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薬剤師のことを、薬剤師の言葉で伝えたい

本田 顕子さん 参議院議員(自由民主党)・薬剤師

本田 顕子さん 参議院議員(自由民主党)・薬剤師

平成8年星薬科大学卒業後、医薬品卸、製薬会社や保険薬局の勤務を経て平成14年参議院議員公設秘書にキャリアチェンジ。
平成29年日本薬剤師連盟副会長等を歴任し、令和元年第25回参議院議員通常選挙比例代表(全国区)に自民党公認で立候補し初当選。自民党副幹事長、参議院自民党副幹事長、女性局長代理などを歴任。
令和4年8月より厚生労働大臣政務官(兼内閣府大臣政務官)
※令和5年9月8日現在

日本国民の代表として国をより良くするために政治を行う国会議員。
そんなスケールの大きなポジションで、薬剤師の経験と知見を活かして日々奮闘する本田顕子さんにお話を伺いました。

薬剤師の現場から国会へ。

―薬剤師を目指すことになったきっかけと、薬科大卒業後のキャリアについて教えてください。

高校時代、理系科目が得意だったこと、居住区熊本市の老舗の薬店で働く女性薬剤師さんがお客さんとお話されている姿に憧れていました。もともと人と接する仕事に興味があったので、接しながら人の健康や治療に関われることにすごく魅力を感じました。また父からも、自立して社会の中で貢献できるよう手に職をつけることを勧められたこともあり、薬剤師の道を目指すこととしました。


ファーストキャリアは医薬品卸会社の医薬情報部です。総合的に学びたいと思い、総合商社である医薬品卸に入社しました。

30歳のときに地元熊本へ戻り、その際、高校時代に憧れた老舗薬店への勤務が叶いましたが、1年後、当時参議院議員だった父の手伝いを自ら希望し退社いたしました。

 

このときは純粋にお手伝いという気持で議員事務所に入所しましたが、後にこのことが政治を志すこときっかけとなりました。

 

―秘書という裏方の業務を行う中で、ご自身が国政進出を決断されるに至った出来事についても教えてください。

2つのターニングポイントがありました。
1つは、父の落選。市議会議員、県議会議員、参議院議員……と当選を重ねてきましたが、参議院議員の2期目に落選しました。

「選挙は挨拶にはじまり、挨拶に終わる」という言葉があります。
私は選挙の翌日から地域の方々への挨拶回りを行いました。
支援者の方々が「本田先生の政策をぜひ実現してほしかった」と、涙ながらに握手されるその手を通して“政策の継承”を意識しました。


2つ目は、薬学教育6年制の過程を通して感じた薬剤師としての発言力の重要性です。
薬学教育6年制については、与野党間でプロジェクトチーム(以下、PT)が立ち上がりました。父は野党でしたが、PTの委員でした。勉強会の資料を見ながら、薬剤師の教育の審議は必ずしも参加議員が薬剤師ではないことに気づき”薬剤師のことを薬剤師の言葉で発言する必要性”を感じました。

 

―国会議員へのキャリアチェンジ。単純に1日の過ごし方やサイクルががらりと変わると思いますが、実際の生活の変化はいかがでしたか?

1日があっという間に過ぎますね。会社勤めだと始業時間・退勤時間があり、会議も1時間というまとまった時間で配分されていましたが、国会では分刻みにスケジュールが組み立てられます。朝は自民党本部で概ね8時から勉強会が各種さまざまに開催されます。

普段なかなかお話を伺えないような各界のスペシャリストの方々から学ぶことができる貴重な機会ですので、朝からしっかりとスタートを切れるように、おのずと朝方になりました。

 

国会の内と外の両方で、薬剤師のために動く。

衆議院厚生労働委員会での大臣政務官としての答弁の様子

―さまざまな議員の方と政策を語る中で「薬剤師」にどのようなイメージを持たれていると感じますか?

薬剤師は真面目な人が多いと好意的に思っていただいていると思います。薬を調合、ブレンドする……昔でいう薬師(くすし)の人という印象でしょうか。私が当選して半年後には新型コロナウイルス感染症が拡大し始めましたので「新型コロナに効く薬はないの?」と聞かれたこともあり、「薬のことならまず聞いてみよう」というプロ感覚で見ていただいていると感じます。

ただ、医療全般の話題になると、まだまだ存在が隠れてしまっていると感じるときがあります。”チーム医療”という言葉が使われて久しいですが、医師、歯科医師、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師、臨床検査技師……さまざまな医療系職種がある中で、なかなか顔が見えないと言われることがこれまでありました。

例えば、地方自治体の議会、全国知事会、市町村議会などから地域の医療提供体制を支える担い手に関する要望を伺う際に、薬剤師の明記が少ないと感じています。

 

―実際に全国の薬剤師会や薬局にもたくさん足を運ばれていらっしゃいます。そこで今最も多く耳にされる課題について教えてください。

やはり多いのは、医薬品の供給不足についてですね。

「とにかく薬がありません」という悲鳴とともに「今日はどの薬が届くのだろう」といった不安や、服薬指導にかけるべき時間の多くを、医薬品不足のお詫びが占めてしまっている、といった声も頂いています。

 

―そういった生の声を、具体的にどのように政策に落とし込んでいくのか、過程を教えてください。

現在は大臣政務官という政府の側にいますので、厚生労働省内の医薬品供給を担当する部局の職員と議論を重ねて、関係する検討会に問題提起して、専門家の先生方による大所高所からの意見を頂きながら、課題解決の道筋を作る役目を務めています。


政府側の役職に就いていない場合は、向き合う課題に関係の深い団体や企業などから事情を伺って、状況をきちんと把握したうえで自民党内の勉強会や部会の場でしっかり発言をし、党内での合意形成に向けた働きかけをします。
あわせて、このような会議には政府関係者も出席することがありますので、関係府省にもしっかりと意見を受け止めてもらい、具体策の検討を求めます。課題解決するには予算の獲得や法律改正が必要な場合もありますので、一定の年間スケジュールの中でタイミングを逃さずに発言をすることが重要です。


そして、国会の委員会の中でもしっかり発言し、政府側にいる関係大臣や各府省の局長などへの質問を通じて、自らの政策を実行レベルへと落とし込んでいきます。国会での質疑は全て議事録に残りますので、時が経ってもその後の政府内での取り組みの進捗状況や取りこぼしがないかどうかを確認できます。


これらのプロセスを経て、対応策の種類に応じて通知対応だったりしますが、法治国家ですので、予算化や法律改正などが必要な場合は、最終的には衆参両院の本会議で採決まで行って、政策実現するには過半数を得る必要があります。

 

―現在は国会議員というお立場ですが、ご自身も薬剤師として現場で働かれていた経験もお持ちです。
現場の声をダイレクトに国に届けられる立場にいることについて感じられるのはどんなことですか?

私は全国の薬剤師を代表して、薬剤師のことを薬剤師の言葉で語る責任があります。そしてその責任を果たすことが最終的に国民の皆さんの安心・安全につながります。

国会での発言や議員活動の1つひとつに責任が生じます。

 

知見を活かしたコロナ禍での活動

 

参議院予算委員会での質疑の様子

 

―当選半年後に新型コロナが流行り始め苦労されたと思うのですが、薬剤師の知見を活かしてどのようなお仕事をされていたのかを教えてください。

新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の根拠となった「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の改正や、新型コロナ対策のための補正予算の成立などに関わりました。薬機法を改正して緊急承認制度ができ、それによって国産の治療薬が上市できたことも、私が関わらせていただいた中での成果の1つです。
治療薬も国産ワクチンもないという状況下で、薬の早期開発に関する要望と公衆衛生に対する意識が一気に高まったので、それらの判断にあたり専門性がすごく求められましたね。


また、国会の常任委員会の1つで、臨機に開会して各会派が議院の運営について全般的に審議・協議する議院運営委員会は通常それほど開かれないのですが、緊急事態宣言の際や期間延長、さらには終了するときなどにおいて異例なほどの回数が開催され、当時は安倍晋三内閣総理大臣でしたが、議院運営委員会に総理大臣が出席するのも45年ぶりという異例ぶりでした。
安倍元総理の口からも薬や開発のお話が出ました。とても印象的だったことは、参議院本会議場で薬局の支援について答弁されたことです。当時、当選したばかりの私は議場前列に座っていましたが、総理は私の方を向いて「薬局」と仰ったんです。
私が薬剤師の組織議員であることを認識していただいたうえでの発言であったと、感慨深くその答弁を聞きました。

 

―このコロナ禍で約3年対応されてきたことを振り返っていかがですか?

私が政治を志したとき、”公衆衛生の再確立”を政治信条の1つにに掲げました。

当時はなかなか理解されなかったのですが、コロナ禍において、公衆衛生とは単に個の養生的な意味合いだけではなく、社会全体に影響を及ぼすことを多くの方が受け止められたのではないでしょうか。公衆衛生を担う司令塔機能を有する組織を作らなければいけないという機運が高まったと思います。

そのような状況の下、第211回通常国会での関連法案の可決・成立によって、内閣感染症危機管理統括庁が発足し、そして国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合していわゆる日本版CDC(国立健康危機管理研究機構)を設立することとなりました。


"今後は予期せぬ感染症が発生した際にいち早く科学的な情報を収集し、総理の下で指揮命令系統が働く"という体制ができたのは、新型コロナの経験を踏まえてのものだと思います。

 

―議員活動する中で、同じ薬剤師の方から掛けられて嬉しかった言葉や印象的な言葉はありますか?

令和2年度の第2次補正予算で、医療機関・薬局等が感染対策を講じるための予算がつきました。そのおかげで施設内での感染防止対策がしっかりできたというお声が届き、非常に喜んでもらえました。薬剤師の皆さんに予算を活用して自らや患者・家族を守っていただく環境整備につながったのであれば嬉しいなと思いました。
また、新型コロナ関連ではありませんが、令和3年度の個人情報保護法の改正に伴い、病院の先生方を中心に、患者情報を活用した良質な医療の提供ができなくなることを懸念されていました。


それを国会での質疑で政府側に質し、民間病院において治療につながる研究のための情報活用は患者の同意を得ることなく可能だという答弁を引き出して現場の懸念を払拭できたので、病院薬剤師の方にとても喜んでいただけました。

 

女性薬剤師が長期的に活躍するために取り組むべきこと

―薬剤師は女性の割合が高いものの、さまざまなライフイベントを含め、長期的な活躍を目指す中に少なからず難しさがあると思います。
この点について思われることはありますか?

薬剤師に限らず、歴史的にこれまで形づくられてきた社会経済などのさまざまな仕組みが主に男性によるものが多いですね。
女性の想いが叶う職場・環境づくりを実現していくためには、意思決定の場に女性が関わっていく機会が増えていくことが大切と思います。


女性は、生活、働く中で時間の狭間で悩まれています。
薬剤師会関係の会議は薬局や病院などでの仕事が終わった後の開催となりますので、開始時間は20時となってしまいます。議事によっては、会議終了が22時を過ぎてしまうこともあります。家庭がある女性薬剤師には参加が難しく、結果として役員は男性薬剤師になってしまう現実があります。


しかしながら、コロナ禍でオンライン化できることを皆さんが実感されました。今般の経験を活用することで、意思決定の場への女性薬剤師の参画が進んでいくことを期待しています。


また、キャリアを中断・リセットせざるを得ない理由は子育てだけではなく介護の占める割合も非常に大きく、介護離職をするベテラン薬剤師が増えてきていると伺います。実力と経験を重ねてこられた薬剤師がキャリア相応の処遇を受けられるような制度が必要と思います。


そして、薬剤師の専門性はいろんなところで発揮できるということを、今を学ぶ薬学生の方に知っていただきたいです。試験検査機関や行政機関に薬剤師が増えれば、さまざまな制度づくりや働きやすい環境づくりにもつながるのではと思います。

 

―反対に国会議員は女性の数が圧倒的に少ないですが、必要だと思われる施策や取り組まれたいことはありますか?

前述のとおり、時代に合わせて国民生活に必要な法律や制度が作られ、改正もされていく……これらを行うのが国会議員です。その最たる意思決定機関に女性が少ないまま今日に至っています。女性が抱える課題に気付くためにも、政治においても男女共同参画を進めていくことが大切ですね。


ただし、政治の世界では一定期間持続して働かなければ政策は実現できません。そのため、政策を理解し、応援してくれる仲間が必要です。自民党の中では新人女性議員の意見や困りごとをヒアリングする場を用意したり、塾(教育の場)を開いたりしています。


また、薬剤師にも共通しますが、活躍するには健康であることが前提と思います。女性は長い人生の中でホルモンバランスの大きな起伏があり、日常生活に支障をきたす時期を乗り越えながら過ごしている方も少なくありません。女性の健康を考える具体的な政策はこれまであまりありませんでしたが、「女性版骨太の方針2023」において、女性の健康の司令塔となる”ナショナルセンターの創設”という言葉が盛り込まれました。少しずつではありますが、女性の健康への理解が広まり、最近では女性アスリートの健康への関心と懸念も広まっています。


今後は健康を身近に考えながら仕事をする女性が増えていくと思いますので、病院を受診したり薬局で栄養バランスの相談をしたりする方が増えてくると思います。そこに女性薬剤師という、同じ経験を経て身を以て相談に乗ることができる理解者が求められると考えます。


ちなみに、自民党本部の女性用トイレには月経時の相談や休んでもいいことを促すシールが貼ってあります。若い時分にはその類いの相談をしていいとはなかなか思わないじゃないですか?
細やかな取り組みかもしれませんが、その一つひとつがその先につながる大事な一歩だと感じています。

 

―第8次医療計画の指針では、在宅医療や地域医療が大きなポイントかと思います。これを受けて、薬剤師の役割はどう変わっていくでしょうか?

薬局は、これまでも在宅医療に取り組んできましたが、第8次医療計画では改めて在宅医療に地域の薬局が大きな役割を果たすよう求めていると理解しています。

そのため、薬剤師は薬局や病院という施設にて医療を提供するに留まらず、薬という生命に関係する”もの”に関する専門家として、薬を使用する”人”との関わりを深く持つ立場として、薬剤を交付した後も継続的に患者をフォローしていくことになります。薬局や病院ごとではなく、”地域”という医療制度上の”施設”において、入院も外来も在宅も分け隔てなく”薬あるところ”に薬剤師が顔の見える存在になってほしいと思っています。


薬剤師数は過剰気味と言われている中、教育課程で一定の資質が担保された人材を育成・輩出し、地域偏在を解消しつつ、地域の実情に応じた医療提供体制の下、薬の適正使用や地域の健康づくりなどを進める薬剤師の存在がクローズアップさ
れる時代になると思います。

 

―医療従事者の確保についても記載があり、そこに薬剤師も含まれています。特に学生や若手の薬剤師は都会に行きたがる傾向があり、地方と都市部の差が開いていく要因の1つです。解消の糸口はあるのでしょうか?

かなり昔に遡れば、一旗揚げるために東京へとか、映画でも「都会に行って成功しなさい」というシーンなどがありますよね。目標を持つ若い人の好奇心は大切にすべきと思う一方で、長く仕事をしていくと「生まれ育った地域に戻りたい」と思う気持ちも持ち合わせているように思います。単にお金を稼ぐだけではない幸せの感じ方があるはずです。自らが納得できる形で1人の患者や地域の役に立ち、その評価も実感できる環境で働きたいと思うのではないでしょうか。

そのためには地元に帰ったときに働ける場所がなければいけません。

 

地方の場合はどうしても交通事情や医療事情に違いがあるので、例えば通院のために数か月ごとに都市部に行くのも大変な方もいらっしゃいます。そのような環境でデジタル技術を活用して地域の方の足となり頭となり、治療や健康づくりの手助けができるような、患者から必要とされる薬剤師は、存在感があって魅力的だと思います。
そう考えると、デジタル庁の掲げる“デジタル田園都市国家構想”という呼称は摩訶不思議な言葉に思えます(笑) デジタルの活用によって作物が実り、その恩恵を全国の皆さんが享受し、地域の隅々まで田園都市のようにしていこうということだと私は理解しています。


田園都市になるには時間がかかるかもしれませんが、手間をかける人がいることで作物が育つように、地域で健康な生活を送るその側に薬剤師の存在があると思います。

 

“信じて頼られる薬剤師”が増えることを願って

―若手薬剤師に期待されること、これから薬剤師を目指す学生へ期待されていることを教えてください。

医療の高度化が進み、さまざまな作用機序をもつ医薬品も開発されてきていますので、医薬品の効果を最大限引き出しかつ安全性も確保するには、患者・家族の薬に対する理解も重要になってきます。そのため、薬剤師にはコミュニケーション能力が今まで以上に求められる時代になると考えます。


薬学教育で培ってきたことをきちんと実行する前提として、まずは薬を介して向き合う患者・家族との関係性がカギを握ることになります。信用は”信じて用いる”と書きます。そこから更に”信じて頼られ”ないことには、患者・家族は心を開いてくれず、結果として質の高い医療の提供にはたどり着かないと思います。


一例を挙げるならば、薬剤の交付を待つ薬局内で、周囲に聞こえるような大きな声で何ら配慮なく、病気の話や服薬指導をされたら嫌ですよね。
細やかな配慮がなされたうえで服薬指導や相談に乗ってくれたとき、「この薬剤師さんに自分のことをもっと伝えたい。聞いて欲しい」と思うのではないでしょうか。信用から信頼に変わる瞬間だと思います。

 

そうした姿勢が医師や看護師など他の医療関係者との間でも示されることで多(他)職種連携が進み、広範なチーム医療の実現につながっていくのだと思います。
薬剤師は薬の専門家として、果たすべき役割は確立しています。しかしながら、医療とは連携のもとに提供されているものなので、今後より一層他職種との連携が必要とされていく中で、患者のみならず他職種からも信頼される薬剤師が求められると思います。そのため、薬剤師の皆さんが職能を発揮しやすい環境を整備するのが私の役割と思います。


学生の方には、ぜひ時間を大切にしながら学生生活を過ごしてほしいと思います。

世の中には膨大な情報が溢れているようにみえて、実際に接している情報は実はとても狭いものであり、偏ったものかもしれません。過去の検索履歴などに基づいて、興味がありそうな情報に優先的に触れる仕組みになっているため、知らずのうちにとても狭い視野になっています。

星薬科大学入学式にて

人と円滑なコミュニケーションを取るためは、幅広くたくさんの情報に触れ、バランスよく選択・収集する必要があります。

例えば図書館でまったく興味のない本を手に取って1ページだけでも見てみるのもいいですね。そんな広い視野を持つことを意識しながら時間を大切に、多くのことに遭遇し吸収していってほしいと思います。

 

……かく言う私は、学生時代は寝てばかりで……その後悔と反省からこのような発言をしていますので説得力があります(苦笑)

 

―最後に、本田さんご自身の今後の目標や夢を教えてください。

私は”薬剤師から政策提言”ということを、政治を志したときからモットーにしていますので、それをしっかり実行していきたいと思っています。


公益社団法人日本薬剤師会の第19代会長の石館守三先生が、昭和45年当時「薬剤師に力がなかったら、薬学の本当の将来はない」と仰いました。アカデミアは育っているけれど、周りを見るとまだまだ薬剤師の力がないから、しっかりと力を持たないといけない、という意味です。

私も薬剤師一人ひとりが輝くためには、薬剤師がしっかり実力をつけて、学んだことを広く伝えながら実行していくことが大事だと思っています。そうして薬剤師の皆さんが輝くことで国民の皆さんの安心・安全につながります。

期待していますし、人々の健康な生活を確保するため、共に前進していきましょう。