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インタビュー

患者さんも医療情報を知れるように -株式会社くすりんく-

 

 

薬剤師を中心としたメディカルライター集団。
薬や医療の力を最大限に引き出し人々の心と知恵をつなげ、より豊かで輝く「くらし」をサポートすることを目指します。

日々研究され、日々進歩している医療現場。
しかし、新しい治療法が開発されても一般の方々に情報として届くことはあまりありません。もし情報を見つけたとしても英語の論文だったり専門用語が多かったりと理解することが難しかったりします。

そんな現状を改善しようと設立されたのが「株式会社くすりんく」。
代表の幾田祐子さんにお話をお伺いしました。

 

ー株式会社くすりんくの事業内容について教えてください

端的にお伝えすると、医療用医薬品の医療情報を提供することを生業とする会社です。


元々医療用医薬品専門の広告代理店に勤務しており、医師向けの医薬品情報、疾患領域の情報をはじめ、病院や薬局で患者さんに渡される病気や治療についてのパンフレットや薬の使い方、患者さん向けのWebサイトを作っていました。

その前は製薬会社にて医療者からの問い合わせに対して医療情報の提供をしており、前職も前々職もずっと情報提供をしていたのですが全て製薬会社を通して間接的に医療者や患者さんにお伝えするというものでした。

なので、もっと幅広い方に情報提供ができればと思い、製薬会社だけでなく患者会の情報発信やドクターの学会での発表、研究の情報など医療に関わる全てのメディカルライティング全般を請け負う会社を設立しました。


現在は希少疾患や難病についての情報提供を主としておこなっており、日本神経免疫学会にも属して一般向けの情報発信も手伝っています。


私たちは「医薬品について詳しく勉強した専門家」として情報提供ができるので、お医者さんとは違ったポジションからサポートができるのではないかと思ったのがきっかけです。

 

ー事業をしようと思われたきっかけを教えてください

先ほどもお伝えしましたが、薬剤師さんが患者さんに薬をお渡しする際に薬の説明をするための冊子を作っていました。

なので薬剤師さんの働きも見ていたのですが、なかなかチーム医療の中に入っていけていないと感じることが多く……。多くの希少疾患や難病患者さんは主治医しか相談先がない状態です。

 

病気や治療方法、薬など、全て主治医から説明され、もし患者さんが処方を変えて欲しいと思っても疾患情報や新薬情報を持ち合わせていない薬局ではなかなか相談に至らず、薬剤師さんもサポートしづらいという流れがあると思っていました。

 

だからこそ患者さんにとって第三者目線で相談ができるような場所を作りたいなと思いました。

 

ー“くすりんく”という名前はどういった由来ですか?

聞いて分かりやすい名前が良いなと思い“薬でリンクする”“薬でつながる”、薬を必要とする患者さん、医師、その他薬や医療に関わる全ての人々の健康と安心、安全につながればという想いからつけました。


また、ひらがな表記にしたのは取り扱っているものがシビアなものではあるので、温かく柔らかい感じを出したくてひらがなにしました。

 

ーなぜ希少疾患をメインに?

希少疾患って患者さんの数が少ない分専門医の方も少ないんですよね。

 

病院にかかっても、運よく専門医の方がいればいいですが大体の場合診断までに時間がかかったり、治療法も全力を尽くそうとしてくれますが最先端のガイドラインを作っているような専門医の方と同じレベルの治療を全国どこでも受けることは容易ではありません。

 

また、難病は生涯付き合っていかねばならないものなので、患者さん自身も勉強をして、最新の治療法など情報を集め、より良い治療を受けたいと思いますよね。
なので情報が少ない希少疾患であってもきちんと患者さんが知ることができるように、またお医者さんによって情報の差がでないようにと思い、希少疾患を取り上げました。


また、以前の広告代理店で勤務していた頃から神経難病に関するお手伝いをしていたことも理由の1つです。

 

ー今後の展開について教えてください

病気の治療において大事なことは患者さんがきちんと自分の病気を知り、治療方法を自分で決められることだと考えています。

そのためには患者さん側にヘルスリテラシー、医療情報がしっかりないとお医者さんの言われたままの治療方針を理解しないまま、あるいは納得しないまま治療が進められることになります。

 

医療は目覚ましく進歩していますが、医薬品には副作用がありますし、患者さんそれぞれの体調や体質により効果の現れ方も違います。どのような治療も100%の有効性や安全性はあり得ません。

その医療の不確実性を医療者だけでなく、患者さんも理解して治療進める必要があります。


最近の経験では、コロナワクチンの接種をするかどうか、特に小さなお子さんへの接種はどうするか、多くの方が悩まれたと思います。

正解はありませんが、こういった場面でも少しでも納得いく選択にするための正確で中立な情報、メリットとデメリットを適切に提供できたらと思います。


今は「先生が治療方針を決めて治療する。」という医療ではなく、患者さん自身が自分の状態・治療方法・リスクなどすべての情報を知り、理解した上でお医者さんと一緒に治療方針を決めていくシェアード・ディシジョン・メイキング(共同意思決定)が重視されてきています。

しかし、お医者さんと患者さんでは持っている情報や知識には雲泥の差があって、そこを埋めるコミュニケーションの時間を十分とることも難しく、不十分な納得感を持ったまま治療を進めているというのが現状ではないでしょうか。
それで治療がうまく進めば良いのですが、そうではなかったときに、患者さんが自己判断で治療を中断していたり、最悪の場合、医療不信を招いたりすることもあります。


そうならないためにも、患者さんにも最新の専門知識を分かりやすく伝えるための場所があり、逆に患者さん側からも要望や不安を払拭するための相談を受けられる場があると良いなと思っています。

少しずつそのような場や機会を作っていきたいと思います。

 

株式会社くすりんくではさらにつながりを広げるため、一緒に仕事をしていただける仲間を募集しています。

こんな方をお待ちしています

  • 常に学びの姿勢を忘れず、新しいことにも積極的に挑んでいただける方。
  • リ モートワークや自由度の高い働き方を希望されている方。
  • 本当に医療や患者さんためになることは何かを考えて仕事をしていただける方。
  • 人と人とのつながりを大切にしていただける方。
    * 基本的に在宅で仕事をしていただくため、ある程度のPCスキルは必須となります。

 

【募集職種】

  • メディカルコピーライター(薬剤師又は理系の修士課程以上)
  • アシスタント
  • 校正者 など

 

ご興味のある方ファーネットキャリアまでお問い合わせください。

詳細をお伝えいたします。