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黒川眞妃子先生の薬膳レシピ 2 エネルギー不足の冷え対策に…鶏肉、椎茸・胡桃・棗(なつめ)の煮込み

材料
鶏肉・200g 白葱・1本 人参・1/2本 椎茸・4枚 胡桃・20g
黒木耳(乾燥)・3g 生姜スライス・2枚 棗(なつめ)・4個
【A】{水・150cc 酒・大2 黒砂糖・大1 醤油・大1/2 オイスターソース・大1}
作り方
  • 鶏肉は食べやすい大きさに切る。
  • 白葱はブツ切り、人参は乱きり、椎茸は厚めのスライス、黒木耳は水で戻し、食べやすい大きさに切る。
  • フライパンにサラダ油を熱し、鶏肉を入れてサッと炒め、【2】の野菜を加えて炒め、【A】と胡桃、棗、生姜スライスを加え、煮立ったら落とし蓋をして弱火で20〜30分ほど煮込む。
  • 【3】が煮えたら蓋をとって火を強め、煮汁を煮からめる。
効能
気力を補う鶏肉、椎茸と体を温める胡桃、白葱、生姜、胃腸を強める棗を合わせ、エネルギー不足の冷え対策に役立つ一品です。

体質別に冷え対策

重ね着しても温まらない。お布団に入っても手足が冷たく眠れない。

成人女性の2人に1人は冷えを感じています。その原因は男性とくらべて熱を作り出す筋肉量が少なく、また子宮や卵巣など複雑な構造の臓器を持ち、生理前後のホルモンのアンバランスで自律神経に影響が及び血流が悪くなって冷えてしまうと言われています。

冷えを改善する薬膳は中医学で考える冷えの体質タイプに分けてそれぞれに合った食材や調理法を使って作られます。まず、食が細く体を温める気というエネルギーが生成できず、疲れやすくて寒さに当たるとすぐに風邪を引いてしまう「気虚」タイプ。ストレスを感じやすく気の流れが滞り血行が悪くなる「気滞」タイプ。体温を運ぶ血液の不足により冷えが生じる「血虚」タイプ。気の滞りの長引きや食事の不摂生で血液が粘り、血行が悪く肩こりや酷い生理痛に悩まされる「瘀血」タイプに分けられます。

「気虚」タイプはじゃが芋、山芋、大豆、南瓜、鶏肉、椎茸を煮込みシチューなど温かで消化のよい調理法で仕上げるのがお勧めです。「血虚」タイプは血液増加に働く法蓮草、人参、黒米、黒豆、黒ゴマ、黒木耳、レバー、赤身肉、棗、ベリー類など。ストレスを感じやすい「気滞」タイプはセロリ、春菊、三つ葉、紫蘇、香菜、柑橘類など香りのある食材で気を巡らせてあげましょう。肩こりがひどい「瘀血」タイプは玉ねぎ、韮、ニンニク、青背の魚で血液の流れを良くしましょう。

寒い時季は首、手首、足首と3つの首を冷やさず、冷たい飲み物は控えましょう。朝目覚めたら、朝日を浴びて深呼吸。軽いストレッチをして温かなスープやお粥で体を温めて1日をスタートしましょう。

冷えた体は免疫力低下の原因に。病気を寄せつけず、元気いっぱいに暮らすためにも冷えない体を作っておきましょう。

黒川 眞妃子氏プロフィール
黒川 眞妃子 氏

経歴

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。 食べることは生きること・・・食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

資格

国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターsecond Grade

執筆

大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報

TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日