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黒川眞妃子先生の薬膳レシピ 21 乾いた咳に……豆乳杏仁・白木耳とゆり根のシロップ

材料(4人分)
●豆乳杏仁
豆乳・400㏄/杏仁粉・30g/グラニュー糖・大さじ2/生クリーム・大さじ2

【A】
粉ゼラチン・8g/水・大さじ2

●白木耳シロップ
乾燥白木耳・8g/グラニュー糖・大さじ2 /水・400㏄/百合根・1個/クコの実・少々/ミント・少々
作り方
  • 白木耳は小さく砕き水に浸けて戻して20分ほど茹でておく。クコの実は水で戻しておく。百合根はほぐして洗っておく。Aは混ぜておく。
  • 白木耳シロップ。鍋に白木耳と水400㏄を入れて火にかけ、沸騰したらグラニュー糖を加え弱火で20分ほど煮て百合根を加え、百合根が柔らかくなったら火を止めて少し冷ましてから冷蔵庫で冷やす。
  • 鍋に杏仁粉、グラニュー糖を入れて混ぜ合わせてから豆乳を少しずつ加えて混ぜ溶かす。
  • 3.を弱火にかけ、沸騰する寸前に火を止めて生クリーム、A を加えてよく混ぜ溶かし、器に移して少し冷まして冷蔵庫で冷やす。
  • 4.が固まったら白木耳シロップを上からかけてクコの実、ミントを添える。
効能
咳止めの働きのある杏仁と肺を潤す白木耳や百合根を合わせ、乾いた咳に対応した一品です。

咳嗽がいそうと薬膳」

咳嗽がいそうは、肺系の疾患で肺気が逆上して起こる音は「咳」、痰を出すことは「嗽」と区別されていますが、実際は咳と痰は一緒に現れることが多くまとめて「咳嗽」と呼ばれています。
咳嗽の原因は、細菌やウイルス感染以外にも季節や臓腑機能の失調によるものなどさまざまです。薬膳を組み立てるときは、主症状の咳嗽以外にも同時に現れる随伴症から「風寒」「風熱」「風燥」「肺陰虚」「痰湿」「痰熱」「肝火」の7つのタイプに分けて考えます。

「風寒」タイプは、寒さの邪気が肺を侵して肺気が閉塞し咳が出るタイプです。
音が重い咳の他に薄白い痰、鼻水、汗は出ずにゾクゾクと寒気がするのが特徴です。生姜、白ネギ、韮、大葉、香菜をアツアツの粥やスープに取り入れ、発汗を促して風寒邪気を除きましょう。

「風熱」タイプは、暑や熱の邪気が肺を侵し、肺熱により津液が損傷され咳が出るタイプです。
激しい咳の他に黄色く粘る痰や鼻水、咽喉の痛み、口が渇くのが特徴です。びわの葉や桑の葉にハッカや菊花を合わせたお茶、大根汁に梨汁を合わせたドリンクもお勧めです。

「風燥」タイプは、秋に多く乾燥した空気により肺が乾いて咳が出るタイプです。
頻繁に出る空咳の他に皮膚や咽、唇の乾燥感、痰は少量で吐き出しにくいのが特徴です。ウーロン茶に梨皮を加えたお茶、杏仁豆腐に白木耳のトロトロ煮を合わせたデザートも良いでしょう。

「肺陰虚」タイプは、もともと陰虚体質か各種の慢性疾患で肺陰を消耗し、津液が上方を潤すことができずに咳の出るタイプです。
かすれた音の咳の他に口や咽の乾燥、午後の潮熱、頬の赤み、寝汗などが特徴です。百合根のポタージュ、豆腐にもずくやたたきオクラなどのネバネバを合わせて肺陰を補いましょう。

「痰湿」タイプは、食生活の不摂生から消化吸収力が低下し、体内に痰湿(老廃物)が溜まり肺気を塞いで咳が出るタイプです。
粘った痰の多い咳の他に食欲不振や吐き気、倦怠感、痰が出ると咳は治まり、甘いものや脂ものを食べると症状が悪化するのが特徴です。薏苡仁(よくいにん)や茯苓(ぶくりょう)粥、冬瓜のさっぱり煮、緑豆春雨とわかめのスープなどで体内の痰湿を除いてあげましょう。

「痰熱」タイプは、体内の痰湿が熱を帯びて肺を焼灼し肺気を塞いで咳の出るタイプです。
黄色く粘ばった痰が絡んだ重い咳の他に痰が生臭い、身体に熱感がある、口が渇いて水を飲みたがるのが特徴です。昆布を刻んで一晩水に浸けた昆布水、里芋汁、筍やこんにゃくの煮物、クラゲときゅうりの和えものが良いでしょう。

「肝火」タイプは、ストレスや精神刺激から肝気が鬱結して火を生じ、その影響で肺気が逆上して咳が出るタイプです。
続けざまに出る咳の他に咳こむと顔が赤くなる、胸の灼熱感、常に痰が咽に引っ掛かっている感じで吐き出しにくい、口が苦く感じる、イライラするのが特徴です。体内の火を鎮めるタンポポ茶、緑茶、菊花茶、苦瓜やセロリのお浸し、ほうれん草と金針菜の白和えなどや、気の流れる香りのすだち、グレープフルーツ、みょうが、春菊、三つ葉などを食事に取り入れてくださいね。

咳嗽は、日常でよく起こる症状で体内から発する1つのサインです。咳の特徴を受け取って上手に対処してくださいね。

黒川 眞妃子氏プロフィール
黒川 眞妃子 氏

経歴

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店 薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。
食べることは生きること……食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

資格

国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターSecond Grade

執筆

大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報

TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

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