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インタビュー

事業承継 成功者インタビュー

御手洗 裕子さん/元 三田川薬局(山口県)代表

御手洗 裕子さん/元 三田川薬局(山口県)代表

1987年 三田川薬局の経営を開始。長年にわたり一人薬剤師として勤務
2021年1月 70歳を機に事業承継を意識し始める
2021年5月 付き合いのあった卸会社サンキからユニヴを紹介され、譲渡先探しを開始
2022年2月 ザイタック株式会社に譲渡完了

いずれは事業承継(譲渡)をしたい。でも一体何から手をつけたら……?
ユニヴのサービスを利用して事業承継に成功した一例を紹介します。
久しぶりに手に入れた自分だけの時間(セカンドライフ)についても伺いました。

―まずは三田川薬局を経営することになったきっかけを教えてください。

24歳で結婚を機に山口県に来ました。もとから経営をしたいと思っていたわけではなく、私に薬局を経営させるのが夢だった義母の意向を汲み、山口へ来て2年目に義母名義で始めました。
開業当時、開業医は院内処方がほとんど、大きな病院には薬剤部があったので、処方せんをもらって調剤することは珍しかったと思います。今みたいにドラッグストアもなかった時代なので、一般のOTCと化粧品を置いている普通の小売店としてスタートしました。

 

―OTC 販売から調剤薬局へシフトすることになったのはいつ頃だったのでしょう?

徳山中央病院が1990年代に処方せん発行を始めたことをきっかけに、当店でも調剤もやりたいと思い始めました。私は人にあれこれと商品を勧めるような商売が苦手だったので、化粧品販売をやめてからしばらくは調剤とOTC 販売を並行していました。調剤室を少し広げて、処方せんの患者を受け入れていました。
それから更に7~8年ほど経って、近隣の病院から処方せんを全てお任せしたいと依頼を頂き、OTC 販売をやめて調剤に専念することにしました。

 

―シフト後も経営は順調だったと思いますが、事業承継をご決断された理由について教えていただけますか?

主人が亡くなったのが1つのきっかけではありますが、去年のお正月に間もなく70歳を迎えることに気づき、譲れるなら体力と気力があるうちに譲ったほうがいいかもしれない。主人が元気でいたら違っていたかもしれませんが、今は愛犬と私の2人ですし、それほど仕事に執着しなくてもいいのかもしれないなとふと思いました。


また、OTCと化粧品販売のみで経営していた時代から薬局を取り巻く環境も大きく変わり、薬局として生き残るための課題解決などのソフト面、機械導入などのハード面でもついていけなくなりそうだと感じたことも、譲渡を考えることになった大きな原因だったと思います。


そうは思ったものの、具体的に何をどうしていいかはさっぱり分かりませんでした。最初は短絡的に大学時代の後輩に話してみたりもしましたが、後を継いでくれそうな人はおらず。そんな中、馴染みの卸さんに何気なく相談してみたら、すぐに動いてくださり、M&Aの仲介業をされているユニヴを紹介していただきました。
自分でそこまで必死に後継者を探していたわけではなく、何気に口にした一言、二言ですぐに良い方向に話が進み始めたという感じです。

 

―とんとん拍子の展開に不安はありませんでしたか?

1人薬剤師の小さな薬局でしたから、欲しがる人はいないだろうなあとどこかで感じていたので、この良い話は夢かもしれないと不思議に思ったことはありました。ですが、話を繋いでくださったのが信頼しているサンキさんやそのグループ会社の方でしたので、悪い話なわけがないと思いました。知り合って間もない人にお話するのはためらいますが、サンキさんとはOTCを販売していたときからの長いお付き合いでしたから。

 

―仲介に入ったユニヴの担当者の対応はいかがでしたか?

楽でしたね。主に担当してくださった前田さんは気さくですが丁寧で物腰が柔らかく、何のストレスも感じませんでした。譲渡に向けてするべきことや、スケジュールもきちんとわかりやすく説明してくださったので助かりました。

 

―いざ譲渡することになり、大変だったことがあればお聞かせください。

薬局の不要なものを片付けることです。譲渡先のザイタックさんが在庫を買い取ってくださるとのことで、有効期限が6ヶ月以上あることを商品1つひとつ確認していく作業が大変でした。後ろ髪を引かれるものも山ほどありましたが、思い切って捨てました。

 

―事業承継が終えられた今、どのようなお気持ちですか?

すべての責任から解放されて、大きな肩の荷が下りたような気分です。経営していたときは手伝ってくれる人もいましたが、1人薬剤師でしたから管理薬剤師、経理など薬局に関わるすべてを1人で担い、全部自分で決めなければいけませんでした。患者さんから苦情を言われることもありましたし、薬が足りなくて迷惑をかけてしまうことも……そのようなプレッシャーすべてから解放されたのは大きいですね。患者数が減らずにされているだろうかと気にならないわけではありませんが、私が気にしても仕方がないと思っています。

 

―率直に、事業承継して良かったと感じますか?

はい、良いタイミングで承継できて本当に良かったと思っています。実家の兄弟たちにも、よく決断したと褒められました。やりきったという感覚があるので悔いはありません。

 

―自由な時間が増えた今、どのように過ごされていますか?

地元の鳥取に帰り、山小屋を立てる計画を進めているので、現在住んでいる家の片づけや不動産の対応をしています。昔は、休日は主人と愛犬のロンちゃんと一緒にキャンピングカーで阿蘇山や蒜山など自然あふれる場所でキャンプをする生活をしていました。引退したら2人でキャンピングカーで日本中を周るつもりでしたが、主人が先立ってしまったので、これからは愛犬と2人で自然の中で楽しみたいと思っています。なので、広いウッドデッキのある山小屋は絶対に建てます!

 

―最後に、事業承継を検討している方へメッセージをお願いします。

ひとまず信用している人に相談されてみてはいかがでしょうか。
私はたまたま非常にうまく話が進みましたが、「譲渡先が見つかるかどうか」という問題は大きいです。今回の事業承継に関しては、とにもかくにもラッキーな出会いがあったことが最大のポイントでしたね。私1人の知恵では、とても片のつく問題ではありませんでした。


譲渡へ向けて話が進む際、ユニヴさんが仰った「ストレスがかからないように、スムーズかつ簡素に進めてまいります。面倒な作業は全てこちらでさせていただきます」という言葉通り、譲渡先との連絡から段取り、契約に至るまで、滞りなく進めてくださいましたので、私は薬局の中の片付けをするだけで済みました。お力を貸していただけなかったら、何年かかっても実現しなかったと思います。ご対応いただいたユニヴの武内社長、前田さんには本当に感謝しています。信頼できる方々に巡り会えたことで無事承継することができました。

 <担当の前田より>
人に恵まれたと仰る御手洗さんですが、ご本人が素敵な人を惹きつける魅力をお持ちです。
正直なところ、三田川薬局の立地なら門前の集中率が高いはずですが、
御手洗さんが在庫を抱えながらもなんとか薬を切らさないように揃えられていたから、
多くの医療機関から患者さんが来ていました。
長年積み重ねてこられたものが集中率に表れていました。



 

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