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黒川眞妃子先生の薬膳レシピ 6 ゾクゾクしたら…白葱生姜、胡椒粥

材料
もち米・1カップ 水・1600㏄ 白葱・1本
水・100㏄(白葱用) 生姜・10g 黒胡椒・少々
作り方
  • もち米は軽くミキサーにかけ粗く砕く。生姜は薄くスライスする。
  • 白葱は縦半分、長さ3㎝に切る。
  • 耐熱ボウルに【2】の白葱と水を加えてラップをかけ、500wの電子レンジで4分加熱。粗熱が取れたらミキサーで粗めのペーストにする。
  • 鍋に【1】の米、生姜と、【3】、水を加えて火にかけて鍋底から混ぜ、沸騰したら弱火にして30分ほど煮る。
  • 【4】を器に盛り黒胡椒をふる。
効能
体を温め発汗を促進する白葱、生姜、黒胡椒をお米の中でも温性のもち米でまとめます。
同じような効能の食材を組み合わせ、ゾクゾクした寒気が激しい風邪初期にお勧めの一品です。

「薬膳!速攻カゼ対策」

風邪は誰でもかかる身近な病気ですが、こじらせると肺炎、腎盂炎、副鼻腔炎、中耳炎、扁桃炎など困難な病気も引き寄せるため「風邪は百病の長」と言われています。それゆえ「あれ、風邪かな?」と思ったら素早く対処して体から追い出してしまうことが大切です。
風邪のタイプは大きく2つのタイプに分けられます。1つ目は体が寒気に侵襲され、ゾクゾクと寒気がとまらず、軽い発熱や頭痛、薄い鼻水、鼻詰まり、汗は出ずに体の節々が痛み、倦怠感などが表れる「風寒」タイプ。このタイプは素早く体を温め発汗を促して風邪を追い出します。サッと紫蘇生姜湯。食事には白葱と生姜のアツアツ粥がいいでしょう。首や背甲間部は絶対に冷やさないようにすることがポイントです。
2つ目は口のどが乾燥して咽痛から発熱に至る、寒気は軽く頭が脹るように痛い、粘った鼻水や痰が出る「風熱」タイプ。このタイプは体の熱やのどの炎症を鎮め、熱の風邪を追い出します。頻繁な緑茶うがい。サッと葛湯。大根おろし汁や梨ジュース。食事には冷ました緑豆粥がいいでしょう。こまめに水分を補給し、部屋を充分に加湿しておくことがポイントです。
風邪をこじらして咳が続くようなら杏仁粉をお湯で溶いたドリンク。蓮根のすりおろし汁に水を加え、トロミがつくまで温めた蓮根ドリンクもお勧めです。
スッキリと風邪を完治させるには回復期の食事も大切です。病後の体力や消化力の弱った体には、じゃが芋、南瓜、さつま芋などのポタージュや山芋粥から始めましょう。
風邪の引き始めや回復期は体の抵抗力を高めるために、いつもより長めの睡眠が必要です。部屋に加湿器や水をおいて乾燥を防ぎ、首回りをネックウォーマーなどで温めて休みましょう。

寒さ本番! 手洗い、うがい、マスクの装着。薬膳! 速攻カゼ対策で体を守りましょう。

黒川 眞妃子氏プロフィール
黒川 眞妃子 氏

経歴

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。 食べることは生きること・・・食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

資格

国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターsecond Grade

執筆

大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報

TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

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