年収80万円UP
Sさん(55歳・男性)
一般企業で約20年勤務 ▶ ︎薬学部再入学 ▶ ︎数社の調剤薬局で約5年勤務 ▶ ︎現在薬局勤務(年収600万円)
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●転職時の給与条件重要度
私は40代で薬学部に再入学をしました。その学費分や老後の資金を貯蓄するために、給与面は重視して転職活動を行いました。 -
●給与UPしてよかったこと
老後の貯蓄や両親の介護費用など、将来必要になる生活費に対して安心できるようになり、ライフプランが描きやすくなりました。また実際に、給与UP分を両親のために計画していた自宅の改築費用にも充てることができました。 -
●給与UPのために妥協したこと
給与を上げる分、休日日数は優先度を下げました。転職前は週休2日・年間休日120日でしたが、転職後は週休1日+祝日のみの休みで働いています。 -
●転職後の勤務環境
休みは減りましたがイメージどおりの就業環境で、順調に勤務しています。私は年齢に比べて薬剤師としての経験年数が短かいため、新しい環境でスタッフさんと上手く関係を構築できるか、若干不安に感じておりました。しかし、研修と合わせて他店舗スタッフさんとの関係構築をしながら、会社のシステムに慣れたタイミングで正式配属、と社長が配慮をして下さったおかげで、環境にもとても馴染みやすかったです。 -
●給与UPのために必要だと思うこと・経験
転職活動においては、自分の中の希望条件を整理することです。整理した上で給与UPを一番優先するなら、妥協せずに転職活動を続けることが大切です! -
●転職を考える薬剤師さんへのアドバイス
まずは置かれた環境でキャリアをしっかり積むことです。そうすることで次の環境にも活かせることが多く、給与UPにも繋がると思います。
年収300万円UP
Tさん(27歳・女性)
大学卒業 ▶ 大手チェーン薬局で約3年勤務 ▶ 現在薬局勤務(年収700万円)
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●転職時の給与条件重要度
転職を考えたきっかけが、実家の事情と奨学金の返済ができるのかという漠然としたお金の不安だったので、給与条件の重要度は高かったです。 -
●給与UPしてよかったこと
生活に余裕ができ、心のゆとりにも繋がりました。旅行やジムなど、自分のプライベートを充実させることができた点がとてもよかったと思っています。 -
●給与UPのために妥協したこと
以前生活していた場所よりも地方に行くことは妥協した部分です。転職前は自家用車を持っていなかったのですが、通勤に必要となったため車を購入しました。残業に関してはかなり覚悟していましたが、逆に以前いた店舗よりも残業が少ない現状です。 -
●転職後の勤務環境
正直、転職を決めた時はもっと僻地に行くのかと思っていましたが、全くそのようなことはなく、市内に出るまで車で20分程度なので不便なく生活できています。車生活にも不安がありましたが、慣れると便利だと感じています。 -
●給与UPのために必要だと思うこと・経験
以前の職場が総合病院の門前薬局だったので、色々な科目の処方箋を見た経験は今の薬局業務にも活かされていると感じます。また在宅医療・かかりつけ薬剤師制度が活発になる中、在宅の経験や認定薬剤師の資格も必要だと思います。 -
●転職を考える薬剤師さんへのアドバイス
私は転職の相談に行くまでとても時間がかかりましたが、相談してから次の職場を決断するまでは早かった印象です。転職相談をすることで、自分の状況や将来の希望を自分自身で客観的に見ることもできました。無理に転職を促されることもなかったため、まず転職相談をしてみることが大事なのかなと思います。
年収300万円UP
Iさん(35歳・男性)
病院約5年勤務 ▶ ︎数社の調剤薬局で約7年勤務 ▶ 現在薬局勤務
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●転職時の給与条件重要度
子供の教育費用等、生活をする上での出費が年々増えていくため、給与は重視して転職をする必要がありました。 -
●給与UPしてよかったこと
キャリアアップの評価が給与というかたちで目に見えるようになったので、自分自身がやりがいを持って仕事に向き合えるようになりました。会社から求められる仕事内容やレベルが給与に合わせて大きく変わるため、今までと違う視点を養って、未経験の分野でも成果を上げることが出来ました。「社会に必要とされる薬局を作る」という将来の目標に向けて、今後も様々なことに挑戦していきたいと思います。 -
●給与UPのために妥協したこと
休日出勤や現場の急なシフト変更に対応する等、プライベートの時間は妥協しました。また勤務地においては、店舗エリアの拡大に合わせて広範囲を対応するようになりました。 -
●転職後の勤務環境
様々な要求に答えることで自分が犠牲にする時間やプライベートはありますが、その分、周りから頼られることへの喜びがあって、とても達成感がある環境で働くことができています。また、現職では自分の裁量で環境を作っていける柔軟性があるため、初めは難題だと思ったことも当たり前にこなせるようになり、転職前よりも自分の自由な時間が作りやすくなったように思います。 -
●給与UPのために必要だと思うこと・経験
【自分が行っている仕事を客観的に見る→今の給与が自分の実力に合っているかを考える→常に生産性をあげるための努力をする】これを意識することで、周りからの評価・待遇は自然についてくると思います。 -
●転職を考える薬剤師さんへのアドバイス
変化を恐れないで、楽しんで下さい!
薬剤師転職トレンドと給与UP転職のコツ
薬剤師売り手市場の終焉
ここ数年で、薬剤師を取り巻く就業環境は大きく変化しています。
これまでは国が推進する医薬分業に人材供給が追いつかず、売り手市場が慢性化、「うちの薬局に来てくれたら、今より高待遇で迎えるよ!」と、転職を繰り返す度に給与がUPしていく実情がありました。
しかし、大手薬局がM&A展開を加速(人材困窮の中小薬局を吸収合併…)し、磐石な体制を構築。大手台頭や診療報酬改定の影響を受け、売却、閉局を余儀なくされる薬局が増え始めました。その結果、止むを得ない離職へと至る薬剤師が市場へと流出、そこに2012 年以降の6 年制薬剤師大量輩出もあり、都心部を中心に求人の間口は狭くなり始めています。
つまり「薬剤師ライセンス」に対する「純粋な市場価値」は、以前に比べ相対的に下がってきている、という実情です。
給与DOWN 転職の恐れも…
これからの業界において、「薬剤師を確保できること」は経営の大きなアドバンテージにはなりません。対物業務から対人業務へ、立地から機能へと、薬局に求められるレベルが高まり続けていく中で、薬局の採用ミッションは、「薬局経営・運営にメリットとなる薬剤師を如何にして採用するか」という部分に舵取りされていきます。
「調剤経験多数! 管理経験有! 速く正確に調剤できます!」は既に薬剤師の売り文句とはならず、診療報酬改定の度に、無い袖は振れない…と減俸を会社から打診されることや、就業店舗が撤退を余儀なくされリストラの対象となってしまうことは、もはや他人事ではありません。これまでとは間逆の不本意な転職、給与DOWNの転職を余儀なくされる恐れも十分にあるのです。
今後は、点数を稼ぐ仕事が出来る、薬局の採算性に現場貢献できるといった薬剤師が、良い意味で差別化され、成果に見合う報酬を得る時代へと変遷していくでしょう。
給与UP 転職のために
報酬改定や制度改正の対策、基準調剤加算を取るよう努力する…といった取り組みは、会社評価を受ける薬剤師としてイメージしやすいですが、例えば来局者の減少要因をレセプト情報から推察し増患対策に努める薬剤師や、調剤機器の活用や薬剤師でなくてもできる仕事の委譲による業務のスマート化、人件費や総コスト削減の提案ができる薬剤師がいた場合、会社評価はどうでしょうか? 薬局運営がシビアに変遷する時勢において、処方箋調剤以外でも会社の利益に貢献できる薬剤師は、必ず相応の評価と対価を受け取ることが出来るでしょう。
しかしながら、これはあくまで「現場に求められる薬剤師」であることを前提にした話であり、在宅医療やかかりつけ薬剤師等、今後のキーワードとなるポイントから逸脱して考えられるものでは決してありません。薬剤師は国が認める資格ですので、国が求める職能を発揮し続けていかなければなりません。医療情勢が大きく変わる中、この必要変化に対応出来ない法人・薬剤師の辿る運命は、早かれ遅かれ、自明のことかと思います。
外来の処方箋で手一杯だから(今はそれで利益が出ているから)…、会社として取り組んでいないから…、という状況や環境を理由にせず、時に法人への掛け合いも行いながら、1件の在宅を始める努力や、地域活動に取り組む姿勢を示すこと、最低限抑えるべき認定薬剤師の取得等、潮流に乗る取り組み、行動を自発的に始めることが大切です。
薬剤師としての基本軸をしっかりと抑えながら、プラスαの魅力付けをし、「目の前の処方箋調剤だけに偏重する薬剤師」との差別化を図ることが、「求められる薬剤師」として今後、安定的に高い給与を得るために必要な条件となります。
このまま今の環境に身を置いていて良いのだろうか…と漠然とした不安を抱えながら目の前の仕事に臨んでいるという方には、是非これからのご自身のキャリアを今一度見据える契機にしていただきたいと思います。
● ご自身のキャリアを今一度お考えになられたい薬剤師さん
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ユニヴ・コーディネーター
姫野 洋一
大分県出身。大学ではサービス業を専攻し、ホテルマンを経験。人に喜んで貰いたいという「おもてなしの精神」を礎として、現在は株式会社ユニヴ九州支店でコーディネーターとして勤務。様々な背景/要因から「転職」を考える薬剤師のカウンセリング、キャリアプランニングを主に担当。人生の転機となるタイミングに、業界動向を踏まえた客観的なアドバイスと、一人ひとりの心情に寄り添った最善を提案している。