薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

スポーツファーマシスト活動報告

第7回 回答には責任を持っていますか?

アスリートやその関係者が、勤務している薬局・ドラッグストアに質問に来たとき、どう回答しますか?
「私はドーピングについて詳しくないので、詳しい方に聞いてください。」
「調べます。少々お待ちください。」と回答し、数時間質問者を待たせてしまうことが正しい回答方法でしょうか?
スポーツファーマシストでない方は何がドーピングになり、どう回答したらよいかは分からないと思います。しかし、質問者側からしたら、薬剤師はだれでも回答できると思ってしまうのです。質問者を困らせてしまわないように調べる方法を知っておいてください。都道府県の薬剤師会にFAXや電話で質問すれば回答してもらえます。Global DROというサイトを使用すれば自分で薬剤を検索することができます。どの方法を使用すれば良いのかもしもの時のために知っておいてください。

また、薬剤師よりも、アスリートやその関係者のほうがドーピングについて様々な情報を入手しています。中には間違った情報を正しい情報と認識し、自信をもって話をしてくる方もいます。
以下に、よく質問される項目を挙げます。
①回答には責任を持っていますか?
②ロキソニンは大丈夫ですけど、バファリンはダメですよね?

本当でしょうか?自分ならどう回答するか考えてみてください。
①リポビタンDはタウリンやカフェイン、ビタミン等しか含有されていないので大丈夫です。禁止物質が入っていなければ、何本飲んでも大丈夫です。しかし、薬剤師として、1日1本までといわれている栄養ドリンクを、短時間の間に3本飲むことを許可することが正しい回答でしょうか?また、リポビタンローヤルは生薬が含まれています。生薬は絶対ダメなものではなくても摂取は控えるように言われています。質問者の指す“リポビタン”がどの商品を指しているのかしっかり把握し用法用量を守るように回答することが大切です。
②ロキソニンもバファリンも解熱鎮痛剤です。解熱鎮痛剤にもカフェインが含まれていることがあります。カフェインは数年前まで禁止物質に指定されていましたが、今は禁止物質に指定されていません。数年前の情報を今もそうだと思い、うわさが流れ事実とは異なった内容が正しいことのように流れていることもあります。カフェインは今、監視プログラムという物質に指定され、乱用されないか監視されています。

自信をもって話をされてしまうと、自分の知識に自信がなくなってしまうこともあると思います。
薬剤師として自信をもって回答できるよう、最新の情報をよく調べ正しい知識で回答してください。