薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

学校薬剤師が次世代の「薬局」・「薬剤師」の認識を変える

学校薬剤師には学校の保健管理以外にも、子どもたちの健康教育について大きな役割を担っていることをご存知ですか?

学校薬剤師とは?

幼稚園・小学校・中学校・高等学校など、大学を除く国立・公立・私立の学校すべてに委任委嘱され、学校保健活動を行う。

主な仕事内容

●定期調査
①空気調査(主・冬季)授業中の気温・湿度・換気(CO2測定等)
②水質検査(主・夏季)プール水環境調査・水道水・飲料水の状態
③シックハウス検査(夏休み期間)ホルムアルデヒド・トルエン発がん性物質検査

●臨時調査
①照明・教室内授業環境
②学校給食・安全環境
③理科室・医薬品保管状況
④校内の清掃・衛生管理

●保健衛生の検査・指導・助言
①保健室:備品の調達や依頼・医薬品の管理
②保健教諭から相談:
 ・発達障害児童・行動に対する対応
 ・薬の使用方法(解熱剤・目薬・打撲対処療法など)

●学校保健計画・学校安全計画の立案
例えば…「くすり」、「薬物乱用」の薬剤師講演提案

頻度

月1回程度・定期訪問

報酬

地域により異なる
※1年で5〜20万円程度が多く、学校薬剤師だけで生計を立てるのは難しい

資格

薬剤師資格+薬剤師会への加入

立石 まゆみ先生

サンプラザ薬局グループ 執行役員/薬剤師
立石 まゆみ先生

武庫川女子大学卒業後、研修生を経て、病院薬剤師として4年間勤務。1999年、結婚を機にサンプラザ薬局グループに入社、現在20年目。会社の子育て支援制度を利用し、二児の母として家庭と仕事を両立している。今の目標は後輩薬剤師の希望となれるよう、常に新しいことにチャレンジし続けること。

処方箋を持たずに薬局へ相談に来てもらうためには?

健康サポート薬局やかかりつけ薬剤師など、近年薬局薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しています。しかし、地域の方々の「薬局は処方箋を持って行く場所」という認識はなかなか変わらないのが実情ではないでしょうか。サンプラザ薬局では「地域の方々の一番身近な医療人」となるべく2007年から健康フェアを開催し積極的に地域活動を行ってきました。
小学校での薬剤師講演活動も、「薬局」・「薬剤師」の未来を変える啓蒙活動の一つだと思っています。子どもたちにはまだ薬局という場所や、薬剤師という職種に対する固定観念がありません。薬剤師という職種を知ってもらうとともに、「体調や薬について気軽に相談できる人だ」という認識を持ってもらうきっかけになれば嬉しいですね。

警察官と薬剤師で異なる「薬物乱用防止」

1993年より代表者が学校薬剤師として小学校2校を担当し、水質や空気の検査、保健教諭へのアドバイス等を行っています。2011年、直接子供たちとお話する場が欲しいと校長先生に相談し、1回目の薬剤師講演が実現しました。対象は小学5年生、「自分自身を大切に〜たばこの害と健康〜」というテーマで講演を行いました。その後は、毎年1回薬剤師講演をさせていただいています。
近年は学校側からの要請で「薬物乱用防止」をテーマにしています。以前警察官が行っていた薬物乱用防止の講演では「逮捕事態」や「攪乱状況の使用者の映像」など使用後の話が主であったとお聞きしました。私たちが薬物乱用のお話をする際は薬剤師としての視点を大切にし、薬の種類や飲み方、「薬」と「麻薬」の相違など、「医薬品の適正使用」と合わせて講演することで、子どもたち自身がなぜダメなのかを考え、判断できる時間となるよう心がけています。

薬剤師は街の科学者!実験を通して小学生に伝える

講演だけでは印象に残らないので、必ず実験を取り入れています。例えば、「ペタペタ実験」。「薬は多めの水で飲みましょう」の理由を、カプセルが少量の水をつけた手にはくっつくが、たくさんの水をつけた手にはくっつかないことを実際に体験してもらいます。これが喉で起こると……と説明すると、想像しやすいですよね。
年代や学校によって、子供たちの雰囲気や反応は様々です。「実験が面白かった!」という感想をはじめ、「おばあちゃんが薬を飲むときに教えてあげたい」、「薬剤師の仕事に興味が出た」という嬉しい反応もあります。

こんな風に講演しています!

毎年社内で薬剤師講演活動の希望者を募り、1講演5〜6名で担当。メイン講演者1名、実験時の小グループ担当者4〜5名。10年以上のベテランから1年目の薬剤師まで、経験問わず参加。

薬剤師講演は大変!?

講演を行うにはもちろん事前準備が必要です。その大変さを想像して、一歩が踏み出せない薬剤師さんもいらっしゃるのではないでしょうか? 最近は薬剤師会など様々な団体から、講演用にダウンロードできる教材が多数出ているので、是非活用してみてください。自分自身の勉強になることもたくさんありますし、実際に講演を終えた後にはきっと「次はどんな講演にしようかな」と考えているはずです。
私は薬剤師講演に、大変さの何倍も楽しさや面白さを感じています。子供たちの素直な反応はやりがいにつながり、更には新しい発見やアイデアにつながります。あなたも「薬局」・「薬剤師」の未来を変える活動にチャレンジしてみませんか?

サンプラザ薬局グループ
サンプラザ薬局グループ

大阪・京都に26店舗展開する薬局グループ。薬剤師講演活動やサンプラザ健康フェアの開催など、地域貢献活動を積極的に推進。海外薬学視察研修、月1回の社内勉強会、学術大会発表など、薬剤師の「チャレンジしたい」を最大限にバックアップ。社内に設置された4つの学術委員会「薬剤業務支援」、「ICT活用」、「教育・育成」、「セルフケア・地域活動」を通し、現場の薬剤師のアイデアを多く採用。薬剤師一人一人の夢や目標を叶えられる環境整備に注力している。