- 材料(4人分)
- ほうれん草:150g、人参:80g、黒木耳(乾燥):5g、戻しクコの実:大匙2、すり黒ごま:小匙1、イカ・1杯
- 【A】
●すり生姜:小匙1と1/2 - ●砂糖:小匙1と1/2
- ●酢:大匙1と1/2
- ●醤油:大匙2/3
- ●みりん:大匙2/3
- ●ごま油:小匙2
- ●塩:少々
- 作り方
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- ほうれん草はサッと茹でて水に落とし、軽く絞って3㎝に切る。人参は3㎝の細切りにしてサッと茹でて水気を切る。黒木耳は湯で戻して細切りにする。イカはワタを除いて開き、サッと茹でて3㎝の細切りにする。
- ボウルに【A】を合わせて混ぜ、1.の材料とクコの実を加えてザクっと和える。
- 2.を皿に盛ってすり黒ごまをふる。
- 効能
- 血液を補うほうれん草、人参や黒ごま、肝腎に栄養を与えるイカ、クコの実を合わせた目に嬉しい一品です。
「眼精疲労」
眼精疲労は「疲れ目」から進展したものです。
光が眩しく目がチカチカする、目の奥が痛い、目が乾いて白目が赤くなったり目頭が切れたりする、目がかすんで小さな字が見えにくいなどの目の症状以外にも、肩こり、頭痛、首の痛み、全身のだるさ、吐き気など、目以外の別の部位にも影響が現れて充分な睡眠をとっても回復せずに症状が残る状態を言います。
中医学の考え方では、目は肝に開窮し、肝血(肝が貯蔵する血液)により目は養われるため、眼精疲労は「肝労」とも言われています。
眼精疲労の原因は長時間のパソコン作業、スマホやゲームなどで目を使いすぎて肝血を消耗し、目が栄養されなくなる。長期のストレスや緊張で肝の疏泄機能が鬱滞し血流が悪くなり目に栄養が運ばれなくなる。慢性的過労、不規則な生活、老化などで体に必要な水分が不足し、目に潤いが行かず渇いてしまうなどさまざまです。
ちょっとした疲れ目なら休息や睡眠で回復しますが、慢性的に症状が出ていたり、治ってもまた繰り返したりする場合は食事面からの体内サポートも必要です。
薬膳を組み立てるときはそれぞれの症状別にタイプ分けし、そのタイプに合わせて必要な食材を選び出します。
目の疲れ、かすみ、乾き、光が眩しい、瞼が痙攣する、爪が割れやすい、指先が震える、舌質がやや淡白なら「肝血虚」タイプです。ほうれん草、小松菜、人参、金針菜、ベリー類、黒木耳、ひじき、牛赤身肉、レバー、イカ、牡蠣などで肝血を補い目に栄養を与えましょう。
目の疲れ、乾燥、目の奥の痛み、憂鬱感、情緒不安、ため息、肩こり、偏頭痛、便が細い、吐き気があるなら「肝鬱気滞」タイプです。柑橘類、三つ葉、春菊、しそ、ミョウガ、ミント、ジャスミン、カモミール、薔薇花茶など香りの良い食材で気の流れをスムーズにして血液を目に運んであげましょう。
目の疲れ、視力の低下、ドライアイ、めまい、耳鳴り、足のほてり、腰痛、寝汗、喉が渇く、舌質が赤く乾いているなら「肝腎陰虚」タイプです。黒豆、黒ごま、ひじき、牡蠣、イカ、ホタテ、山芋などのネバネバ食材などで肝腎に栄養を与えて目に血液を届けてあげましょう。
目が疲れたらすぐに休息を取り、目頭と鼻の付け根の骨の間「睛明」、眉毛内側の少し窪んだところの「攅竹」、瞳の中心の下で骨の縁にあるくぼみの「承泣」のツボを指の腹で刺激したり、眉毛の内側から外側にかけて7、8回マッサージするように撫でたりするのも効果的です。眼精疲労の回復には質の良い睡眠も必要です。睡眠時間の短い方はライフスタイルも見直して疲れを溜めないように心がけましょう。
経歴
おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店 薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。
食べることは生きること……食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。
資格
国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターSecond Grade
執筆
大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。
メディア情報
TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日