京都に「西陣」という名が入った住所は無く西陣とは京都を焼け野原にした応仁の乱、西軍の陣地跡に由来した名称だ。
西陣には晴明神社があり、少し北西に歩めば由緒ある銭湯、船岡温泉や人気の温泉カフェ「さらさ西陣」などレトロでお洒落な店が点在する船岡温泉街が伸び、少し足を伸ばせば金閣寺、龍安寺、仁和寺3つの世界遺産をつなぐきぬかけの路は嵐山へと続く。
黄金に光り輝く舎利殿、金閣。あまりにも有名なため、一般的に金閣寺と呼ばれているが、正しくは鹿苑寺である。
西園寺家から譲り受けた、三代将軍 足利義満が造営した山荘「北山殿」を母胎に成り立ち、金閣を中心とした庭園や建築は、極楽浄土をこの世に現わしたと言われている。
金閣の二層と三層は、漆の上から純金の箔が貼ってあり、一層は寝殿造の法水院、二層は武家造の潮音洞、三層は禅宗仏殿造の究竟頂と呼ばれ、室町時代を代表する建築の一つである。1994年(平成6年)に世界文化遺産に登録された。
参拝門を抜けるとすぐに顔を覗かせる金閣は、気分を高揚させる。一瞬にして金閣の魅力に引き込まれ、現実世界とは思えない神聖な世界に来たように思える。新緑の森の中に堂々と佇む金閣は曇り空の下でも黄金に光り輝き、見る者を圧倒させる。晴れ間になると、より一層鮮やかに光り輝いた。
永遠の命と権力の象徴である鳳凰がどの角度から見ても、屋根の中心部にあることで神鳥にふさわしい光景を見ることができる。
静かに石庭が広がる縁側に、親子やカップル、または一人で腰を下ろし見つめているのは龍安寺。皆それぞれに想いや考えを巡らせている光景が印象的だ。
東西25メートル、南北10メートルの白砂の空間に大小15個の石が配置され、「虎の子渡しの庭」や「七五三の庭」と呼ばれ、作られたのは室町時代と推定されるが、作者や、その意味も謎のままである。
水平に見える石庭は、高度な設計と演出が隠されている。
遠近法を利用し、奥に行くほど土堀を低くして見る者に実際以上の奥行きを感じさせている。
庭の裏には銭形のつくばいがひっそりと佇んでいる。四角く切り抜かれた中心を口に見立て、上の文字から右回りに読むと「吾唯足知」(われ ただ たることを しる)。
「足る事を知る人は不平不満が無く、心豊かな生活を送ることができる」。人は欲張らず、今の自分を大切にしなさい。という意味だ。
鏡容池を中心とした池泉回遊式庭園は、木々に囲まれた静かな神聖なる場所の雰囲気が漂っている。
たくさんの緑に包まれた参道はひんやりと空気が澄みわたり、マイナスイオンで満ちているのだろう、呼吸をするたびに浄化されていくようで、体の調子がとても良かった。
晴明神社は、「魔除け」「厄除け」の神社だ。
御祭神である安倍晴明公は、天皇から貴族、庶民に至るまで、悩みや苦しみを取り払うことで大きな信頼を得ていた。その信頼は、神様となって祀られた現在も変わることなく、参拝時間ギリギリまで人々が訪れていた。
一の鳥居を進むと、旧・一条戻橋がある。安倍晴明は式神を家来として扱っていたが、彼の妻が恐がらないように式神を戻橋の下に住まわせて、橋を渡る人の占いをしていたのだとか。
晴明が念力により湧出させた晴明井は、病気平癒のご利益があるとされている。
本殿まで進むと、左に優しい表情をした安倍晴明像、右には厄除桃と御神木がある。桃を撫でることで自らの厄を落とすことができるそうだ。
御神木の楠に両手でそっと触れると、大きな安心感と強い生命力が手のひらから伝わってくるよう。その大きなパワーを少し頂いた。
晴明神社は一の鳥居、二の鳥居と進んで行くにしたがい、言葉にしがたいパワーを感じる。
それはシンボルマークの五芒星と「安倍晴明」という伝説のタレント性が生む。数々の書籍や漫画、映画などで神秘的に描かれたこともかなり大きな影響を与えているだろう。
さらさ西陣。築約90年の銭湯の外観はそのままに、浴室を残して改装。店内も格天井、洗面場、浴室の壁面、男湯と女湯を隔てていた壁や湯気抜きが残り、どこの席でも楽しめる。大正ロマンのユニークで居心地のいい素敵な銭湯カフェだった。
さらさ西陣のランチは2種類で、ボリュームのある食事に定評があり、「薬味たっぷりソースの油淋鶏」は大きな油淋鶏がお腹を満たし、酸味の効いた薬味たっぷりソースが熱のこもった体に嬉しい。「豚バラ肉と旬菜の肉じゃが」は優しい味わいが野菜の味を引き立たせ、旅で疲れた体を癒してくれた。
オムレツサンドに牛すじカレー、ケーキなどの人気メニューにも思わず目移りしてしまう。
また、京都にはお取り寄せができるスイーツや、ご飯のお供も盛りだくさん! 今回は、餡専門店の最中や皇室献上品のあられなどをお取り寄せした。
満場一致で「職場の雰囲気が良い」!
専門薬剤師の資格取得など、スキルアップを応援する体制も嬉しい環境
西陣病院
糖尿病薬物療法認定薬剤師
西陣病院 薬剤部 部長/日本糖尿病療養指導士
牛嶋さん
西陣病院の特徴と薬剤師の仕事について
西陣病院は地域に密着した医療を行っており、日本糖尿病学会認定教育施設として、患者およびスタッフ教育に力を入れています。現在薬剤師は13名で、調剤業務や病棟業務、医薬品情報管理業務などを行っています。病棟業務では、外科系、整形外科系の急性期2病棟と内科系(主に消化器、循環器)急性期2病棟に各2名、包括ケア病棟に1名の薬剤師を配置しています。また、病棟業務だけではなく、薬剤師の基本である調剤業務を大切にしています。
入職1年目の5月から各病棟を2~3か月ごとにローテーションして、薬剤部OJT制度により、各病棟担当と一緒に薬剤部の業務を一通り経験します。
病院のアピールポイント
職種間の垣根が低く、医師や看護師その他の医療職種と相談しやすい環境にあります。調剤業務だけではなく、さまざまな業務に関わることができるため、多くのことを学ぶ機会があります。
薬剤部の人数は少ないですが、専門・認定薬剤師に興味を持っている者が多く、各々が専門・認定薬剤師の資格を取得しています。異なる専門性を持つ薬剤師同士の情報交換がとても活発です。
入社数年で院内の会議や委員会のメンバーになって活躍しています。責任が重く感じられるかもしれませんが、乗り越えたとき大きなやりがいを感じるとともに、早く独り立ちできる環境にあります。
求める薬剤師について
病院には、患者や他の職種がたくさんいるので、コミュニケーション能力は大切です。また、他人の意見を聞き入れて自分の意見を変えたり考えたりできる柔軟さを持っていることも大切だと思います。
病院薬剤師を目指している方は、目標を持って就職されると思うのですが、必ずしもあらかじめ「やりたいことを持っている」必要はありません。私は、学生時代に透析医療をまったく知りませんでしたが、入職してから興味を持って勉強しました。日々のさまざまな業務の中で興味・関心を持てることを見つけていただければいいと思います。
薬剤部スタッフの声
安田さん(日本糖尿病療養指導士)
調剤、ミキシング、在庫管理や病棟業務など、幅広い仕事をしています。責任のある仕事が多いので、大変ではありますがそれがやりがいでもあります。
資格取得後は、院内の糖尿病対策委員として、患者教育に力を入れて取り組んでいます。
楠さん(2020年入社)
大学の研究室の先生から西陣病院のことを教えてもらい、病院のHPなどを見て応募に至りました。初めて見学したときから病院全体の雰囲気の良さを感じました。部内や院内の他職種との垣根も低く、和気あいあいとした空気の楽しい職場です。
大竹さん(NST専門療法士)
勉強したいことや取りたい資格があると、みんなでバックアップする雰囲気が魅力的です。研修や勉強会に参加するときにシフトを代わってくれたり、学会発表があるときは部内で発表の練習をして意見や改善点を出し合ったりしています。
●取材協力 / 西陣病院
〒602-8319 京都市上京区五辻通六軒町西入溝前町1035
TEL:075-461-8800