薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

処方カスケードを見つけ、減案できるジェネラリスト薬剤師へ その薬は本当に必要ですか?

処方カスケード(連なった滝)とは?
患者に出現している症状が、薬の副作用による症状にも関わらず、対症療法的に新しい薬剤が処方投与されること。またそれが繰り返されること。

2014年秋発足、神奈川県・川崎市にて勉強会や懇親会を通してMISSIONの実現を目指す

MISSION
薬のスペシャリストである薬剤師が、医療ジェネラリストとして進化することにより、医療資源の効率化に貢献する

模擬患者を想定した減案マラソン

●減案マラソンとは
20種の薬を服用中の模擬患者を、背景・既往歴・想い・検査数値などから減薬を1人1種類ずつしていくマラソン形式のワークです。何から減らすか、その理由など様々な意見が飛び交います。あなたなら、この患者さんの処方をどう考え、処方減案しますか?

症例

年齢90歳 BW52kg 女性
認知症 心筋梗塞 弁膜症 心肥大 便秘症 不眠症 高尿酸血症 皮膚湿疹
食事全食 水分1000ml 睡眠時間5~6時間 中途覚醒なし
排尿 3~5回 夜間排尿1~2回
便通 2~3日ブリストルスケール7

経歴

不明

環境情報

1人暮らし、個人在宅で医師・看護師・薬剤師が訪問。ヘルパーが週3回介入。近くに住む姪が介護。朝食欠食が多く介護ベッドでの生活。嚥下悪く・むせこみあり。大転子部に褥瘡あり分類D2。めまい・ふらつきがあり最近耳鼻科に受診し薬が増えた。昨日、小さい虫がベッドの下にいると幻覚が見えているようだった。

想い

本人
種類が多くて飲めないことがある。飲めない薬は捨てている。内服はできる限り減らしてほしい。睡眠の薬は飲み続けたい。
30年前から糖尿病の治療をしていて医師を信頼している。糖尿病の薬のおかげで長生きできていると思っている。

足の浮腫みが気になるスッキリさせてあげたい。むせこみが無ければうまく食事もできるのでは?と思う。

長谷川式HDSスコア 15点(1年前)

Bp120/60 P50 HbA1c 6.2
BW50→52kg/1ケ月

血液データ (1か月前)

Tch110 TG 150 HDL 40 LDL 60
HbA1c6.8 BS 150
クレアチニン1.30 尿素窒素35(8~22)尿酸 6.0
Na140(138-148) K4.5(3.6-4.8) Cl108(100-110)
Pro-BNP 540

アムロジン10mg 1T 分1 朝食後 アマリール3mg 1T 分1 朝食後
ラシックス40mg 1T 分1 朝食後 メキシチール100mg 3T 分3 毎食後
フルイトラン2mg 1T 分1 朝食後 酸化マグネシウム330mg 9T 分3 毎食後
フェブリク20mg 1T 分1 朝食後 アローゼン2.0g 1T 分1 寝る前
ザイザル5mg 1T 分1 夕食後 スローケー600mg 3T 分3 毎食後
クレストール5mg 1T 分1 朝食後
勉強会に参加して、減案マラソンで意見交換をしませんか?

ミッションに共感してくださる薬剤師さんのご入会希望を随時受け付けております!HPの入会フォームよりお申込みください。

ミライ☆在宅委員会