神戸や大阪のベッドタウンで、南部は瀬戸内海に面している穏やかなエリア。
恵まれた海の幸はもちろん、実は源氏物語の主人公、光源氏が須磨・明石へと流れた際明石の君と出逢った場所としても有名。
市民の憩いの場、大蔵海岸は明石海峡大橋を望む絶景スポット!
のんびり散歩やピクニックをするもよし、ランニングで汗を流すもよし。
夏は海水浴も楽しめるので、外出自粛が落ち着いたらおでかけスポットの候補にいかがだろう?
子午線が通る兵庫県明石市。かつて国際的な本初子午線(経度0度0分0秒の基準子午線)を擁する基準地点が英国のグリニッジと定められ、そこから15度離れるごとに1時間ずつ時差が生じることになっているのはご存知のとおり。日本標準時の制定は1886年。東経135度子午線が通る市は明石を含め兵庫県内だけでも9市、京都に2市、和歌山にも1市あるが、中でも明石市は教科書に掲載されるほど有名だ。
明石市立天文科学館の塔時計は東経135度の線上に建ち、日本標準時子午線を示す標柱の役割もある。グリニッジより9時間進んでいて、この線上に太陽が揃うと、全国一斉に午後0時(正午)となり真南に太陽が見える。
市内には子午線が通過するところに、モニュメントや標識、看板が設置されている。天文科学館4階の日時計広場や科学館を出たところにあるトンボの標識、マンホールの蓋に交番、さらに山陽電鉄の人丸前駅のホームにも子午線のサインがある。ちょっとした子午線の聖地巡礼ができそうで、一部のマニアにはたまらないだろう。
世界最大の吊橋、明石海峡大橋は約10年の歳月をかけて1998年に完成した。橋自体は隣町の神戸市と淡路島を結んでいるが、明石海峡を横断しているので明石・神戸を代表するランドマークであり、両市民からとても親しまれている。
明石の海は“天然のいけす”と言われ、明石海峡と瀬戸内海が育む海の幸が豊富で、特に明石鯛と明石だこは全国的にも有名だ。
この海域の海底には起伏があり、プランクトンやエビ・カニ、貝類など良質なエサも豊富で激しい潮流に揉まれて育つため、明石海峡で獲れた明石鯛は身が引き締まり美味しくなる。明石だこも、弾力ある歯ごたえとうまみが特長で足が太く短く、陸でも立って歩くほどの力を持つ。ほかにも鰆、アナゴ、ゴマサバなど四季折々に魚が水揚げされている。
そんな新鮮な魚介が数多く並ぶ魚の棚商店街は地元では「うぉんたな」の愛称で親しまれ、約400年前に明石城築城とともに宮本武蔵の町割りによって作られたと伝わる商店街だ。
JR、山陽電鉄の明石駅から南に歩いて5分ほどのところにあり、お店の人の威勢のいい掛け声や賑わう人々の活気あふれる雰囲気にワクワクする。とれたての新鮮な魚介、練り製品、明石では玉子焼きと呼ばれるソウルフードの「明石焼き」のお店など約100店舗が軒を連ね、日々の買い物はもちろん、食べ歩きするのも楽しい。
年末にはアーケードに大漁旗が掲げられ、明石の冬の風物詩となっている。
暮らしやすい街というのも大きな魅力。ある企業の調査で「住みたい街ランキング2019・近畿圏」で明石市が6位にランクイン!
特に子育て支援策が充実しているため子育て世帯が増加し、市の人口は6年連続増加、出生数も3年連続増加している。
駅周辺の再開発で住環境が整備されたことに加え、JRなら神戸の三宮駅まで約15分、大阪駅まで約40分というアクセスの良さも人気のようだ。
東西約16kmにおよぶ海岸線には海水浴場やサイクリングロードがあり、平日でも散歩やランニングなど、多くの人々が楽しんでいる。
海も山も近く、公園も多い自然豊かな町。美しい青空と瀬戸内の穏やかで優しい潮風に癒されながら、ゆっくりのんびりしたくなる場所だ。
● 薬師院(ぼたん寺)
高野山真言宗の寺院、薬師院はぼたん寺と呼ばれ、毎年4月末から5月初頭にかけて50種類2000株のボタンの花々が境内を彩る。
●明石市魚住町西岡1636
●電話 078-942-0330
◎公開 9:00~17:00
● 明石城
1619年(元和5年)に初代明石藩主、小笠原忠政(後の忠真)が築いた城。
左が坤櫓(ひつじさるやぐら)、右は巽櫓(たつみやぐら)で、日本に12基しか現存しない貴重な三重櫓。坤櫓は伏見城から移築されたと伝わる、城内で最大規模の3重櫓。天守が築かれなかった明石城では天守代用として使われた。船上城から移築されたと伝わる巽櫓は1628年(寛永5年)、または1631年(寛永8年)に焼失し再建されたもの。ともに内部を一般公開している。
とき打ち太鼓や伏見城の移築城門、織田家長屋門も見どころ。
●明石市明石公園1-27
●電話 078-912-7600
◎公園内は散策自由。両櫓は特定日のみ一般公開
※詳細は、(一社)明石観光協会ホームページ(https://www.yokoso-akashi.jp/facility/2684)
● 中崎公会堂
1911(明治44)年に建築された多目的ホール。奈良・鎌倉時代の建築様式を取り入れた、明石市内最古の公共施設。国登録有形文化財にも登録されている。
●明石市相生町1丁目9-16
●電話 078-917-3100
◎開館時間 9:00〜21:00
外出自粛ムードのため、今回は明石の名産、名物グルメをお取り寄せ! まずは明石焼きの3店舗を食べ比べてみた。老舗人気店「本家きむらや」、B-1グランプリ公認の「明石夢工房」、そして五つ星ひょうごに選ばれた「明石 十三味(とみあじ)」の明石玉といったラインナップ。
冷凍で届いた商品をレンジで温めるのは共通、セットの出汁はお湯で割るタイプとストレートのものがある。
見た目は大きく変わらないのにお店によって生地の味、卵感、舌触り、出汁の風味もまったく違うことに驚く。出汁を入れ替えて食べてみると、当然だがそのお店のオリジナルが一番合っている。順位はつけがたいが、今回は爽やかな風味が出汁の塩気と相性抜群の十三味、大葉の明石玉が特に印象的だった。
生地、出汁はもちろん、全体のバランスなど十人十色で好みが分かれるので、ぜひお好みのお店を見つけていただきたい。
金楠水産の明石だこ+ディップソースのセットは明石だこのぶつぎりを解凍し、ハーブ塩を軽くつけていただく。
ハーブの香りにピリッと効いた塩がとても美味。地中海風で、ワインが似合うオシャレな味わいだ。
明石だこのみをそのまま食べてみても、身はプリップリなのにやわらかく、旨味がジュワ~ッと口いっぱいに広がる。素材の良さ、職人の技とこだわりの製法が生み出す絶品明石だこは、ぜひ味わっていただきたい一品。
日本酒や冷酒にも合うので、今回は太陽酒造の「純米大吟醸 赤石(あかし)」と一緒に。
香り華やかで、淡い黄色味を帯びた感じから濃厚と思いきや、スッキリとしたのどごしで、雑味感がなくキレがある。冷やして呑むのがおすすめ。
永楽堂の「明石ぺったん焼き」は大人の顔の2倍近くありそうなほどの大きさ! 割って頬張ると唐辛子がピリッ、後からチーズの風味と真だこの味がジワジワと広がる。あっと言う間に1枚平らげ、思わず追加注文してしまいそうなほど癖になる味。こちらはビールが最高にマッチする。
明石グルメがあれば、おうち時間が充実すること間違いなし!
長い歴史に裏打ちされた信頼。ますますの医療の充実を目指して。
社会医療法人 愛仁会 明石医療センター
技術部 薬剤科 科長
小椋 千絵さん
明石医療センターとは?
明石医療センターは、大正12年に加古川第一陸軍病院として開設され、昭和26年に国立明石病院に名称変更されました。平成13年3月に明石市医師会に移譲され、社団法人明石市医師会立明石医療センターとして、医師会との密接な連携の下に地域医療に貢献してきました。
平成23年4月に開設主体を医療法人社団明石医療センターに変更し、平成27年1月に社会医療法人の認定を受け、救急医療、周産期医療という公益性の高い医療を担っています。平成28年4月に社会医療法人愛仁会との法人合併を受け、社会医療法人愛仁会明石医療センターとして現在に至ります。
地域医療の中枢を担う病院の規模拡大について。
平成25年、南館の増床、消化器内視鏡センター開設、ハイブリッド手術室を含めた手術室、高機能フロア、化学療法室などの増築が行われました。また、周産期医療の充実を目指し、NICU・GCUの増床整備を行い、常にハード面の充実整備を行ってきました。医療安全や感染対策体制の確立、経カテーテル的大動脈弁置換術導入、心臓血管・不整脈センター、心臓血管低侵襲治療センター開設、手術支援ロボット(ダヴィンチ)導入等、常に先進医療を追求しています。平成31年4月には救急科が新設され、救急科専門医による救急外来を開始し、断らない救急医療を目指しています。また、入退院支援センターを充実させ、患者様が安心して治療を受けられるよう院内の多職種や地域の病診、病病連携を強化し、切れ目のない入退院を提供できるよう努力しています。
薬剤科の1日の具体的な業務内容。
薬剤科の1日は出勤者全員による朝礼から始まります。夜勤者からの申し送り、病院通達、連絡事項、DI担当者からの医薬品情報の伝達やインシデントの報告など、科員が皆で集まり情報を共有します。その後、薬剤科員はその日の担当業務に就きます。調剤室では、注射係と内服係に分かれて調剤業務を開始し、病棟薬剤師はそれぞれの受け持ちの病棟に向かいます。持参薬鑑別については、現在は持参薬センターで業務を行っていますが、今後各病棟で行うよう準備中です。
午後からはNSTやAST、ポリファーマシー、緩和などチーム活動に参加します。ASTでは専任薬剤師が注射抗菌薬や抗真菌薬を使用している全患者のカルテで投与量、投与期間をチェックし、感染症専門医、感染看護認定看護師、検査技師とのカンファレンスで使用する資料を作成しています。毎日ASTカンファレンスを行っているため、培養結果が出ると即時に狭域抗菌薬に変更されているか確認しています。担当医からの相談にもチームで対応し適切かつ迅速な感染症治療に貢献しています。
特徴的な取り組みについて。
令和2年の1月より入退院支援センターでの業務を開始しており、今後さらに拡充予定です。化学療法室での抗がん剤ミキシングや副作用チェック、患者指導なども大切な業務です。内服抗がん剤の投与のある患者様については、近隣保険薬局と連携し副作用の確認を行い、トレーシングレポートを活用し、患者様の外来受診前に多職種での情報共有が可能となっています。
周産期の患者様に対しても積極的に関わり、産婦人科医、小児科医、看護師、助産師、臨床心理士、MSWなどの多職種での周産期カンファレンスに参加し、薬剤師からは妊婦さんへの指導内容を報告し、安心な分娩、育児をフォローしています。外来時に薬物指導をすることで母乳に対する安全性評価についてもカンファレンスで情報共有をしています。担当医に対し抗MRSA薬であるバンコマイシンの初期投与量の提案や吸入デバイスの提案も行っています。
呼吸器教室や心臓リハビリテーション教室、腎臓病教室などでの患者指導においても薬剤師として活躍しています。
病院薬剤師ならではの利点と職場の雰囲気について。
病院には医師、看護師、技術系職員など他の職種の職員がいるので、速やかに他部門との連携を取りつつ薬剤師としての専門性を発揮できるということが病院薬剤師の一番の特権だと思います。カルテを見て患者様の状態をすぐに確認できることも病院薬剤師ならではの利点です。そして、内服薬や外用薬以外に注射薬、消毒薬、院内製剤など多くの種類の医薬品を取り扱います。また、当院の薬剤科は若い薬剤師が多く、経験は浅いのですが伸びしろがあり、大きく成長していると日々実感できています。同期が3~5人いる年度もあり、お互い切磋琢磨しながら働いています。
薬剤科科長としては、薬剤科内や院内で職員が安心、安全に業務が行えるように心掛けています。主任、副主任とは月に1回役職ミーティングを開催し、今後の方針の決定や問題点の把握・解決方法を話し合い、さらに毎週、短時間でも集まって決定事項が実行されているか、さらに問題点はないか確認や情報共有を密に行っています。薬剤科員がいつでも話しかけられるように、コミュニケーションを大切にしています。
病院で働く薬剤師に求められる資質や能力、明石医療センターのPRポイント。
薬剤科内や他職種の職員との良好な関係が築けるように、コミュニケーション能力やルールや内規をきっちり守る真面目さ、周りを見て自分が何をすれば良いかが判断できる人でしょうか。思いやりがあること、心身ともに健康であることも大切だと思います。
当院はなるべく定時に業務が終わるように心掛けています。また、科員が結婚・出産などを経ても長く務めることができるよう努力しています。新人教育も充実しており、2020年度は教育担当者の指導のもと、新2年生が1年生(当院では1年目薬剤師を1年生、2年目を2年生と呼びます)のプリセプターとなり丁寧かつ熱心に教育しています。新2年生は自分たちが1年生のときに「このように教えてもらったら、もっと良かったのでは?」という意見を出し合い、1年生を迎えるにあたりマニュアルや資料、チェックリストなどを一生懸命準備していました。また、薬剤師各々がテーマを決め1年生向けの勉強会を開催し、1年生にとっても教える本人にとってもレベルアップの機会となっています。
今後注力していきたいこと。
入退院支援センターでの薬剤師業務の充実、HCUやICU、病棟への薬剤師の常駐、周術期への関わりをより密にしていきたいと思っています。また、明石地区の病院薬剤師や保険薬剤師との連携もさらに進めていきたいです。
●取材協力 / 社会医療法人 愛仁会 明石医療センター
明石市大久保町八木743-33
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