第1回 株式会社イーグレット 代表取締役/すみれ薬局薬剤師
飯田 好昭さん(島根県)
1997年 星薬科大学卒業
2014年2月 開業
- POINT
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- ・人との向き合い方、接し方にも変化あり。
- ・過疎地の深刻な人口減が経営に影響。自ら考え工夫していくことが大事。
- ・自分の将来像をきちんとイメージしたうえでの独立を!
開局されて何年経ちましたか?
開局して丸5 年で、6 年目に入りました。振り返れば、右も左も分からずがむしゃらに仕事をしてきた5 年でした。これからはもっと広い 視野でいろんなことを積極的にやっていきたいと思っています。 今はトライアルで電子お薬手帳を導入していて、お子様の風邪で来局される若い親御さんを中心に、「こんなことができますよ」という有用性を案内しています。新しいことにトライしてみることで何かしら結果が出て、その結果次第でまた違うことをするのか、継続していくのかを考えていこうかなと思っています。
薬局運営自体は順調ですか?
一言で言えば順風満帆ではありません。1つは、2 回あった報酬改定が、私のような田舎の個人薬局にとっては厳しい改定だったと思っています。もう1つは、患者数の減り方……特にこの地域(島根県)に関しては人口減が経営に直撃しますね。ただ、このような状況の中でもまったくやっていけないというわけではないので、自分なりに考え、工夫していくことで道が開けると思っています。田舎である分、競争が少ないということは1つのメリットだと思っています。
改めて開局の経緯と、新しい土地で開局することや生活することについて不安があったかどうかを教えてください。
子供を育てる環境を考えたのと、妻の出身が島根ということもあってこの土地での開局を決めました。新しい土地で生活することに不安は全く無かったですね。前職で全国いろんなところに行ったのですが、どこもそれほど変わらないと感じていました。住めば都とはよく言ったものですね。ただ、新規開局することに対しての不安はかなりありました。
私はフランチャイズ制度を利用しての独立でしたので、多くのサポートを頂きながらの開局でしたが、まったくの1 人での開局となるとかなり大変だったのではないかと想像します。
飯田さんはYOIKOホールディングスのフランチャイズ制度を利用しての独立開局ですが、フランチャイズ制度を利用して良かった点はどんなところですか?
良かった点の1つは、フランチャイズ制度でなければ薬局経営のノウハウを得ることが難しかったということ。それから、経理関係は非常に手間がかかる部分なのですが、それを本部で一括して行っていただけるというのは非常に有難いです。その中でもレセコン、レジ、日報に連動した仕組みがあることでお金のやりとりにおいてのミスが少なく、非常に助かっています。
確かに経理関係の業務は意外とボリュームが多いので、それが軽減できるというのはメリットですよね。
そうですね。その管理を自分で行っていたらかなり大変だったと思います。お願いする税理士さんまたは会計士さんが薬局業務や医療業界に精通していたら良いですけど、そうでない方だったら難しいかもしれないですね。そこをYOIKOホールディングスに一括して行っていただいているので、負担は全然ありません。
あと、申請書関係もアドバイスをもらったり委託して行ってもらったりすることが多いです。社会保険、税金関係、厚生局への届出などもお願いしてやってもらったり、アドバイスをもらって作ったりということができるので、非常に楽ですね。1から全部1 人でやろうと思うと必ず何か抜けますから。
元々は動物薬の企業に勤務。そこから薬局経営者にシフトされたとのことでしたが、調剤経験が無い中での独立に不安はありましたか?
調剤に関しては、確かに不安はありました。ただ、ホールディングスに属する内科クリニックの門前薬局2 店舗で5 ヶ月間研修を行い、そこで調剤に関してある程度の不安を取り除くことができました。実際独立してから分からないことは、研修時に指導してくださった先輩薬剤師さんや地域の研修会で顔見知りになった薬剤師さんなどに話を聞いて解決しています。
とはいえ、調剤経験が少ない中で、実際に薬局がオープンしてから運営される上で難しいことや困ることは無かったのでしょうか?
どうでしょう……。総合病院などの前ならまた話が違ったのかもしれませんが、内科クリニックの処方せんを主に受けていることもあり、一般的な薬剤師としての知識があれば患者様へ服薬指導することができました。ただ最近は糖尿病やがんの患者様など専門性が必要な患者様が増えているので、専門的な知識をもっともっと勉強していかないといけないと思っています。
飯田さんの中で「独立して良かったな」と思うことは?
定年が無いことですね。独立を考えたきっかけは2 人目の子供ができたときに、この子が将来社会人になるまでにあと何年必要かということを考えたら、サラリーマンのような定年制がある状態だと将来がちょっと見えづらかったので、定年の無い仕事を選びたいがために独立という道を選びました。将来的な自分の目標があっての独立でスタートしてまだ間もない、ゴール地点でもなんでもないですから、「良かった」という表現ではなくて、これからもっと良いようにしていかないといけないなと思っています。
途中途中で「独立して良かった」と思えたことは?
う~ん……サラリーマン時代のような人間関係のストレスは格段に減りました。あと、患者様と接する際の意識が変わりました。薬剤師としての1つの仕事ではなくて、自分の将来を考えた接し方……言い方を変えればまた来局していただけるような接し方を意識するようになり、結果として他病院やクリニックの処方せんを持ってきていただけたり、患者様によってはご家族やご友人などに紹介していただけたりするようになりました。そういう、人に対する接し方は今まで以上に変わったと感じますね。患者様だけではなくドクターや薬局に出入りする方、そして家族に対してもそうですね。「かかりつけ」という意味合いでは、独立した方がより実感できる部分なんじゃないでしょうか。
前職と今を比べて収入、時間、責任、やりがいなど……はどう変わりましたか?
独立したことにより、収入は増えました。当たり前ですが、収入と仕事をする時間及び仕事に対しての責任は比例するように思います。
また収入が増えたことで、自分のモチベーションが高まり、それが仕事に対しても良い方向に作用していると感じています。休みはサラリーマン時代のようにきっちりと土日週休2日ではありませんが、上手に時間を使ってそれなりに家族と接することができるようになった気がします。限られた休みをいかに有効に使うかということもより考えるようになりました。
業務量的な変化はありましたか?
仕事の量は、全てを自分で行うのであればかなりの仕事量になると思いますけど、経理面などは自分はやっていないので、勤務薬剤師や管理薬剤師とさほど変わらないんじゃないかと思いますね。全部1人でやろうとすると、かなり業務量は増えると思います。
あとは処方せん枚数に比例するかもしれませんね。
独立するために必要と感じることはありますか?
「自分の将来像をどうイメージしているか」ということだと思います。独立はゴールではなく過程でしかないので。自分が将来何をしたいかということの1つの選択肢に独立があると思った方が良いのではないかと思います。独立しても会社として成り立たないというケースも当然あり得ますしね。
60歳、70歳の自分をイメージした上で独立することが良いのか悪いのか、とか。そういう判断の方が良いんじゃないかと思います。家族がいれば当然、家族に対してきちんとした説明も必要で、理解も得られなければいけないと思います。その時に、ただ独立したい……と言うだけでは納得は得にくいのではないでしょうか。
独立すると決められたとき、奥様の反対はありましたか?
無かったと思いますよ。失敗したらどうするのか、などネガティブなことを言われることは無かったですね。そういうことを言われるとしたら、奥さんに対して「独立したらこうなるよ」って夢を見せられていないということですよね。だから不安が勝って、リスクの方が多いように感じてしまうのだと思います。
飯田さんの次の目標は何でしょうか?
1つは、地域的に高齢者が多いので、在宅医療については積極的にやらなくちゃいけないと思っています。あとはこの田舎の中で、70歳までずっと仕事ができる環境があるかどうかということが不安なので、次の出店も考えながらやっていこうと思います。ただ、無理に進めてもあまり良いことがないので、きちんとご縁があるときにすぐに実行できる体制を整えていきたいと思います。
独立を目指す薬剤師さんへメッセージをお願いします。
何を最終的な目標にするのかを考えた上できちんと独立してほしいなと思いますね。安易に独立できるからしようではなく、自分の目標なり夢なりを持った中で独立してほしいと思います。それこそ実際に独立した人に直接話を聞くのが一番良いと思いますよ。ユニヴの担当者さんへご相談すれば、ご紹介していただけるのではないでしょうか。
正直、今までのように独立することでお金を沢山得るということはちょっと厳しくなっていると思います。そうではない部分で自分の生き方を見つけること、その1つの選択肢として独立があるのかなと感じます。
独立をお考えの薬剤師さん
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