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薬剤師 吉田節子が教える!アロマテラピー

第51回 香りのメモリー 6.フランキンセンス

フランキンセンスは、別名をオリバナムや乳香といいます。ソマリアやエジプトなど、アラブ、アフリカ付近に育つ大きなカンラン科の植物から採れます。精油というと植物の葉や根の水蒸気蒸留法というのが定番ですが、フランキンセンスは樹脂から採ります。

値段も高めですし、あまり一般的ではない精油のため嗅いだことがない方も多くいらっしゃると思うのですが、街中で見かけたときにはぜひ精油の香りを嗅いでみてください。こんなに上品な香りは他にないのではないかと思います。揮発も遅すぎず、早すぎずのミドルノートですので、調香するときに少し使うとブレンドが気品にあふれた香りになります。

フランキンセンスは使われた歴史を見ても、やはり群を抜いたエピソードが多くある香りです。例えば、キリストが聖誕したときに東方の三賢人が駆けつけて献上した「神の薬」の正体が、このフランキンセンスだった、古代エジプト王朝のファラオが、太陽神・ラーの神託を受けるときのみこの香りを使ったなどなど、一言で言えば、「神聖な香り」なのです。

アロマテラピーとして使う場合にも重宝します。精神的には不安感を除去したい場合に使いますし、古くから気管支系の炎症を鎮めるためにバームに混ぜて使用しました。また、最近では細胞成長促進作用があるとされ、高級化粧品に香料として含まれているのも見かけることがあります。ちなみに手作り化粧品として自分用に作る場合には、細胞成長促進作用のある香りを使うといわゆるアンチエイジングケアになりますので、私自身よく使用します(笑)

フランキンセンスの樹脂を初めて見たのは、神戸の元町にある小さなアロマテラピーショップでした。丸い琥珀色の樹脂が、それこそ宝石のようにディスプレイとして並べてあったので少し購入しました。帰宅して早速ライターで炙ってみたところ、煙の香りに混じってあの独特の高貴な香りを味わうことができました。自分だけの時間を5分でも取れるなら、香りをくゆらせた空間でゆったりとリラックスする時間を持たれることを強くお勧めします。何せ、医療従事者は自分を癒すことを忘れがちです。一日のうちのせめて数分であっても、自分だけの癒しの時間を作ってほしいと思います。精油はそんなときに、最高の味方になってくれますよ。特にフランキンセンスの高貴な香りは、自己肯定感も満たしてくれると感じます。

フランキンセンス

【フランキンセンス】
学名/Boswellia carterii
科名/カンラン科
蒸留方法/樹脂・水蒸気蒸留法
主産地/ソマリア・イラン・レバノン・エチオピア・エジプト