薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

記事一覧

コラム

“収入”だけじゃない、新しいキャリアのかたち ―薬剤師の副業事情―

薬剤師の働き方は、時代とともに少しずつ多様化しています。かつては「安定した専門職」として本業に専念するのが当たり前でしたが、今では副業に取り組む薬剤師が少しずつ増えてきました。収入を補う目的に加えて、「自分のスキルを活かしたい」「将来に備えたい」という思いから、副業という選択肢が注目されているのです。

薬剤師の働き方は、時代とともに少しずつ多様化しています。かつては「安定した専門職」として本業に専念するのが当たり前でしたが、今では副業に取り組む薬剤師が少しずつ増えてきました。収入を補う目的に加えて、「自分のスキルを活かしたい」「将来に備えたい」という思いから、副業という選択肢が注目されているのです。


総務省「令和4年就業構造基本調査」によると、国内の副業実施率は5.0%と、過去10年で着実に増加しています。さらに「医療・福祉」分野に限ると、副業従事者の割合は9.9%と、全体よりも高い傾向にあることがわかっています。

薬剤師個別のデータではありませんが、同じ専門職として、この流れに沿った動きが起きていると見てよいでしょう。

 


副業を考える薬剤師が増えている理由として、いくつかの背景が挙げられます。

まず大きいのは、将来的な収入への不安です。調剤報酬の改定、薬局の再編、薬剤師の供給バランスの変化などにより、現場の安定性が徐々に揺らいでおり、副業は「収入源の分散手段」として注目されています。

また、ライフイベントに備えて収入を増やしたいという動機も多く聞かれます。

結婚、出産、住宅購入、子どもの教育費など、将来的な出費を見越して、今から収入を増やしておきたいという考えは自然なものです。

加えて、「薬剤師としての知識を別の形で社会に活かしたい」「もっと自分らしく働きたい」といった自己実現の意識も、副業を後押しする要因になっています。

薬剤師に人気の副業は、大きく5つのジャンルに分けられます。

 

1.医療系ライター・監修業務
医療や薬学に関する知識を活かし、記事の執筆や監修を行う仕事で、在宅での作業が可能なため取り組みやすいとされています。

2.オンライン服薬指導
遠隔診療や在宅医療の拡大により、自宅にいながら患者対応が可能になっています。夜間や休日のみなど、ライフスタイルに合わせた働き方ができる点も◎

3. SNSやYouTubeでの情報発信
薬剤師目線での健康情報やOTCの選び方などを発信し、フォロワーが増えれば、PR案件や広告収入につながることもあります。

4.セミナー講師・登壇活動
薬学生向けの講義や市民講座、企業研修などで講師を務めることで、教育や啓発に関わる機会が得られます。

5.投資・資産運用
本業とは別に収入を得る手段として、NISAやiDeCo、株式、不動産などの運用を行う人も増えてきています。長期的な視点で取り組むことで、将来の安心感につながる可能性があります。



副業を始める前に、いくつか確認すべき大切なポイントがあります。

まず、勤務先の就業規則

副業禁止規定が設けられている職場もあるため、必ず事前に確認を行いましょう。

次に、法的な制限です。

たとえば管理薬剤師や公務員薬剤師は、医薬品医療機器等法や公務員法により原則として副業が禁止されています。


また、守秘義務やコンプライアンスへの意識も不可欠です。

本業の内容や患者情報をSNSで不用意に発信することは重大な問題に発展する可能性があります。


さらに、税務処理の知識も必要です。

副業で年間20 万円を超える所得がある場合は確定申告が必要になり、住民税の通知先によっては本業の勤務先に副業が知られてしまう可能性もあります。

 

副業スタート前の5つのチェックリスト

勤務先の 就業規則を確認したか?

管理薬剤師・公務員など、法的制限はないか?

守秘義務・SNS発信への配慮はできているか?

本業と両立できるスケジュールか?

確定申告や住民税の知識はあるか?

 

副業は、薬剤師にとって新しいキャリアの扉を開く選択肢となり得ます。本業の専門性を活かしながら、自分の興味やライフスタイルに合った働き方を模索するきっかけにもなります。

収入だけではなく、「学び」や「経験」、「人とのつながり」といった副産物が得られることも、副業の大きな魅力の一つです。しかし「副業に興味はあるけど、何から始めればいいかわからない」「本業との両立に不安がある」そんな方も多いかと思います。


私たちは、薬剤師としての働き方に関するお悩みを幅広くサポートしています。副業に関するアドバイスはもちろん、柔軟な勤務が可能な職場のご紹介や、キャリアプラン設計まで、あなたに寄り添ったご提案をいたします。


LINEでのご相談もお受けしています。気軽にご連絡ください。

 

☟ファーネットキャリアはこちら☟

https://career.pha-net.jp/about/about.php