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薬剤師 吉田節子が教える!アロマテラピー

第23回 春はアロマでリラックス

春がやって来ました!自然も社会環境も心機一転の時期。寒さに耐え忍んできた体にも心にも、やっと陽気が流れ込んできますので、見るものすべてがウキウキ・ワクワクしている感じがしますよね。
陰から陽へ切り替えが苦手な方は、精神的にイライラしてしまったり、変わっていく環境についていくのを辛く感じて自分の殻に閉じこもろうとしてしまうこともあると思います。
今回は特にこの時期に使いやすい香りをご紹介します。
いつもお伝えしていることですが、アロマテラピー(芳香療法)は心・環境の両方を切り替えることができます。ぜひお気に入りの香りを見つけてみてくださいね。

〇イランイラン Cananga odorata バンレイシ科
花/水蒸気蒸留法
・・・「花の中の花」との語源をもつこの香りは、南国独特の甘い花の香りがします。森に入ると香りだけでこの木が近くにあることがわかります。抗鬱作用・鎮静作用の他に催淫作用や血圧降下作用も知られています。有効成分は酢酸ベンジル・ゲラニオールなど。

〇ラベンダー Lavandula angustifolia シソ科
花と葉/水蒸気蒸留法
・・・リラックスの代名詞的な存在であるラベンダー。清浄で爽やかな香気は誰もが癒されますね。最近ではラベンダーだけでも産地やグレード別など、様々な種類の精油が売られています。鎮静作用の他に抗菌作用が高いため、何かと重宝します。有効成分は酢酸リラリル・リナロールなど。

〇スイートマジョラム Origanum majorana シソ科
地上部/水蒸気蒸留法
・・・スパイスとして使われることでも知られている独特な甘さのあるこの香りには、抗ストレス作用があると言われています。スポーツ選手が競技後にマジョラムのオイルでトリートメントし、筋肉疲労が改善したというデータもあります。スパイスなので食欲改善作用もあるようです。

〇ベルガモット Citrus bergamia ミカン科
果皮/圧搾法
・・・柑橘類の中でもフローラルノートをほのかに感じる上品な香りで、アールグレイの香りづけにも使われています。かなり以前から抑うつ状態を改善する作用があると言われています。成分的にも他の柑橘類は大体がリモネンが主成分ですが、ベルガモットにはリナロールや酢酸リナリルというお花っぽい芳香をもつ成分がふんだんに入っています。

〇サンダルウッド Santalum album ビャクダン科
心材/水蒸気蒸留法
・・・ビャクダンの心材を蒸留した、重厚で品のある木の香りです。心を落ち着かせてゆったりと地に足をつけてくれる、そんな香りです。お香やお線香を焚くと気持ちが落ち着くのがわかる気がします。成分はサンタロール。セスキテルペンアルコール類ですから分子量も多くベースノートとなります。香りが他の精油より残りやすいため、ブレンドする時には考慮しましょう。

〇ネロリ Citrus aurantium ミカン科
花/水蒸気蒸留法
・・・ビターオレンジの花の香りです。ネロラ皇国の王女のお気に入りであったこともあり、長くこの名で親しまれています。シトラス・フローラル・グリーンノートが混ざったふくよかな優しい香りですので、少し高価な精油ですが、好きな人はとことん好きになってしまう魅力的な香りです。

●春色オーデコロンを作ってみましょう●
≪材料≫5mlスプレー容器(できれば遮光がベター)・無水エタノール・上記お好みの精油2~3種類・ビーカー・竹串
≪作り方≫
①ビーカーにお好みの精油を合計3~5滴入れて竹串の平らな部分でよく混ぜる。
②①に無水エタノール5mlを加えてさらによく混ぜる。
③スプレー容器に移し替える。
④(お好みで)アルコール臭を抜くために毎日1回よく振って少し蓋の口を緩める作業を約2週間続けて完成!
イライラしたり、憂鬱になりそうな時にティッシュやハンカチにつけて香りを嗅いでみましょう。きっとリラックスできますよ。