業務の「見える化」概要
在宅療養支援業務中心の多様な業務を行う中で、従業員の負担を減らし採算性を上げるために、業務を見直し、改善してゆくことは大切な事柄です。今回はハザマ薬局が取り組む業務の「見える化」についてお伝えいたします。
容易ではなかった業務の「見える化」
在宅療養支援業務は、これからの医療の方向性にマッチしたものであり、薬剤師のやりがいにも結びつき、患者のためにもなるという、「薬局3.0」の根幹ともなる業務です。しかし、在宅療養支援業務はこれまでの調剤中心の業務とは異なり、業務量が多く、内容も多岐にわたるため、漫然と業務を行っていれば業務の増大による人件費の増加が、採算性に影響を及ぼすため、「見える化」は急務でした。
しかし、そこには2つのハードルがあったのです。
乗り越えるべき2つの課題
1つ目は業務の流動性です。元来、在宅療養支援における薬剤師の仕事は、自宅や介護施設で療養する患者の元を訪問した医師が発行した処方箋に基づいて、一般の外来のように調剤して、介護施設に届けることのように考えられていました。一包化などの服薬支援や配役支援が加わり、その後、往診同行やバイタルサインチェックやフェイジカルアセスメントなどを踏まえた処方提案、さらには薬剤師の単独訪問による居宅療養管理指導まで、環境の変化によって、薬剤師の業務内容も劇的に変化してきたことがありました。
2つ目は業務の多様性があります。 患者の処方箋を例に取ると、通常の外来に加え、施設在宅、個人在宅、特別養護老人ホームなど、4つのタイプに分けられ、仕事の内容も異なるのです。また、各薬局店舗によって取り組む業務内容も異なります。在宅療養支援中心、処方箋応需中心など、現場によって業務の状況は異なります。 さらには店舗ごとに業務フローが微妙に異なることから、採算性の向上という条件とリアルタイムにすりあわせながら、業務の「見える化」を進めていくことは、容易なことではありませんでした。
どの現場でも業務を「見える化」し業務効率を上げるために、業務フローの普遍化を図りつつも各店舗の実情に即して個別化を図る難しさがありました。
業務の「見える化」実現への方策
ハザマ薬局では以前はレセプトコンピューターの開発に関わっており、薬局の業務フローについて理解の深かったものを専任スタッフに置き、第三者の立場から各現場での問題の詳細な分析を行いました。
あえて現場業務に関わらないものを置き、俯瞰的に見ることでその根底にある問題点をあぶり出し、次々と改善策を実施してゆきました。
はじめは現場の戸惑いもありましたが、改善策が徐々に効果を上げ、やがて、各店舗に波及していったのです。
業務の「見える化」によって、すべての業務工程は一覧化、効率のよい業務フローの構築が実現し、業務の全体像が把握できるようになったことで、仕事の進捗状況がすべてわかるようになりました。
その結果、従業員は1日の業務スケジュールが明確になり、業務負荷の軽減や、残業時間の減少につながりました。
経営面では、人件費が抑制され、利益率の向上につながりました。
試行錯誤を繰り返しつつ、「新しい医療環境を創造する」。
という私たちのあくなき追求姿勢が日々の改善に繋がっています。
これからも地域に根ざし、患者様に寄り添って支えるハザマ薬局の挑戦は続いていきます。