現状維持は衰退！挑戦を続ける！

摂南大学薬学部を卒業後、外資系製薬企業でMRとして島根県で6年、山口県で1 年勤務し、いくつかの賞や選抜研修にも抜擢されました。出世したタイミングで退職し、自分の実力に再現性があるかを確かめるべく国内の製薬企業に転職、2年間東京で自社製品のシェア拡大に尽力しました。その中で「今までと全く違うことに挑戦したい」という気持ちが大きくなり、情報収集をしていたところ、ケイファーマの加納さんが発信する情報をキャッチし、独立開局成功塾にも参加しました。

元々自分の中に勤務薬剤師という選択肢はなく、当時MBAを取るべく仕事をしながら大学院に通っていたこともあり、薬剤師をするなら経営も自分でやりたいと考えていました。また、今までは転居を伴う異動や転職をしてきましたが、長女が小学校に上がるタイミングで、家族を優先するため大手メーカーを辞めて大阪へ帰る決意をしました。

ベクトルは全て自分自身、仕事に対する意識は以前とは全く違う！

最初に勤めた会社を去る決意をした時から、今まで以上に未来を自分で切り開く思考になりました。薬局経営もそれ以外のビジネスも全ては自分次第です。常に自分にベクトルを向け、周りの人々に感謝し、なかつ薬局や私を選んで下さる患者さんのことを1番に考えています。特に患者さんに関しては経済的な負担についても考え、後発品でも薬価の異なるものに注意しています。オーソライズドジェネリックなら確信を持って変更を勧められることもあり、先発志向の患者さんでもご意思に沿ったまま負担を抑えていただけるようになりました。

私は細かいことなど気にせず突き進め！というタイプなのですが、薬剤師に絶対に必要なことはミスをしないことです。薬剤師になってすぐに薬剤師の責任の重さと怖さを体感しました。1つ1つの言動と行動に責任が発生します。ただし、細部に注意を払うというのは私の最も苦手な分野です。だからこそ、ミスをいかに防ぐかというところには仕組み化を意識し、プライオリティを高める指示を出しています。毎日業務を見直しながら、ミスを限りなくゼロに近づける努力をしています。

「できるできない」ではなく「やりたいか、やりたくないか」

薬局経営は、他のビジネスと比べてとても『シンプル』だと考えています。1人でも多くの患者さんが薬局へ来てくれることで経営が安定化します。1枚の処方箋が宝物です。顧客目線の経営者思考は現場で大きな差別化に繋がります。万が一、独立で失敗したとしてもこのマインドは勤務薬剤師として重宝されるはずです。

私はMRを辞める前に、なかつ薬局の案件をいただきました。大阪・梅田から徒歩圏内の立地で、一人薬剤師で運営がきでる規模感だったので、即断即決しました。完璧な案件など表に出てくるものではなく、選り好みしていてもチャンスを逃すだけです。経営に一番大事なのは決断力です。決めて断つ、捨てることです。やったことがないことに挑戦するので、できると思える確立が少ないに決まっています。だから、新しいことをする時の基準は「できるできないではなく、やりたいかやりたくないか」、それだけです。その際には、相談できる有識者がいることも大切です。私もやりたいという気持ちと、加納さんの「数字面でも悪くはない」という評価で即決しました。ここが独立支援のメリットの一つです。

最後にM＆Aでの独立開局は、既に固定の患者さんがいることで、初日から売上が見込めることが大きいです。また、前オーナーが築いてこられた部分をしっかりと引き継がせていただくことでスタートが切りやすくなっています。その上で不十分だった点を改善すれば良いのです。なかつ薬局では勤務体系の改革、後発品比率や在宅業務の拡大などの改善で経営の黒字化を見込んでいます。今後はインターネットでの情報発信を通して、地域の患者さんに広くなかつ薬局を知っていただき、外来の患者さんを増やすことや、MRの経験を活かして在宅の仕事を増やし、得られた利益で雇用の創出やより良い条件で従業員の皆さんにご勤務いただけるよう尽力していきます。2018 年9月には、なかつ薬局の株式を個人で取得し、私自身で経営をする予定です。雇用がロボットに変わりつつある社会の中において、人の雇用を生むべく2 店舗目、3 店舗目の展開も考えていきたいですね。