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キャリア 良い職場環境を選び、選ばれる薬剤師になるために

調剤報酬改定、新型コロナウイルス蔓延による来局患者数の減少と、1さまざまな影響から経営的に厳しさが増す薬局業界。薬剤師の採用を控えたり、1社員を絞ったりする企業も出てきています。そのため、いざ職場環境を変えようと思っても1求人数が少ない、採用面接に至ってもクリアすることが難しいという状況なってきました。
そんな中、良い職場環境を選び、一方で選ばれる薬剤師になるためにはどうすれば良いのか?
今回はそのヒントとなり得る薬剤師様の転職活動例をご紹介します!

地域密着の中小薬局まで視野を広げよう!

20代女性

  • 大手特有のめまぐるしい環境から持病を発症

    私は研修が充実していて経営が安定していそうという理由から、全国展開する大手調剤チェーンに新卒入社しました。入社後は、店舗配属までの2 ヶ月間みっちりと研修を受け、配属後も数ヶ月に一度は同期で集まって医薬品知識などを学ぶ機会もあり、イメージ通り、安心できる環境でした。

    店舗での実務を重ねるうちに自信も付き、半年後には新たな店舗に配属されました。
    そこは複数の医療機関が集まる医療ビル併設の大型店舗でした。長い営業時間の中で多様な科目の処方せんを扱っており、最初は貴重な経験が積めると意気込んでいた私でしたが、慣れない環境から徐々に身体に不調を感じるようになっていきました。

    ある日物凄い腹痛に襲われ病院へ行くと、胃腸に炎症が見つかり、なんと即入院……。当面の休職を余儀なくされてしまいました。
    慢性の疾患を発症してしまったようで、医師からは、今後はなるべく過労やストレスを避けた方が良いと言われました。
    数ヶ月後に退院して仕事復帰し上司に相談したところ、クリニック門前の店舗へ配属に。処方せんの来るタイミングがある程度掴めたので、無理なく勤務できました。

    ところが仕事に慣れてきた私を見て、再び多忙と噂の店舗へ異動の打診が……。見た目は元気なので慢性疾患と認識されにくいのか、医師からの忠告もあまり理解してもらえず、不安に感じた私は転職を決意しました。

  • 持病を抱えながらの転職活動

    転職コーディネーターさんに話を聞いたところ、大手調剤チェーンは店舗展開を加速しており、会社によっては人の入れ替わりが激しく、異動も頻繁に発生するとのことでした。確かに私がいた会社も、思い当たる節がありました。大手は経営の安定性と成長面、恵まれた教育環境面では大いにメリットがありますが、その前に身体が壊れてしまっては意味がありません。
    そこで持病のある私でも無理なく働けるよう、地域密着の中小企業も視野に入れることを勧められました。ただ、私には中小の薬局企業についての知識が皆無でした。数ある中でぴったりの企業が見つかるのか、そもそも持病のことを理解してもらえるのか、そしてやはり経営の安定性に対する懸念もありました。

    そんな中、コーディネーターさんからいくつか地域密着の中小薬局企業を紹介してもらいました。中小の規模でも、かかりつけ薬剤師や在宅調剤に力を入れ地域に貢献している企業は、実は経営も堅実で、簡単にM&A の煽りを受けることはないとのことでした。その言葉に安心し、紹介された中で気になった2つの薬局の面接を受けることにしました。
    そのうち一方は在宅調剤に強く、研修体制や設備が整っていたり在宅専門の拠点があったりと、大手にも劣らない印象でした。
    また私の持病についても理解してくださり、まずは比較的処方せん枚数の落ち着いている店舗でじっくり勤務してみては? とご提案いただきました。在宅業務についても体調に無理のない範囲でと配慮してくださり、ここなら安心して働けると感じ、お世話になることに決めました。

    これまでの大手志向のまま一人で転職活動をしていたら、このように持病に理解を示してくださる企業には出会えなかったと思います。中小規模の企業まで視野を広げてみると、温かく柔軟に受け入れてくれる環境が見つかるのだと感じました。

添削を受けながら、履歴書・職務経歴書をブラッシュアップ!

30代女性

  • ネガティブな退職理由をポジティブに

    私は新卒で入った会社から、自宅近くの病院門前薬局に転職しました。祖母の介護が必要な中両親は共働きで忙しいため、少しでも早く帰宅して家事を手伝えるよう、大幅な通勤時間の短縮を狙っての転職でした。

    転職先では私が一番年下で、同年代がもう1人、その上は40代、50代とスタッフの年齢層がさまざまでした。最初は丁寧に業務を教えてくれて、皆さん優しい先輩方という印象でした。しかし慣れていくうちに私に対しての接し方も雑になり、ある先輩からは半ば命令のように仕事を押し付けられるようになってしまいました。他のスタッフや薬局長に相談しても、「あの人はいつもああだから……」と相手にされず、また他の店舗は近くになかったため、異動という選択肢もありませんでした。高圧的な先輩の対応と、助けを求められない環境から精神的な辛さが募り、再度転職することにしました。

    紹介会社さんから近隣地域で複数店舗展開している薬局を紹介してもらい、面接を受けることにしました。履歴書と職務経歴書の提出も求められましたが、職務経歴書を書くのは初めてだったため、転職コーディネーターさんに添削をお願いしました。
    まず自分なりに作った経歴書を見てもらったところ、退職理由の表現を少し変えた方がいいとアドバイスを頂きました。「先輩が高圧的で……」とネガティブな理由に焦点を当ててしまっていたため、精神的に弱い人間だと思われてしまう懸念がある、とのことでした。
    そこで改めて薬局内の人間関係を振り返ると、年齢層がバラバラだからか会話が少なく、またスタッフ間でも連絡の行き違いが起こることがあり、やりにくさを感じていたことを思い出しました。昨年の「0402通知」を受け、今後は薬剤師だけでなく事務員さんとも力を合わせていかなければならないと思っていたので、その点でも前職場では不安がありました。面接を受ける予定だった薬局は、週次のミーティングやスタッフ間の定期的な交流会もあると聞いていたため、「より周りの人と連携してチームワークを大切にできる環境で仕事がしたいから」と退職理由の表現を変えました。

  • その企業ならではの志望動機を

    あわせて履歴書の添削もお願いしました。自己PRや志望動機に関して、「その薬局ならではの特徴も盛り込むと良い」とアドバイスを頂きました。私は自分の強みとして、「慎重に物事を考えてから行動する」ことを挙げていましたが、それだけではどこの企業でも通用してしまい、本当にその薬局で働きたいのかが見えてこないとのことでした。
    そこで、その企業に関してコーディネーターさんから得た情報や、ホームページを改めて確認し、傾聴力を大切にしているという企業理念や健康相談会の取り組みに着目しました。私の慎重さの背景には、しっかり頷きつつメモを取りながら人の話を聴くという心掛けがあるので、その傾聴力を活かして「地域の患者さまの健康のお悩みに寄り添いたい」という文言を自己PRに追記しました。

    添削していただいた履歴書と職務経歴書で面接に臨んだところ、面接官との話が弾み、また退職理由にも共感してくださり、無事内定を頂くことができました。
    書類を添削していただいたおかげで、安心して面接当日を迎えられました。今回の転職活動を通して、言葉や表現の工夫次第で相手の捉え方をポジティブに変えることができると勉強になり、それは日々の患者さまとのコミュニケーションにも活きています。

面接当日の対策も抜かりなく!

20代男性

  • 初めての転職活動

    学生時代は国家試験の勉強や卒業研究などに追われていたため、正直あまり就職活動に時間をかけることができず、第一印象でいいなと感じた地元の調剤薬局に早期に就職を決めてしまいました。
    薬剤師として特に何がしたい、というビジョンが明確では無かったのも理由の一つかもしれません。
    しかし、薬剤師として働くうちに、未病の観点から患者さまの健康に寄り添いたいと思うようになりました。一方でその想いとは裏腹に、処方せんを捌くことに注力してしまっている現場の忙しさにフラストレーションを感じていました。上司に相談してもなかなか改善されないことから、転職を決意しました。

    企業研究や面接対策はあまりしたことがなく、転職活動をどう進めようかと悩んでいたところ、薬剤師専門の転職支援サービスがあることを知りました。そこでは、面談での希望内容のヒアリングから面接の同行サポート、入社に至るまでしっかり支援してくれるということで、これなら安心だと思い早速登録しました。コーディネーターさんが早速面談の日程調整をしてくださり、これまでの勤務内容や転職を考えた経緯、希望事項を細かくヒアリングしてもらいました。

    その後、面談での話をもとに何件か求人を紹介していただきました。その中にOTC販売にも力を入れている地元密着の調剤チェーンがあり、とても興味が湧きました。ホームページも見ながら、コーディネーターさんからも話を伺い、何としてもこの会社に入りたい! と思うようになりました。ただ新卒のときのように単純に考えてはいけないので、他に気になる企業と併願する形で選考を受けることにしました

    第一志望の企業に何としても転職したい、でも面接は一発勝負です。気持ちが高まると同時にプレッシャーを感じる心境をコーディネーターさんも汲み取ってくださり、「内定を一緒に勝ち取りましょう!」と言ってくれたのは、今振り返ると心強かったです。

  • 一発勝負の面接をクリアするために

    第一志望の面接当日、コーディネーターさんが同席してくれるだけでも有り難かったのですが、1時間以上前に待ち合わせをして、面接対策の時間を取ってくださることに。コーディネーターさんもよくご存じの企業だったようで、採用担当の方のお人柄や店舗の雰囲気、また実際の面接の流れなどを前情報として詳しく教えてくれました。
    また加えて、志望動機や転職理由など、面接時に想定される質問事項の再確認をしていただきました。このとき特に助かったのは、先方から「何か質問はありますか?」と聞かれたときの対処についてでした。これは、自分のことを話す準備で精一杯だった私には盲点でした。
    事前にいくつか質問事項を用意しておくことで、その会社に対して興味を抱いているという印象を与えられるので、大事なことです。もともと気になっていた、店頭におかれるOTC商品のラインナップの決め方やホームページで見つけた健康相談会の詳細や頻度など、聞きたいことを事前にメモしておきました。

    そして迎えた面接本番。少々緊張はしましたが、事前の打ち合わせのおかげで気持ちにある程度余裕が生まれ、想定通りの話と質問ができました。採用担当の方も気さくなお人柄だと聞いていたので、最初から構えず自然に楽しい会話ができたと思います。
    そして結果はその場で内定! 嬉しくて、思わずガッツポーズしてしまいました(笑) 後日改めて書面で雇用条件を確認し、入社を決めました。面接当日まで本当に不安だったので、いろいろと相談に乗ってくださり、直前まで一緒に対策をしてくださったコーディネーターさんに感謝です!

これらはほんの一例です。求人の探し方や面接対策は、人それぞれに合った方法があります。
職場環境を変えたい薬剤師の方、厳しさの増す転職市場を乗り切るために、コーディネーターの力も借りながら、ご自身なりのヒントを見つけてみてください!

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