薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

コラム 憧れの商品開発について教えてください。

学生さんや若手薬剤師さんの希望進路として人気の高い商品開発のお仕事。
一口に商品開発と言っても、具体的に薬剤師がどのように関わっているのでしょうか?
プライベートブランドを展開するアイセイ薬局のお2人にインタビューしました。

アイセイ薬局グループ

現場の薬剤師の声は商品開発にとても重要。チーム体制を整えながら、これからも薬剤師の視点がどんどん欲しい!

左:佐々木さん

新卒でドラッグストアに入社。千葉の郷土料理店で2年間調理技術を学んだ後、アイセイ薬局に中途入社。
入社時より管理栄養士として、「ヘルス・グラフィックマガジン」のレシピ考案や、女性に起こりやすい不定愁訴や生活習慣病の重症化予防をテーマに地域の方々に寄り添った健康相談を行う。2019年よりKuSuに携わる。

右:鈴木さん

化粧品メーカーで営業職や販促企画などに携わった後アイセイ薬局に中途入社。
薬局のオープン時に実施する内覧会を手掛けたり、地域の健康イベント等のサポートを行ったりしてきた。2019年に新規事業としてKuSuを立ち上げ、プロジェクトマネージャーを務める。

プライベートブランド”KuSu”が誕生するまで

「調剤薬局内で薬剤師や管理栄養士にお勧めしてもらい、自分に合った化粧品が購入できたら良いな」という思いから、テストマーケティングを開始したのがきっかけです。具体的には、待合室内にブースを設けて肌チェックを実施し、患者様の肌の状態に合わせた商品をスタッフがお勧めするといった取り組みです。約5か月間のトライアルによって見えてきたニーズなどデータを分析したうえで、PB事業の企画を立ち上げました。

当社で働く薬剤師は、患者様からお薬のことはもちろん、食事や睡眠についてのお悩みなど年間約860万件のご相談を頂きます。この知見を活かしてPB商品を企画することは”アイセイ薬局らしさ”になりますし、開発した商品は患者様・お客様の健康のサポートにも繋がると考えました。そこで、初めての商品は、現場で働く薬剤師の意見を反映させるべく全社を巻き込んだ投票で処方を決定することにしました。
商材はハンドクリーム。乾燥で悩む季節に患者様・お客様におすすめしやすいことが選ばれた主な理由です。コンセプトや使用感を変えた3つの処方案を作成し、店舗勤務の薬剤師・医療事務1,000名以上に試してもらい、投票を実施しました。

結果、たくさんの支持を得たのが現在商品化している処方です。処方決定後はその魅力が伝わるように、容器やデザインにもこだわり、2019年11月、「KuSu」第1弾商品として発売に至りました。

KuSuチームの体制について

KuSuの商品開発に携わっているメンバーは5名です。PBプロジェクトは昨年発足したばかりのため、体制を含めまだまだ地盤を固めている段階で、現在、チーム内に専任の薬剤師はいません。薬剤師が商品開発に携わる機会は、サンプル品の試用・アンケート等での開発参加、副作用等考慮すべき点の参考意見などまだ限られていますが、今後は、より深く関わってもらうことを考えています。

商品開発の場で薬剤師に期待すること

現場で働く薬剤師とさらに深くコミュニケーションを取りながら商品開発を行うことが今後の展望です。バックグラウンドがさまざまで、いろいろな知見を持っている人が多いため、「この処方なら間違いない、安心できる」という意見や、「もっとこういう成分を取り入れた方が良いよ」と専門的な目線で意見を貰えるのはとても有り難いです。エビデンス、成分についての、より詳細な情報に貪欲な姿勢も頼もしいですね。
密にコミュニケーションを取る中で新しい事業に興味を持ってもらい、いずれチームメンバーとして、新成分のリサーチや、処方案の検討、モニター調査、エビデンスの構築、出来上がった製品を各店で販売するまでの施策検討(勉強会や商品説明会)などをお任せしたいと思っています。 今後の商品開発について専門性を高めていくためにも、薬剤師の経験を積んだ専任のメンバーが必要だと思っています。

チームに選出されるために必要な素質は?

新しい商品を生み出して何かを便利にしたり、誰かが喜んだりすることを想像できる人だと思います。あとは、アイデアや自分の思いを持っていてほしいですね。その中で、今まで培ってきた薬学の知識や知見、情報収集能力はとても活きてくるのではないかと思います。
まだ始まったばかりの事業なので、チームメンバーの追加募集・社内推薦などは少し先のことになりますが、勤続年数や経験よりも、「このチームでこうしたら自分は活躍できそう」、「仲間としてやってみたい」とやる気を持ってビジョンを描ける人を歓迎したいです。「こういう商品を出してみたい」、「調剤だけではなく新しいこともやってみたい」という方と、今後何ができるかを一緒に考えていきたいと思っています。チャレンジ精神がある方をお待ちしています。

  • オンライン試飲会の様子、こちらは店舗側。どのような意見が交わされているのだろうか……?

チーム発足から間もないため、
商品開発専任の薬剤師というポジションは先の設定になりそう。
でも、調剤以外で現場での経験を活かすことができる機会があるのはワクワクしますね!
ステップアップの選択肢が広がります。

アイセイ薬局のロゴ

薬局紹介

●アイセイ薬局

アイセイ薬局は全国に370店舗以上を展開する調剤薬局として、かかりつけ薬剤師、在宅医療、地域活動、医療機関との連携など、国が進める薬局ビジョンを積極的に実現しています。これらを実施するため、薬剤師1人ひとりの成長と活躍を後押しする多用な研修制度を用意しています。そしてプライベートを充実させる福利厚生で、薬剤師1人ひとりのライフワークバランスを叶えています。
社員は笑顔で成長して、患者さまを笑顔にできる、それがアイセイ薬局です。