薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

スポーツファーマシスト活動報告

第8回 取得まで道のり

公認スポーツファーマシストという資格は2009年に制定された資格です。
2009年、私は大学4年生でした。当時はまだ就職や進路の選択に、この資格についての情報は一切ありませんでした。私は小さいころから水泳が大好きだったので、将来水泳に携われる職に就きたいと思っていましたが、薬剤師がスポーツ関係の職に就いているという話も聞いたことがありませんでした。水泳に携わっていたいと、大学4年間、私は日本水泳連盟学生委員会関西支部にて水泳競技大会の運営を行っていました。その際、「薬学部に通っているなら、ドーピング検査の手伝いをしてみませんか?」と声をかけられことがきっかけで、DCO(ドーピングコントロールオフィサー)という資格を知り、取得しました。現在は水泳だけでなく多くの競技でドーピング検査員として検査業務を行っています

大学院に進学し、スポーツトレーナーの勉強をする中で、スポーツファーマシストという資格ができたことを知り、2011年に取得しました。スポーツファーマシストは、講習会、E-ランニング、webテストを受ければ取得できます。そして、大学1年からずっと水泳連盟で運営の手伝いや、検査員として活動していたため、スポーツファーマシストを取得した2011年から、水泳連盟のアンチ・ドーピング相談窓口の開設、使用可能な薬の一覧の作成等を行わせていただくこととなりました。
2011年当初は私一人だった日本水泳連盟のスポーツファーマシストも、現在は7名まで増えました。
ここまでが、私がよく受ける、「どのように水泳連盟に関わっているのですか?」の回答になります。
しかし、私は、取得だけですましてしまう人を見て、悔しくてたまらないのです。

スポーツファーマシストの活動は注目されているのですが、何を行っているのか、どこで行えるのかわからない薬剤師の方が多く、活動内容を職場に理解してもらうのは現段階では困難です。近年、スポーツファーマシストは認定薬剤師の資格となり、取得をしようとする方は多くなってきています。しかしながら、活動場所がなく資格を更新しない方、eーランニングの受講をせず、資格が剝奪されてしまう方が多いのも現状です。

いま、なぜ、かかりつけ薬剤師という制度や、健康サポート薬局という制度ができたのか考えてみてください。スポーツファーマシストは、オリンピック選手だけのための資格ではありません。私は、大学院でスポーツの勉強をし、今も独学で栄養の勉強、トレーニングの勉強を積んでいます。スポーツファーマシストの役割は、スポーツ選手以外にも役立てることは多くあります。何か行いたいと思っている方は、ユニヴを通じてでも良いので是非ご連絡ください。
一緒にスポーツを通じて日本を健康な方でいっぱいにしましょう!

次回、私の今後の夢、薬剤師の未来について語らせていただきたいと思います。