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「薬剤師に求められる大切なこと」 (入門編・管理職編)著者 宮本誠二さんインタビュー

ファーネットマガジンWebにて、新人薬剤師の方にぜひ見ていただきたい連載「宮本社長、教えて! 新人薬剤師が持つべき12ヶ月の心構え」がスタート!筆者は「薬剤師に求められる大切なこと」(入門編・管理職編)の著者でもある、株式会社MSファーマシーの代表 宮本誠二さんです。

どんな方なのか、薬剤師の教育にどんな想いを持っているのか、根掘り葉掘りお話を聞いてきました!

―本を出版されることになったきっかけを教えてください。

例えば、大手の予備校へ行けば勝手に賢くなるというわけではないように「受け身ではなく自ら学ぶ姿勢が大切」で 「努力をしないと成長はない」ですよ、ということを新人の薬剤師に示したいと思ったのがきっかけです。実習生を指導していたときに、しっかり質問をしてくださる方もいたのですが中には受け身の方もいて、こちらが伝えたことを理解しているのかどうか分からない様子でした。にもかかわらず実習が終わったら自然と一人前になったと思ってしまう、ちょっと甘えのようなものが見えてしまって……。

それをきっかけにパソコンで打ち始めたらとても捗ってしまい、本1冊分くらいになってしまいました (笑)。知り合いから紹介してもらった出版会社の方に「これは本になりますか?」と聞くと「これは今までにないものだからぜひ本にしましょう」と回答があって、出版することになりました。

 

―著書にもこれまでの勤務先でのエピソードが盛り込まれていましたが、これまで勤務した会社や他の薬局の教育現場について思うことはありましたか?

大手は研修がしっかりしていて、その分レポートや課題も多いので必然的に頑張って取り組まないといけないと思います。
その反面「これさえしておけば・この通りしておけば大丈夫」という考えになってしまい、決まったことしかできなくなる可能性もありますので、新人の方には新しい視点を持ってほしいなと思うことはありました。

 

―教える側と学ぶ側それぞれでどういった点を改善すれば、薬剤師が育つより良い環境になると思いますか?

まず教える側には、新しい意見を吸収するシステムを構築してほしいですね。「これがやりたい」という現場の意見を本部に伝えられるシステムがあったら面白いと思います。もしダメでも、何がどうしてダメなのかという理由が分からなければ、今後新人や若手から提案がなくなってしまうのではと思います。

もちろん学ぶ側もちゃんと目的を持ったうえでの提案でないと、思い付きで言ってしまっては通るものも通りません。「自分はどうしたい・こうなりたい」というビジョンをしっかり持っていただくと良いと思います。それが叶わないようであれば、別の世界を見てみるのも良いかもしれませんね。

昔は薬剤師不足でちやほやされることもありましたが、今は落ち着いてきたので守りに入り「あれがしたい・これがしたい」という意見が出しづらくなっている気がします。「自分は必要とされているの?」という意識もあるかもしれないですね。やはり不足していた頃は必要とされていることが分かりやすいので、自分が働きやすくなるために「こうしていきたい」など言いやすい環境があったかもしれません。

 

―薬局経営者(採用側)の目線で”生き残れる薬剤師”になるために必要なことはどんなことですか?

個人の意見ではありますが、薬剤師歴が何年か、管理薬剤師歴が何年かということはあまり重要視していません。なぜかと言うと、会社を発展させることや業績を伸ばすことを考えると、経験よりも能力が重要だからです。そのために、他の薬剤師が持っていない”薬剤師+α”な力を持っておくことが大切です。

例えば、決算書を理解できるほど数字に強い方、中小企業診断士のようにどうしたら会社の業績が上がるかというコンサル的な能力を持っている方がいたら会社に提言できると思います。そういった能力を求めている会社はたくさんあると思います。
他には、ITに強いことも+αな力ですね。どんどんDX化が進んでいる中で、それに着いていくことができない方は今後必要とされなくなってくるのではないでしょうか。

更に言うと、趣味が多い方は人脈が広いという+αな力を持っています。人脈が広いということはいろんなところで新しい情報を貰いやすいので「違う業種でこんな取り組みを始めた。薬剤師でやってみたらどうだろう?」という思考の転換もできます。社交的であるという印にもなると思います。

 

―患者さんと話すことが好きという薬剤師は多いと思いますが、会社が求めるコミュニケーション力について教えてください。

コミュニケーションを取ることで業務や人間関係を円滑化できることですね。患者さんと話すことが好きだからと業務が滞るのであればそれは問題ですし、コミュニケーションを取るために愚痴や不満を材料にして、社内で派閥を生んでしまっても良くありません。コミュニケーション力というのは、身の回りで起こっていることを円滑に納められる能力であれば良いと思います。

またあわせて、指示を出す能力があると良いですね。「患者さんと話すのでこっちの作業をお願いできますか?」など、コミュニケーション能力を使って司令塔的な役割を担える方は強みになると思います。

そういった能力を身に着けていくためのトレーニングとしてオススメなのは、今よく言われる”即レス=すぐに反応すること”です。メールやLINE、電話が来たらすぐに反応することをまずは心がけると良いと思います。

 

―最後に、これまでのご経験から若手薬剤へメッセージをお願いします。

薬剤師には未来があると考えてほしいです。薬剤師過剰論・不要論というのが言われていますが「必要とされなくなってしまうんだ」と思うのではなく、正しいかたちで薬剤師が求められるようになっていけば良いなと思っています。
それにはどうしても若い考えが必要です。古い考えは今後通用せず、今の新しい考えを求められるので、若い意見をしっかりと伝えていってほしいですね。そして私自身が、それに対応できる経営者であるべきだとも思っています。

 


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