鹿児島県に属する有人離島の中でも、最も東に位置する種子島。奄美大島、屋久島に次いで3番目に大きな面積を誇り、土地の多くが深い緑に覆われた自然豊かな島だ。周囲の海も美しく、サーフィンなどのマリンスポーツも盛ん。またそれ以上に有名なのは、日本で初めて火縄銃が伝わったという「鉄砲伝来」の歴史と、国内有数の宇宙開発基地があることだ。
今回の種子島の旅では、「鉄砲館」で歴史を学び、「宇宙センター」で科学に触れ、不思議な海蝕洞窟「千座の岩屋」やマングローブの森を巡る冒険へ。
最後に「のぞみ薬局」さんにおじゃまして、離島での仕事と暮らしについてお話を伺ってみた。
鹿児島空港からプロペラ機で約40分、ようやく種子島に上陸!車に乗り換え、宿泊先のホテルへ向かった。島を縦断する1本道は果てしなく続き、たまに住宅や店舗などが見られる以外は全てが緑一色!種子島には低い山しかなく、ほとんどが森で覆われていて、さとうきび畑が広がっている。ドライブをするだけでも「南の島にやってきたなぁ」という気持ちが高まる景色だ。
「ホテル サンダルウッド」は、鹿児島の若手デザイナーが設計したとあって、ナチュラルでお洒落な空間が魅力!全客室に温泉付きというのも素晴らしい。夕食は、ガジュマルの木を眺めながら、ホテル自慢の「インギー鶏」を。インギー鶏とはホテルがある南種子町の地鶏ブランド。新鮮なインギー鶏を、軽く炙ってポン酢で食べる。地鶏にありがちな硬い肉質ではなく、ほどよい噛み心地の食感、ジューシーな旨みが最高!生でも火を通してもそれぞれの美味しさがあってクセになりそうだ。種子島には安納芋やトビウオなど数多くの特産品があるけど、初めて訪れる人には是非、インギー鶏をおすすめしたいな。
種子島に来たら、まずはここを訪れるべきだろう。誰もが一度は教科書で読んだことがある「鉄砲伝来」について、分かりやすく学べる「種子島開発総合センター 鉄砲館」だ。南蛮船を模した建物の中には、ポルトガルから伝来した初伝銃や、国産第一号の火縄銃など、国内外の古式銃がなんと100挺ちょうも展示してある。鉄砲がズラリと並ぶ姿は圧巻!思わず見とれてしまう美しいデザインの銃もあった。また館内では、銃と同じく日本に初めて伝わった種子鋏や、縄文時代などに出土した道具を、趣向を凝らして展示。歴史好きじゃなくても楽しめる施設だった。
次に向かったのは、種子島の景勝地として有名な海蝕洞窟「千座の岩屋」。海の水が引いた時にしか洞窟の中に入れないから、干潮時間のチェックは必須だ。洞窟がある浜田海岸は、砂がサラサラのパウダー状!そんな白い砂浜と真っ青な海が広がる絶景の中に、黄土色の不思議な岩山を発見した。ポッカリと穴が開いた岩山の中に入ってみると、海風が吹き込む涼しい空間が!千人が座れるという説もあるくらい、洞窟の中は広くて、道が枝分かれしているのも面白い。外からの光が差し込む空間はとても神秘的で、自然のパワースポットにやってきたような気分になった。
海の後は森へ出発。人気のアクティビティ、カヤックに挑戦だ。種子島には愉快な島の案内人が沢山いるそうだが、今回はその中でも「BLUE PEACE」さんが紹介してくれた「Island Jam」さんに案内いただいた。まずは、南国特有のマングローブについてレクチャーを受ける。淡水と海水が混じり合う場所に生息する木々の総称を「マングローブ」と呼ぶそうだが、なかでも種子島に自生する「メヒルギ」の木は、その生態が面白い。万年筆のような棒状の実が木から落ちると、川の中を縦にプカプカ浮かんで漂う。干潮になると川の水位が下がり、棒状の実は蟹が掘った地面の穴に刺さって、そこから根を伸ばすそうだ。そんなマングローブの森に流れる川を、カヤックに乗って上流へ向かう。きちんと習ったはずなのに、カヤックは右へ左へ。たまに操縦不能になって森に突っ込む展開に!でも緑のトンネルの中を走るカヤックは、とても気持ちがよかった。
旅の最後は、種子島らしい人気の観光スポット「種子島宇宙センター」へ。まずは宇宙科学技術館を見学した。ロケット内部のエンジンなどが展示してあって迫力満点の宇宙空間が広がっている。宇宙飛行士たちの仕事や生活が紹介されていたりと、ワクワクするような情報が詰まっていた。そして、お楽しみは1時間の施設内バスツアー(要予約)。国内最大のロケット発射基地で、普段は入ることができない場所を、ガイドさんが案内してくれるのだ。その大きさに目を見張る、「H-Ⅱロケット」の実機を展示した「大崎第一事務所」や、実際にロケットを飛ばしている「大型ロケット発射場」、ロケット打ち上げに関する調整や監視を行っている「総合指令棟」など、TVドラマでしか見ることのできない宇宙開発の現場を見ることができた。ツアーから戻ったら、ロケットの描いてある安全祈願のお守りや、ロケット型のパッケージが可愛いお菓子などをお土産に購入。種子島の旅を締めくくるに相応しいスポットだった。
とまと薬局グループ のぞみ薬局の皆さん
とまと薬局グループは、鹿児島県内を中心に宮崎県や千葉県に17店舗を展開する薬局グループです。総合病院や内科系の医院に隣接している店舗が多いため、取り扱う薬剤の種類・量ともに多いのが特徴で、近年では在宅医療の分野にも力を入れています。自社で経営している介護施設の他にも多くの施設と取引があり、病院での処方と共に需要が右肩上がりで伸びているのが強みです。
また患者様に対しては、できるだけお待たせしないような管理体制を整えています。待合室で患者様に対応する専門の「ホールマネージャー係」がいる店舗もあり、患者様お一人お一人に合わせて臨機応変に対応できるよう、職員一同が心掛けています。同グループの最大の魅力は「人」。どの店舗を訪ねても、職員の皆さんが明るく、気持ちよく働いているのが分かります。薬剤師さんのアドバイスもマニュアル通りではなく、目の前の患者様に合わせて行われているので、「不安なくお薬が飲めるようになった」「以前より飲みやすくなった」という患者様からの声が多いのも納得です。
「とまと薬局グループの職員には、働くことの“生きがい”を教えてあげたい」とは同グループの小笹忠彦社長が持ち続けている願い。人の持つ力を最大限に活かす同グループだからこそ、地域医療の発展に大きく貢献できているのではないでしょうか。
取材協力
とまと薬局グループ のぞみ薬局
所在地:鹿児島県西之表市西之表7465-10
TEL:0997-23-2861
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ユニヴ
とまと薬局グループに入社した理由は何ですか?
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溝川先生
昔から離島が好きで、いつか島暮らしがしたいと思っていたので、東京の職場を辞めて、種子島に薬局があるとまと薬局グループに入社しました。
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伊藤先生
私は関東出身なのですが、やはり若いうちに離島で暮らしてみたいと思ったのがキッカケです。のぞみ薬局は医療センターの前にあるので、仕事上でいろんな経験が積めるのも魅力でした。
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ユニヴ
実際に島で働いてみた感想はいかがですか?
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溝川先生
島の患者様は性格が温かいので、東京にいた時ほど接客で悩むことがなくなりました。狭い島なので、スーパーなどで会った時は挨拶してくださる患者様もおられます。
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戸原先生
人が穏やかで、車のスピードもゆっくりなのがいいですね(笑)。海がキレイなのも魅力ですし、海に沈む夕日もまた素晴らしいんですよ。「宇宙センター」付近の海が特に美しいですね。自然が豊かなところが好きです。
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ユニヴ
おすすめのご当地グルメはありますか?
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溝川先生
種子島の安納芋を食べてから、他の芋が食べられなくなりました(笑)。地元では100円くらいで買えますし、近所の方からいただくこともあります。あと、種子島ではトビウオを「トッピー」と言いますが、トッピーの姿揚げは美味しいですよ。
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伊藤先生
小さい竹の子みたいな「ニガタケ」も好きです。種子島には美味しい海の幸、山の幸がいっぱいあります。
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ユニヴ
皆さん、種子島での生活を満喫していらっしゃいますね。では最後に、のぞみ薬局さんで取り組んでいらっしゃることについて教えてください。
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溝川先生
職場では20代から70代まで幅広いキャリアの職員が働いています。できるだけストレスなく働けるよう、職員それぞれの得手不得手を把握し、得意な業務を得意な人が担当するという流れをつくっています。得意な部分を伸ばすことで、本人も周りの人間も気持ちよく働けますし、患者様にもそれが伝わっているような気がします。
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ユニヴ
これからも地域に根差した薬局として頑張ってください。ありがとうございました。