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就活前に知っておきたい! 人事・採用担当者のリアルボイス

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そろそろ本格的な就活開始のシーズン。研究や実習の合間を縫って準備を進めている方もいらっしゃると思います。

忙しい中、できるだけ早く内定を貰うためには人事・採用担当者が採用活動を通してどんなことを考えながら、学生のどういうところを見ているか知っておくことがとても大事です。

今回は2社の人事・採用担当者さんに直接お話を伺いました。ぜひ参考にしてみてください!

Nさん(某調剤薬局採用担当)

毎年数十名の新卒社員を獲得する会社の顔として、説明会対応から面接対応まで日々奔走。薬剤師から一般企業での営業経験を経て現職という、一風変わった経歴の持ち主。

Yさん(某ドラッグストア人事・採用担当)

Yさん(某ドラッグストア人事・採用担当)

病院勤務を経て現職。自身が就活に苦労した経験から、選考に進む学生を面接外でも手厚くフォローしている。

🎤最近の学生を見て、率直にどんな印象ですか?

N 説明会に参加してくださる学生さんは就活開始も早く、意欲的な人が多い印象です。業界研究もしっかりして、ちゃんと就活に真剣に取り組んでいる方が昔より多いと思います。

 

Y 同意見です。それゆえに、しっかり真剣に将来を考えて行動している学生と、何も考えずのほほんと日々を過ごしている学生との差を強く実感しますね。

 

🎤これまでの説明会や選考で特に好印象だった学生はどんな人ですか?

N 当社には独立支援制度があるのですが、将来的に独立を考えているという問い合わせを頂いた学生が印象に残っています。

よくある「薬局長になりたい」とか「かかりつけ薬剤師になりたい」というところで終わるのではなく、マネジメント面など一歩踏み込んだ関わりに興味を持たれていたり、独立した際にどういう方向性で医療に取り組んでいきたいのかなどビジョンがしっかりしている方は印象に残りますね。そういう方は顔つきも全然違います。

 

Y  確かに、薬剤師も生き残りを賭けたサバイバルになるなんて言われているので、雇われる(受け身)視点だけではなく”自分でどうにかしよう”というマインドをすでに持っている方は感心してしまいますね。

僕は、月並みかもしれませんがしっかりと目を見て適切な相槌を打ちながら、会話のラリーができる方は好印象ですね。緊張状態だと意外と難しいので、物怖じしない落ち着いた方だなとポイントが上がります。薬剤師として店頭に立っている姿も想像しやすいです。

 

🎤反対に、困ってしまった学生の言動や残念なポイントは何かありますか?

N 「ドラッグストアと調剤で迷ってます」という方にはがっかりしたことがあります。まったく特徴や性質が違うのに、そんなことも理解できていないくらい甘い業界研究しかしていないんだ……と感じてしまいました。大手と中小で迷っています、という方も同じです。

もちろんそういう方は面接前に落とすか、将来性がありそうな方は一緒に自己分析などを行って、業界を絞っていただいています。

 

Y 僕は、学生時代にアルバイトなどの課外経験がまったくなく、大学内の世界だけで過ごしてきたという人でしょうか。そういう人は往々にして世間知らずで視野が狭く、頑固な人が多いと感じます。

年上、年下、お客様、上司、同僚……社会に出ると、いろんな年齢や立場の方々と関わることになります。ストレートだと新卒薬剤師は25歳になる年だと思いますが、客観的に25歳の大人でその予行演習ができていない状態はまずいな、と感じます。

 

🎤面接で、具体的に学生のどういうところを見ているか教えてください。

N 「ちゃんと目標を持って生きているかどうか」を見ています。学業、研究、趣味……どんなことでもいいんです。目標があるとそれに向かって頑張る力を持っていて、それは仕事においてもとても大切なことだと思います。

仮に今具体的な目標を持っていなくても、これから自分で探して持てる素質がある方かどうかを、面接までのやりとりなどを含めて見極めます。そういった意味で、店舗見学や会社見学、何気ない会話も含め面接以外のこともすべて面接同様の判断材料になっています。

ちなみに「働いてどうなりたいですか?」「夢や目標はありますか?」という質問に対して「とりあえず薬局薬剤師として一人前に…」と言われてしまうと、正直とても残念です。目標に掲げるまでもなく当たり前というか、最低限のことなのでなってもらわないと困ります(苦笑)

 

Y Nさんとほぼ被りますが、僕も「主体性がある人かどうか」を見ています。そのために面接ではアルバイトや部活・サークル活動などの経験について質問します。

人との関わりの中で自分なりに考えて行動できる力は、薬剤師でなくてもいち社会人としてマストだと思います。実際、他社の採用担当者の方と話す中でも皆さん同様のことを話されますよ。

 

🎤”こんな人と働きたい”という人物像について教えてください。

N シンプルですが圧倒的なのは「ポジティブで明るい方」ですね。何事もポジティブにもネガティブにもとらえることができるので、それなら前者の方と一緒に働きたいと思います。

Y 同じく、ポジティブな方と働きたいですね。就活って「やりたいことを探す就活」と「やりたくないことを避ける就活」に分かれると思っているんですが、「あれは嫌、これもしたくない」よりも「こういうことをやってみたい」という気持ちを持っている方のほうが当然魅力的です

🎤”意外と面接で見ています”というポイントがあれば教えてください。

N 私はわりと隅々まで見ています。女性だと、例えばネイルも。これは見る人によって受け取り方が大きく変わるので、あくまで一個人としての考えになりますが、”自分のこだわりや個性を持っている”という意味で、ネイルしている方はプラス評価です。

当然、実際に働くときには立場をわきまえてきちんとしてくださるだろうという人柄をほかのポイントから判断して選考を進めるので、私個人的としては問題ありません。

 

Y 「今白衣を着てもらってそのまま現場に出す」ことをイメージしながら、身だしなみの清潔感は必ずチェックします。大きく外してくる学生もそういないのですが、髪が目にかかるくらい長かったり爪が汚れていたり、靴が異常に汚れていたりすると思わず声をかけてしまいます…。

あとは、話が早口じゃないかとかぼそぼそと聞こえづらくないかとか、背筋が曲がっていないかどうかも見ます。総じて、「人に不快感を与えない意識ができているかどうか」を判断しています。

 

N 外見は内面の一番外側でもありますよね。そういう無頓着というか気付かなさは、年齢的にもなかなか変えられない部分だと思うので、要注意です。

 

🎤最後に、これから就活を始める学生へエールをお願いします。

N 希望の会社から内定を貰ったとしても不採用だったとしても、すべてご縁です。なので、たとえ不採用であっても悪い意味で捉えないでほしいということは、志望度が高い企業の選考に進まれる方にこそお伝えしたいですね。

確実に内定を取るために猫をかぶった状態で得た内定ほど虚しいものはありません。仮に内定を貰えたとしても、全力の偽りの自分を、その先何十年も続けないといけなくなります。本当にそれでいいですか? それよりも、ありのままの自分で挑んだ結果の不採用のほうが、よっぽど価値があると思います。

取り繕わず、ちゃんと自分の言葉で想いや考えを話す。それでだめならそれでOKです。会社なんてたくさんあるので、必ず自分にマッチするところがあるはずです。心がバキバキになることもあるかもしれませんが、不採用は運命の会社と出会うための過程なんですよって言いたいです。だから、大丈夫!

 

Y 薬学生は比較的、薬剤師になること(≒国家試験に合格すること)に一点集中の方が多いためか、そのほかのことでも視野が狭くなっている方が多い印象です(そうでない方も、もちろんたくさんいらっしゃいます!)。確かに不採用になることは気が沈みますし、それが続けば自分を否定されたような気持ちになってしまうのも解ります。僕も就活、本当に苦労しましたから。

ですが、その辛さやしんどさと向き合ってその後どのように前を向いて過ごしていくか、自分を振り返ってより良い結果を出すにはどうしたらいいか考えることは、就活を通して得られる大きな成長だと思います。その後の人生がより良くなっていくためのターニングポイントだととらえてもらったらいいのではないかと思います。応援しています。