薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

黒川眞妃子先生の薬膳レシピ 13 しっとり潤い肌レシピ…蓮根饅頭 キノコあん

材料
蓮根・100g、豆腐・150g、鶏ミンチ・150g、酒・小2、生姜汁・小1、塩、胡椒・少々、片栗粉・大2
あん:出汁・400㏄、酒・大1、醤油・小1、塩・少々
刻み大葉・4枚分、タタキ梅・1個分、水溶き片栗粉・適量
作り方
  • 豆腐は水切りをしてつぶしておく。蓮根は1/2はすりおろして残りは細かく刻む。
  • ボウルに鶏ミンチ、蓮根、豆腐、酒、塩、胡椒、生姜汁、片栗粉を加えて滑らかになるまで練る。
  • 2を4等分してラップで巾着に包み、蒸気の上がった蒸し器で8〜10分ほど蒸す。
  • あんの材料を沸かしてキノコを加え、キノコが煮えたら水溶き片栗粉でトロミをつける。
  • 3を器に盛り、4のあんをかけて大葉、梅を添える。
効能
体に潤いを与える蓮根と豆腐を合わせてしっとりした肌作りに役立つ一品です。

「肌養生」

美しい肌のご婦人を見かけると、何を召し上がっていらっしゃいますか?とお訪ねしています。
肌は「内臓の鏡」と言われるように体の中が健康であると精神状態も安定し、肌の状態はよく表情も生き生きと輝いています。私達の食べたものは消化器系の働きで栄養物質に変えられて全身を巡り、体内五臓を滋養し、その働きを支えています。中医学での五臓「肝・心・脾・肺・腎」は現代医学の内臓と同じ名前ですが、解剖的な意味合いだけではなくその働きや機能も含まれます。

「肝」は気血の運行をスムーズにし、貯蔵した血液を必要に応じて至るところに配っています。その働きが弱ると顔色は青白くなり、目の周辺は暗くなります。
「心」は血液を全身に送り込むポンプの働きがあり、精神を主り「こころ」とも関係しています。この働きが弱まると血液代謝が悪くなり顔色は蒼白で艶がなくなります。
「脾」は食べものを消化吸収し栄養や血液に変えて各臓腑や組織器官に運んでいます。この働きが弱まると顔色は黄色っぽく、浮腫みなども現れます。
「肺」は肌のバリア機能と肌表面に栄養を持ち上げていて肌に最も影響を与える臓器です。この働きが弱まると肌はバリア機能と潤いを失いカサカサしてきます。
「腎」は泌尿器系の機能だけでなく生殖や発育を主り、老化のプロセスに関わる重要な器官です。この働きが弱まると老化のスピードは速まり、シミやシワが増えてきます。

また中医学では人の感情の「怒る」「喜ぶ」「驚く」「思う」「憂う」「悲しむ」「恐れる」を七情と呼んでいます。
この感情は顔の皮膚にも影響を与え、例えば嬉しいときは顔の皮膚はリラックスし、怒っているときは顔の筋肉は強ばって血行が悪くなります。この7つの感情はそれぞれに五臓と結びついていると言われ、激しい怒りは肝を傷め、過剰な喜びは心、強い思慮は脾、深い悲しみや憂いは肺、極度の恐怖や驚きは腎を傷めてしまいます。五臓が傷むと体のバランスが崩れて体内の「気」、「血」、「津液」の流れを妨げ、皮膚の隅々まで栄養が行き届かずに美しい肌が保てなくなります。

体表にある肌は敏感に気候の変化の影響も受けてしまいます。特に秋は乾燥した空気が流れて体内の水分を消耗しやすく、肺や呼吸器の潤いが不足すると肌は乾燥してカサカサしてきたり痒みなどのトラブルが表れやすくなります。

肌の乾燥には梨、蜂蜜、白木耳、百合根、長芋、蓮根、チーズ、豆腐などがいいでしょう。
肌に痒みが出たなら血液不足かも知れません。法蓮草、人参、ベリー類、豚足、レバーなどをお食事に摂りいれて下さいね。美しい肌は体の健康、正常な情志、自然との調和から生まれます。この秋は体の中も意識しながら美肌作りに取り組んで下さいね。

黒川 眞妃子氏プロフィール
黒川 眞妃子 氏

経歴

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店 薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。 食べることは生きること・・・食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

資格

国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターSecond Grade

執筆

大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報

TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

薬膳セミナー