思えばメガネとの付き合いはどの位になるだろう?レンズの度が合わなくなって仕方なく訪れるという私の中での眼鏡屋さんの位置付けが、今回の取材で大きく変化した。
何気なく身につけるファッションは、今の自分(心理状態)を表現するアイテムそのもの。無意識に今の自分と同じ波長の物に惹かれるという同調の原理が働くからだ。『ファッションを変えれば、内面も変わる』心理学の行動療法のひとつとしては知ってはいたけれど、メガネがファッションアイテムという位置づけであったり、コミュニケーションに一役買ってくれるという意識はなかった。
「メガネを楽しむには、とにかく色々実際にかけてみること」とお店の方にアドバイスいただいて、まず私が近寄ったのは控えめな色合いが並ぶエリア。実はメガネが苦手な私は、できることならかけたくない。仕方なくかけているという思いが強かったので目立たないメガネが良い。丸顔だからメガネが似合わないし…。ONとOFF、様々なシーンをカバーできるよう、無難なものを探しながら、そもそもひとつのメガネであらゆるシーンをカバーしようとするのが無理なように思えて、何を基準に選んでいいのか分からなくなった。そこで、他人にはどんな私が映っているのだろう?と店長さんにお勧めのメガネを聴いてみた。
「コレなんか、いかがでしょう?」
期待通り?! 勧めていただいたのは自分では決して選ばないカラー、フレーム。しかも一番避けていた丸いレンズのメガネ!!嬉しさ半分、戸惑い半分で「少し派手じゃないですか?」と尋ねる私に「全身が映る鏡で見てください」とにこやかな対応。「皆さんメガネを確認するときは、顔だけを観るからメガネのインパクトが強く感じられるのですよ。全身でみると、また違って見えませんか?」言われた通り全身を映して確認してみると、納得。
そして「あ!」と思った。
そしてさらに、メガネの奥深さを知ることになる。「どんな風に見せたいですか?」「親しみやすく感じてほしいですか?」「プロフェッショナルに見せたいですか?」「知的に?」「元気そうに?」「信頼がおける人に?」「面接に効くメガネ?」…etc見せたい自分をどれも叶えることが可能だということを、様々なメガネをかけてみることで実体験。まるで魔法のよう。
仕事では、「人は悩んでいる時は視野が狭くなっています。物事の全体を観るように心がけましょう」とアプローチしている私が、メガネを選ぶ際、部分、つまり試着したメガネをかけた顔だけを見て判断していたなんて。
さらに女子には嬉しい美白効果もメガネにあるなんて!
私たちは人と出会ったとき、「この人はこんな人」という判断を第一印象の瞬時に行います。時間をかけてお互いゆっくり理解を深めるのが理想ですが、なかなかそこに至るまで時間をかけれないのが実情。メガネは私たちが言葉を発する前に、相手の印象に飛び込む、とても重要なポイントかつ思った通りに印象づけることが可能です。メガネで人生が変わる!と言っても過言ではありません。
お暇する頃には今までのメガネの印象がガラリと変わり、様々なシーンで自分を幾通りにも見せられる、魔法のアイテムを手に入れた気分になった。メガネは強力な人生の必須アイテムとなりそうです。
Editor/朝野れいこ