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黒川眞妃子先生の薬膳レシピ 18 黒米と甘栗の中華おこわ

材料(4人分)
粳米・1合、餅米・1/2合、黒米・1/2合、出汁・2カップ、甘栗・100g、干しエビ・大さじ3、薄揚げ・1枚、椎茸・4枚、人参・1/3本、生姜・1カケ

【A】
●酒・大さじ1
●オイスターソース・大1
●砂糖・小さじ1
●塩・少々
●ごま油・大さじ1
●戻しクコの実・少々
作り方
  • 米は水洗いをしてザルに上げる。薄揚げ、生姜はみじん切りにする。椎茸は1㎝角に切る。人参は2㎝程の細切りにする。
  • 熱したフライパンにごま油を加え生姜、人参、椎茸、干しエビを軽く炒め出汁、薄揚げ、A を加えてひと煮たちしたら冷ましておく。
  • 炊飯器に米と2.の汁を加えて2合のメモリに足らなければ水を加え、次に2.の具、栗を加えて普通に炊く。
  • 3.が炊き上がったら等分し、ラップに包んで茶巾に丸め、器に並べてクコの実を添える。
効能
気を補う餅米や椎茸、腎を補う海老や栗、温性の生姜を合わせた冬の体に嬉しい一品です。

「冬の薬膳養生」

暦の上では立冬(11月上旬)から立春(2月上旬)までの約3ヶ月を冬としています。

中医学では冬は諸々のものが門戸を閉ざして閉じこもる「閉蔵」の季節と言われています。

樹木は葉を枯らし土中の根にエネルギーを蓄え、動物も活動を最小限にセーブします。
また体内の五臓の働きは季節と関連していて春は肝が活発に動き、夏は心がよく働き、秋に肺気は収斂し、冬は腎がよく働きます。
補気には餅米、鶏肉、鮭、山芋、南瓜、蓮の実、干し椎茸、豆類などの食材。体を温めるには葱、生姜、韮(にら)、にんにく、胡椒、唐辛子、シナモン、グローブなどの食材。補腎には牡蠣、ホタテ、イカ、すっぽん、海老、羊肉、胡桃、枸杞子(くこし)、杜仲 (とちゅう)、黒豆、黒米、黒木耳などの食材がお勧めです。
味噌汁の具に南瓜や山芋を使ったり、黒米、黒豆入りご飯、韮と海老のワンタンスープ、鶏肉と豆類のシチューやお鍋の薬味に葱や生姜をたっぷり加えるなどして冬の食卓に少しずつでも取り入れていくことが食養生のポイントです。

生活面では早く寝て、朝は日の出を待って起き出すのが良いとされています。
寒さが入ってこないように首、手首、足首の5つの首を守りましょう。
激しいスポーツ、過度の労働でのエネルギーの消耗は出来るだけ避け、怒りの感情で気を発散させないように心穏やかに過ごすことも大切です。

中国では「冬令進補・開春打虎」ということわざがあります。これは冬の冬眠の時期に体を補えば春には虎をも打ち負かす力がつくという意味です。冬の時期は充分に蓄えて健やかな春を迎えましょう。

黒川 眞妃子氏プロフィール
黒川 眞妃子 氏

経歴

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店 薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。
食べることは生きること……食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

資格

国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターSecond Grade

執筆

大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報

TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

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