薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

薬剤師 吉田節子が教える!アロマテラピー

第20回 日本産アロマの世界

ラベンダー、ローズマリー、ユーカリ・・・
アロマテラピーと言えば、西洋由来のおしゃれなイメージが一般的かも知れません。
しかしながら、薬剤師として私が今一番お伝えしたい香りは、「日本産アロマ」の香りなのです。
日本の香りと言えばお線香や香道など、煙のような香りをイメージしてしまうかも知れませんが、主に山村地域の農業の6次産業の一環として各地で精油が作られていることは、実はまだあまり知られていません。
例えば少し郊外に車でドライブに行くことがありましたら、ぜひサービスエリアや道の駅で特産品コーナーを探してみてください。そこにはヒノキの精油やユズ精油など、ピュアナチュラル100%の特産品を利用した良質な精油を手に入れられる可能性があります。
ということで、今回はそんな魅力あふれる日本産アロマの代表選手をご紹介します。

〇ヒノキ精油(ヒノキ科 木部・枝部・葉部/水蒸気蒸留法)
ヒノキは言わずと知れたリラックスのための精油です。頭のスイッチをオフしたい時には最適な精油。ヒノキのまな板に抗菌作用があることはよく知られていますが、精油にも抗菌作用がありますので、ベッド周りの感染対策などに使うと良いでしょう。

〇スギ精油(ヒノキ科 木部・葉部/水蒸気蒸留法)
スギの香りはまるで森林浴を楽しんでいるかのような軽やかな香りです。仕事で行き詰まった時やストレスフルな職場での気分転換を図るため、精油をティッシュなどにつけて香りを嗅ぐ芳香浴をお勧めします。分子量の小さなモノテルペン類が多いため、酸化に注意を。

〇ユズ精油(ミカン科 果皮/圧搾法)
日本人にとってはとても懐かしいと感じる代表格がこの香り。冬の寒い時期に食卓に上がったり、冬至ごろにはゆず風呂などでも親しみがある方も多いと思います。甘すぎない柑橘系の香りは、普段香りを嫌うお年寄りにも好まれる香りです。ルームスプレーにしておくと、寒い時期の不安感を手軽に解消するお手伝いをしてくれます。

〇ハッカ精油(シソ科 地上部/水蒸気蒸留法)
シャープなハッカの香りは集中力を高めます。主に北海道の北見薄荷などが有名で、特産品としてスプレーの形状で売られているものもあります。海外産のペパーミントやスペアミントよりも甘くなく、清涼感が前面に強く押し出された香りです。運転中や受験シーズンの目覚め応援グッズとして使いやすい香りです。

〇ゲットウ精油(ショウガ科 葉部/水蒸気蒸留法)
沖縄原産の香りで、ショウガ科とは思えない、特徴あるみずみずしい香りにファンも多いです。沖縄では月桃の葉をお風呂に入れたり、ムーチーといって餅をこの葉で包み保存したりしていました。皮膚を整える作用があるため、手作りローションの香りづけなどに利用しやすい精油です。

私自身は個人事業として日本産精油活用事業をしているため、日本産アロマの魅力のとりこになって久しいのですが、最近になってやっとスポットが当たってきた日本の香りをより愛おしく感じています。下の写真は山陰地方の質の良いヒノキ木部の視察に伺った時の写真で、懐かしいヒノキの香りに辺り一面包まれていました。
ぜひこの機会にお気に入りの和の香りを見つけてみてくださいね。

あわせ:https://www.awase.co/