薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

黒川眞妃子先生の薬膳レシピ 12 胃熱タイプに…冬瓜・トマト・蛸のサッパリ煮

材料
冬瓜・300g、茹で蛸足・2本、プチトマト・8個、オクラ・4本
刻み大葉・4枚、タタキ梅・1個分、昆布出汁・1000㏄、味醂・大さじ1
薄口醤油・大さじ1.1/2、塩・小さじ1/3
作り方
  • 冬瓜は皮をむいて食べやすい大きさに切る。オクラは軽く茹でて縦半分に切る。蛸は切り目を入れる。
  • 鍋に出汁を沸かし冬瓜を加えて15分ほど煮る。
  • [2]の冬瓜が柔らかくなったら蛸、オクラ、トマトを加え、トマトがはじけたら火を止めて器に盛り、煮汁をかけて大葉、梅を添える。
効能
体内の熱を冷ます冬瓜とトマトを組み合わせ、胃熱や夏の暑さにも対応した一品です。

「タイプ別薬膳ダイエット」

私達の体は獲物のとれない飢餓状態に備え1日の余ったエネルギーを脂肪(中性脂肪)として蓄える仕組みを備えています。しかし現代において獲物のとれない明日はなく、少しずつ蓄えられた脂肪は使われる機会を失い、糖尿病、脂質異常、痛風、骨や関節疾患などの健康を脅かす病理産物となってしまいます。
薬膳でダイエットを考えるときは単に体重を減らすのではなく、それぞれの「太っているタイプ」を考慮しながら健康で「太りにくい体」に整えていくことを目的とします。

先ず「胃熱タイプ」「気虚タイプ」「気滞タイプ」「腎陽虚タイプ」の4つに分けて考えます。

●胃熱タイプ
「食欲旺盛、早食い、甘いものや油もの、香辛料が好き。熱がりでのぼせやすい、口が渇く、便がかたい」このタイプは日頃の食習慣から胃熱が生じ、胃機能が亢進して更に食欲旺盛となり大量の栄養を使いきれない「胃熱タイプ」です。食事の始めに大根おろし、昆布やワカメのサラダ、冬瓜の煮もの、苦瓜のお浸しなど胃熱を鎮めるものを食べ、積極的な運動で溜まったものを発散しましょう。

●気虚タイプ
「疲れやすい、動くと息切れがする、運動が苦手、胃腸が弱い、全体がぷよぷよしている、体重のわりに体脂肪が多い、食べないのに太る」このタイプは胃腸が弱いため体力や筋肉が作れず新陳代謝が低下し、脂肪の燃えない「気虚タイプ」です。食べものは減らさず、芋や茸の入ったお味噌汁、はと麦ご飯、豆の煮もので胃腸を強め、ヨガや気功など呼吸を取り入れた運動もお勧めです。

●気滞タイプ
「ストレスが多い、生活が不摂生、食欲にムラがある、拒食や過食を繰り返す、リバウンドしやすい」このタイプはストレスから気の流れが悪く、水分代謝が滞って浮腫がおこる「気滞タイプ」です。香りのよい春菊、茗荷や三つ葉のお吸いもの、セロリのサラダ、柑橘類やハーブティーで気の流れをよくし、多めの運動量でたっぷり汗を流しましょう。

●腎陽虚タイプ
「足腰が冷える、全身が浮腫み下半身が太い、夜間尿が多い、食欲は普通、腰、膝に力が入らない」このタイプは腎を温める力が不足し水分代謝が滞る「腎陽虚タイプ」です。海老、韮、胡桃、シナモン、八角、パプリカなどの体を温める食材で腎機能を高めて水はけをよくしましょう。

極端な食べないダイエットは体力や免疫力の低下、貧血や月経不順、美容面でも肌のかさつきや抜け毛などのトラブルを招きかねません。体重を減らしても体調ダウンは本末転倒!
美味しく食べてゆっくりと、体を整えながらダイエットにチャレンジしてくださいね。

黒川 眞妃子氏プロフィール
黒川 眞妃子 氏

経歴

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店 薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。 食べることは生きること・・・食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

資格

国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターSecond Grade

執筆

大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報

TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

薬膳セミナー