小田原市は神奈川県の西に位置し、東京駅から新幹線で30分、在来線でも1時間ほどの場所にある。
戦国武将北條氏の居城小田原城、豊かな相模湾は漁港も盛んで魚や干物、蒲鉾などの加工食品も有名だ。また、隣の南足柄市と同様、緑豊かな山の顔も合わせ持ち、旅ではみかん狩りや椎茸狩りも体験。
そして大人のためのモダン湯治場や「ういろう」の歴史ミステリーの謎を解き明かす。
旅の途中、「健やか薬局」さんに立ち寄り小田原での仕事と暮らしについてお話を伺った。
小田原駅に降り立つと北條早雲公の立派な像が出迎えてくれる。
小田原と言えば小田原城!駅からも近く晴天にも恵まれ最高の気分で小田原城を見上げる。
小田原城の前身は、室町時代に西相模一帯を支配していた大森氏が、高台(八幡山)に築いた山城で15世紀中頃に造られたのではないかと考えられている。
15世紀末、北條早雲が小田原に進出し、以後、北條氏が勢力を拡大し小田原城は関東支配の中心拠点とされた歴史を持つ。この日は早朝から多くの観光客の姿があり、美しいお城は大変賑わっていた。
新鮮な魚が獲れる小田原は蒲鉾が特に有名で、箱根の玄関口、箱根登山鉄道風祭駅前に広がる「かまぼこの里」に行く。小田原鈴廣かまぼこが運営し、鈴廣蒲鉾本店やかまぼこの市場、そして今回のお目当て「かまぼこ博物館」もここにある。博物館では蒲鉾の歴史や素材のことなどが楽しく学べる。ガラス越しに蒲鉾職人の技を間近で見ることができ、実際の蒲鉾づくりも体験できる。あいにく予約日は竹輪体験の日だったが大盛況。先生の指導のもと、すり身を練り竹の棒に巻くのだがこれが難しい。どうにか形を整え先生に焼いてもらう。
番号を呼ばれ自分の竹輪を受け取る。見た目は悪いがアツアツの焼きたて竹輪は味がしっかりしていてすごく美味しい!
建物の2階は「かまぼこ板美術館」、3階は食と科学が学べ、この時は「かまぼこ板絵国際コンクール」の企画展が開かれていた。
小田原を平定した北條早雲は朝廷に仕えていた外郎家五代目・外郎宇野藤右衛門定治を朝廷との外交役として招く。これが「ういろう」ミステリーの始まり。
外郎家は中国で約一千年、日本で六百年以上続く家で、初代陳延祐は元の滅亡と共に日本に帰化し、中国での役職名・礼部員外郎の外郎をとり、「外」を「うい」と読ませて「外郎」と名乗る。医術と占いに優れていたため、将軍足利義満から京都に招かれ博多で生涯を閉じた。代わりに朝廷に仕えた二代目・宗奇は命をうけて明に渡り、朝廷に珍重された家伝の薬「霊宝丹」の処方を持ち帰った。これが薬の「ういろう」。
宗奇は朝廷で外国使節の接待に供する菓子を自ら考案したのが菓子の「ういろう」。薬のういろうは後に天皇から「透頂香」の名前を頂いた。
歌舞伎役者・二代目市川団十郎は持病の咳と痰のため台詞が言えず困っていたところ、薬のういろうによって全快したお礼に舞台で上演した。市川団十郎の歌舞伎十八番「外郎売」の台詞が誕生したのだった。
小田原城のすぐ近くに建つお城の店舗が株式会社ういろう。菓子のういろうが売られているカウンターの奥に「調剤室」と書かれたガラス部屋があり、薬のういろうはもちろん、市販薬も売られている。またここは「外郎博物館」でもあり、何とも不思議な空間だった。
日が暮れ真っ暗な山道を進むと愉しみにしていた今回の宿「モダン湯治おんり〜ゆ〜」に到着した。山の中にポツンと明かりが灯るその様はまるで秘境のようだが、ここは神奈川県南足柄市で小田原駅から車でほんの30分ほどの場所。
チェックインを済ませ案内してもらった和室は清潔感のある和室でとても広〜い! 塀で仕切られた緑豊かな庭とウッドデッキに設置されたプライベート露天風呂が素敵すぎる!
湯治風呂は療養泉(単純硫黄泉)のアルカリ性で体に優しい38℃の「ぬるゆ」。緑に囲まれた開放感溢れる景観と近くを流れる沢の瀬音、鳥のさえずりを聴きながら贅沢な時間を過ごした。
女性に嬉しい和のエステやボディケア、ヨガ、ノルディックウォーキングなどアクティビティーでリラックスできる講座も用意されている。日帰り入浴もでき、早朝から多くのゲストが訪れていた。
午後は小田原市に戻り、「きのこ苑おやまのたいしょう」でみかん狩りときのこ炭焼きを堪能した。香ばしい煙りがいっぱいに広がる店内は人が途切れることが無いほどの人気ぶり!
小田原魚港の市場にも立ち寄り、激ウマの海鮮丼とハマグリも味わうという最高に楽しい旅だった。
健やか薬局の皆さん
有限会社健やか薬局は、小田原市の地域に根ざした薬局です。
地域住民に温かく支えられて約30年経ちました。ときには、地域のみなさまから自家製パンやコーヒー、泥付きの野菜など、さまざまな差し入れをいただくこともあるそうで、地域のみなさまから愛されている薬局です。これからも小田原のみなさまのために親しみやすい薬局であり続けることを目指しています。
健やか薬局は、「医療機関と一緒に患者様の病状回復、健康回復・維持を行うこと」をモットーに、薬剤師がドクターの治療方針・処方意図を理解し、患者様と同じ目線に立ってサービス提供をしています。運営するクリニック門前の薬局では、ドクターとの対話やカンファレンスもあり、医療機関と一体になって仕事をしていると言っても過言ではありません。
神奈川県でも少し田舎の小田原ですが、のんびりした空気感の中で患者様と寄り添える薬局・薬剤師として地域医療へ貢献していきます。
取材協力
有限会社 健やか薬局
神奈川県小田原市下新田264-12
TEL:0465-47-4362
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ユニヴ
ご入社のきっかけは何ですか?
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宮川先生
地元・神奈川での就職を考えていたところ、健やか薬局にいた大学の先輩にお声掛けを頂きました。見学の際、その先輩と当時の社長(現会長)と色々お話させて頂き、この会社なら頑張れそうだと思い入社しました。新卒で入社して、今14年目ですね。
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ユニヴ
健やか薬局の特徴を教えてください。
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宮川先生
健やか薬局に来て頂ける方の多くが小田原にお住まいで、長く健やか薬局を使って頂いています。顔なじみの方が多く、小田原の地域のみなさまから愛して頂いている薬局だと思います。これからも小田原のみなさまの支えとなれる存在でありたいですね。
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ユニヴ
小田原のおすすめや地域性を教えてください。
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宮川先生
お魚が美味しいですね!
根や湯河原もすぐなので温泉がお好きな方には良いと思います。海にも山にも近いので、サーフィン・サイクリング・登山などレジャーも豊富です!
地域性としては気候が良いからか、のんびりしている方が多いですね。長く住んでいる方も多いので、患者さん同士も薬剤師と患者さんも顔見知りが多くなります。また、大手の薬局さんも少なく、地域に根付きやすいということもあるかもしれません。薬の説明よりも世間話をしている時間の方が長いかもしれませんね。 -
ユニヴ
今後、どのような薬局にしていきたいですか?
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宮川先生
地域密着という部分を大切にしながら、サービスの質を更に高めていき、より地域のみなさまから信頼され、愛して頂ける薬局を目指していきます。
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ユニヴ
ありがとうございました。今後も小田原の地域医療の担い手として、更なるご活躍を期待しております。