は、薬について聞かれたことは即答でき、医師よりも詳しくあるために常に努力する風土と、それをサポートする環境があることです。私が初めに配属された店舗では、ある上司からしか薬を受け取らない患者様がいらっしゃいました。その上司の仕事への姿勢や患者様との接し方から学ぶことは多く、自分も「医療の中での薬剤師の価値に気付きたい」と必死で毎日勉強に励みました。「誰と働くか」は非常に重要なことです。サンヨー薬局には、一緒に働くことで成長できる薬剤師が沢山います。

2つ目は、社会人として・医療人としてのマナーをとても大切にしていることです。初めは「名前」や「処方薬」といった記号ばかりを見て話をしていました。患者様の多くは高齢の方で、30~40年間社会のルールとマナーの中で生きてきた方々ですので、それを守った上で初めて話を聞いてもらえます。「モノ」から「ヒト」へ視点が変わることで、「お薬を飲んでいて何か不都合はないですか?」ではなく、コミュニケーションの中から「最近食欲がない」「眠れない」といった情報を拾い、適切な指導をすることができます。

薬剤師の仕事は全体の調整役だと考えています。患者様の疾患を治す・機能を維持することは当然で、例えば患者様が医師に言い辛いことを薬剤師の視点から医師に伝えられると、円滑に進むこともあります。そして、患者様はもちろん、連携する他職種の方から必要だと認められることにやりがいを感じています。今後も、薬剤師の仕事への誇りと他者への尊敬を常に持ち、地域に貢献すべく努力を続けていきます。

取材協力

サンヨー薬局和気店 和気郡和気町和気669
サンヨー薬局たけべ店 岡山市北区建部町建部上326-3

たけべ店

サンヨー薬局グループ 株式会社エム・エス経営企画

サンヨー薬局は、岡山県内に15店舗展開する調剤薬局です。設立当初から20年以上在宅医療に取組み、岡山でNo.1の在宅実績があります。患者様のQOL(生活の質)向上を目的とし、患者様の症状、背景に応じた『オーダーメイド調剤』を実施することで、信頼される『かかりつけ薬局』を目指します。

お問い合わせ先
本社所在地:〒700-0013 岡山県岡山市北区伊福町2丁目30-3
電話番号:086-214-3417(担当:堀部)