薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

ファーネッコ先生が行く

長崎県長崎市・佐世保市

旅人 ファーネッコ先生

長崎さるく

2006年に約半年間行われた地方博覧会「長崎さるく博'06」 が好評だったため、長崎県は翌年より規模を縮小して町歩きに特化したイベントを継続。その名称が“長崎さるく”である。ぶらぶら歩くことを長崎の方言で“さるく”という。(“さるく”という方言は九州の広い地域でも使われる)早速、長崎さるくを始めるとしよう!

長崎大学薬学部が開設した『お薬の歴史資料館』へ。薬学部講義棟の2階に歴史資料館はあり、普段もリフレッシュルームとして利用されていて、この日も学生が予習をしたりおにぎりを食べながらノートを開いていた。

まず目に飛込んで来たのは大きな箪笥。これは百味箪笥と言っ て薬屋が薬種を保管するために用いたもので江戸時代末期か ら明治初期に作られたもの。他にも資料価値の高い掛看板や 薬研など、薬に関する貴重な資料が展示され一見の価値あり。

軍艦島の正式名称『端島』は長崎港の南西およそ19kmの海上にある島である。1810年(文化7年)に石炭が発見され、その80年後の1890年(明治23年)に三菱が島と鉱区の権利を買い取り、本格的に石炭の発掘が始まった。端島炭鉱の石炭はとても良質で、隣接する高島炭鉱とともに明治から昭和にかけて栄え、日本の近代化を支えた。

急成長を遂げた1960年(昭和35年)の島には5,000人以上が住み、人口密度は世界一。東京の人口密度の9倍以上とも 言われたが、石油の台頭とともに石炭の需要が激減。1974年(昭和49年)に閉山され島民も島を離れ無人島となった。

記憶から忘れ去られた軍艦島は2015年(平成27年)、国際記念物遺跡会議(イコモス)により、軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界文化遺産に登録され、再び注目されることになった。

マーキュリー号に乗り込み軍艦島に向かう。長崎港常盤ターミナルを出航して約40分、深いグレーに染まった要塞が海上に現れた。どんどん近づきながら船はゆっくりと島を周る。朽ち果てたコンクリート群が眼前にまで迫り、その不気味で圧倒的な存在感に身震いがした。

マーキュリー号が軍艦島のドルフィン桟橋に着岸した。タラップが掛かり上陸すると辺りにはコンクリートの残骸が広がる。遠目から見る印象とは異なって、所々に茂る草木やレンガの壁、高台の白い灯台が青空に伸び色彩は豊かだ。

島は団体行動で安全が確保されたところのみ見学が許され、要所でツアーコンシェルジュが詳しい解説をしてくれる。東京ドーム1.3個分の島内には高層住宅や学校、病院、映画館に寺社まで建てられお祭りもあった。軍艦島という通称や、廃墟と化した建物の見た目から想像するのとは違い、ここは確かに夢や希望で活気にあふれた島であったと強く実感する。 勿論、石炭採掘は危険で労働環境も悪い。社宅にはエレベーターがなく、10階の保育園に通っていた子ども達も大変だったろう。毎年やってくる台風との戦いもあった。だがこの軍艦島に立ち、当時の社会や暮らしを知ると真に笑顔になれるのだった。

ハウステンボスにいると日本に居ることを忘れさせてくれる。修学旅行と思われる多くの小・中学生、高校生の姿を見ると一瞬、違和感を感じるほどだ。季節柄、ハロウィンの飾り付けがされたパーク内は愉快で、LEDも沢山張り巡らされていたから、夜はイルミネーションが最高に美しいだろう。

抜群に美味しかったちゃんぽん! 美しく荘厳な大浦天主堂、グラバー園に出島、オランダ坂などなど西洋文明と日本文化が融合した長崎は、他にも観光スポット、歴史スポットが満載!何度も訪れ“さるく”したくなる長崎は今日も晴れだった。

医師・患者様・施設職員を繋ぐ早苗町調剤薬局

  早苗町調剤薬局従事者:●薬剤師 4名 ●事務員 5名

株式会社ニック 早苗町調剤薬局 管理薬剤師
小島 光一朗さん

長崎県佐世保市・杏林病院の門前に位置する早苗町調剤薬局は、地元の方にまず最初に頼りにしてもらえる存在であるために、スピードを重視しながらもミスを事前に防ぐ監査と患者様に親身になって話ができる雰囲気作りを心掛けています。

地元を離れる不安 < もっと勉強したい!

第一薬科大学卒業後、色々な科目の処方を勉強するために、病院門前や医療モールなど幅広く薬局を展開しているニックに入社しました。今年12年目になります。地元は福岡なので、佐世保での店舗立ち上げの話が出た際は、一度外に出てしまうともう戻ってこられないのではないかという不安や迷いもありました。しかし、大きな病院の門前で勉強できる環境に惹かれる気持ちが大きく、早苗町調剤薬局へ行く決断をしました。実際、門前の杏林病院は整形外科をはじめ9つの診療科があり、日々新しい処方に出会って勉強ができ、とても満足しています。

挑戦できるやりがいと大切にする温かさ

ニックには、年末に自分の考えややりたいことを報告する制度があります。これは薬剤師に限らず、事務の方も全員です。「店舗立ち上げに携わりたい」「在宅にもっと注力したい」など、自分の想いや来年挑戦したいことを書くと、そこに挑戦できる環境への異動やシステムの導入、教育の充実など反映してくれることも多くあります。自身でキャリアプランを立て、そこに挑戦してステップアップしていけるのは、とてもやりがいがあります。

現在、早苗町調剤薬局として行っている居宅療養管理指導は施設だけですが、これからは個人宅に行くことが多くなり、個人宅でも抗がん剤や終末医療が増えてくると思います。もしそういった患者様がいらっしゃれば、率先して早苗町調剤薬局で対応できるよう勉強していきたいと思います。

また、ニックはM&Aでの店舗開拓もしています。実は早苗町調剤薬局も開拓された店舗の一つなのですが、元々そこで培ってこられたやり方も残しつつ、改善が必要な部分はゆっくりと導入していくので、薬局も人も無理なく、徐々に変わっていくことができます。ずっと通ってくださる患者様にも自然に受け入れていただくことができ、昨今少し強引なM&Aが目立つ中、薬局も人も大切にする社風が好きですね。

飲むところを見るまでは分からない

居宅管理指導というものが始まる前のことです。施設で患者様の部屋をまわって投薬をしながら、併用薬について伺っていると、「バファリンを飲んでる」という患者様がいらっしゃいました。「今回お渡しする風邪薬・解熱剤と一緒に飲まないでくださいね」と言ってお渡ししたのですが、少し気になり、「いつ飲みましたか?」とお尋ねしました。「さっき飲んだ分が余っているから」と見せてくれたのは4分の1にカットされたバファリン配合錠A330。その患者様は市販のバファリンと同じものだと思い、痛みが少ないからとご自分で量を調整しながら服用されていたとのことでした。この一件があってから、自分がお渡しした薬をきちんと飲んでくれているかは、飲むところを見るまでは分からないなと実感しました。

例えば、漢方薬は添付文書上、食前・空腹時で飲むこととなっています。しかし、施設で食事の30分前に漢方を飲む患者様だけを集めて飲んでもらい、その後に食事、錠剤のお薬…という流れを作っていただくのは、かなり難しいことだと施設に行き始めてから感じました。しかし、「飲むところを見るまでは分からない」ので、きちんと施設の方に飲むところを見ていていただきたい、患者様が飲まないことには意味がない、ということを用法と併せて職員の方にきちんと説明し、その上で飲みやすい飲み方で飲んでくださいとお伝えするようになりました。

信頼は積み重ね

施設訪問を始めたばかりの頃は、「体調どうですか?」と伺っても「特に何も」と言ったきりで詳しくお話してくれない患者様もおられました。それでも、中に入って座って顔を見ながら、その方が飲まれているお薬について一からご説明します。ご高齢で薬の種類が多くなってくると、「飲めと言われたから飲んでいる」という状態の方が多いのです。そこで一つずつの効能を説明していくと、「じゃあこの薬は?」と興味を持っていただけるようになりました。また、月に1回の血液検査のデータを見せていただき、施設職員の方にもしっかりと説明することで、医師には中々聞けないことも、気軽に薬剤師に聞いてもらえるようになりました。

施設へは必ず担当を決めて毎回同じ薬剤師が行き、前回からの経過の確認はもちろん患者様と医師、施設職員の方と医師との橋渡しで信頼を積み重ねています。

小島さんのある1日のスケジュール

8:30 出社
8:50 全員での朝礼
・朝から皆で声を出して雰囲気を良くすることで、仕事でも円滑にお互いへの声掛けができます!
9:00 開局
病院外来後に来局された患者様への投薬内科・循環器科・整形外科・泌尿器科など様々な科目の処方箋100~130枚
13:00 昼食
居宅療養管理指導を行う施設の患者様へのお薬調剤・監査35名分(1週間処方)
・施設職員の方とはほぼ毎日情報交換しています!
・患者様からのお話は報告書で医師へ報告します。書面だけで伝わりきらないと思ったことは医師や看護師に電話でもご連絡します!
18:00 閉局
18:30 退社

株式会社ニック

「健康なくらしのパートナーに」を合言葉に、全国に80店舗展開しています。処方薬と一般大衆薬の飲み合わせや健康管理全般についての相談もできる薬局を目指し、患者様との良質なコミュニケーションを行いながら、患者様の服薬情報や「患者様の本音」を医師に伝えて連携を図り、患者様、病医院のどちらにも喜んでいただける質の高い調剤薬局として、ニック調剤薬局ブランドの確立を目指します。

お問い合わせ先
本社所在地:福岡市博多区山王1丁目12-19 吉川ビル1F
電話番号:092-434-7575(担当:木島)
取材協力:早苗町調剤薬局 長崎県佐世保市早苗町489-10

早苗町調剤薬局の皆さん