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スポーツファーマシスト学習記録

スポーツファーマシスト対談2前編 薄墨聖子さん

こんにちは。スポーツファーマシストのシトロンです。
寒い時期が続いていますが、皆様体調崩されたりしていないでしょうか?気温もそうですが乾燥も続いていますので、隠れ脱水にならないよう水分補給お忘れなく。

 

今回はちょっと盛りだくさんなので早速記事の内容に移りたいと思います。
本日は「スポーツファーマシスト対談」第二弾として薄墨さんをお迎えしてお届けします。

 

薄墨さんは私シトロンと同じ時期にスポーツファーマシストの資格を取得し、現在スポーツチームや大学の非常勤講師として活躍されています。

今回も

・なぜスポーツファーマシストになったのか
・現在のお仕事
・今後の目標


の3つの質問に絞って、興味深い話をいっぱいお聞きしました。


今月は一つ目の質問である『なぜスポーツファーマシストになったのか?』にフォーカスした内容になります。

 

徳島大学薬学部非常勤講師
四国大学スポーツファーマシスト
FC徳島公式スポーツファーマシスト

薄墨 聖子(うすずみ しょうこ)

徳島大学薬学部薬学科卒業後、調剤薬局で勤務する傍ら、公認スポーツファーマシストとしてスポーツチームや地域の子ども向けにアンチ・ドーピング講習会や薬・健康に関する講習会の開催や、アスリートやサポートスタッフからのドーピングに関する相談に対応。また、公認スポーツファーマシストの活動から得られた知見と経験を活かし、薬剤師ができる“地域活動”や“多職種連携”について薬学部で講義を行っている。夢は、「また会いたい」「また話したい」と思ってもらえるような薬剤師・スポーツファーマシストになること。

 

 

ーなぜスポーツファーマシストになろうと思いましたか?
私は薬局で薬剤師をしていて、スポーツファーマシストっていう資格自体は知っていたのですが、全然、身近にはいませんでした。ただ薬局で薬局実習生を受け入れていると、その中にスポーツファーマシストに関する項目があるんですよね。

ここを学生さんに教えようかなと思った時、 私自身が理解していないものを学生さんにお話するよりも、きちんと資格取って対応しようと思いました。

 

 

-なるほど、それで取得を考えたのですね

そうなんです。

実際に自分もきちんと理解した上で、学生さんに教えたいという気持ちが動機でした。

ちょうどコロナの時期だったのでオンラインで全てが取れるように、なっていたのが助かりました。その頃は子供がまだ小さく、現地に行くということが難しかったのでチャンスでした。

 

 

ースポーツファーマシストとしての活動に興味はありましたか?

具体的に、国体でこう関わってとかオリンピックで関わってというよりは、一人の薬剤師としてそういう仕事があるっていうことも知りたいなってちょっと興味があるだけでした。

 

 

ーでは実際に活動したいと思ったきっかけを教えてください。

実はコロナワクチン大規模集団接種がきっかけです。

スポーツとは全然関係ないんですけど、徳島県の大きな会場に集まってお手伝いしていた時に、薬局から薬剤師が外に出て仕事をするということを初めて経験しました。その際、他職種の人とか地域の人に、「薬剤師ってこういうことをできます」とか「こういう風な形で貢献できます」っていうのを、ある程度知っていただくことってすごく大事だなと思いました。

薬剤師って薬局 の中だけで働いていたら、どうしても影で支えるっていう印象が強い気がします。もちろんそれもすごく素敵な仕事だなと思いつつ、「薬剤師ってこういうことで皆さんの力になれるんですよ」というのを知ってもらうことも本当に大事だなと、ちょうどスポーツファーマシストの講習を受けている時期に感じました。


それをきっかけに、もしかしたらこれだったら私も地域の人に対して何かできるかもしれない、ということ、元々スポーツが好きだということが一致し、活動を始めました。

 

ー地域の人と、コミュニケーション取るための手段みたいなイメージですか?
1つの手段と考えています。スポーツだったら、小さいお子さんからご高齢の方まで、選手じゃなくても、皆さん色々な場面で楽しまれていますよね。
薬剤師の観点から健康のためにも運動しましょうっていうことも伝えたかったので、色々な人と繋がる手段の一つとして考えていました。

 


ーなるほど…ちなみに、取得する前のスポーツファーマシストのイメージってどんな感じでしたか?

国体などの大会があった時に活動したり、トップアスリートの方への対応のみが仕事だと思っていました。徳島県という土地柄、正直 本当にそれで仕事があるのかな?活かせる場所っていうのは国体がまわってきた時とかだけなんじゃないかな?という気持ちがありました。

ただ、私が資格取得中に海外の未成年の選手のドーピング事例があって、あんな幼い子もドーピングに巻き込まれるんだということにすごく衝撃を受けました。

びっくりしたのと同時に、これって日本でも 起こりうるよな…と思いました。やっぱり薬に関わる仕事をしているので、薬に関する教育に自分が関わり伝えることで、もし周りの人に危険なものを勧められたとしても飲むか飲まないか、踏みとどまれるかどうかとかいう価値観を身につけてもらうこともスポーツファーマシストならできるのかなと感じました。

 

なので、大規模集団接種と、未成年の選手のドーピング事例を知ったことをきっかけに、自分のスポーツファーマシストの活動っていうのが大きく具体的に見えたので、一気に走り始めたっていう感じですかね。


ーすごい!きっかけが2つ同時に起きましたね。
そうですね。元々スポーツファーマシストの資格を取る前から、私の中で薬剤師として地域にどう貢献できるんだろう?という思いはありました。薬剤師になって10年くらい、常々このことについて模索していたところにちょうどこの2つが起こったので、これだ!ってなりました。

最近卒業研究でスポーツファーマシストのことを研究したり学生時代から目指している方の話も聞くのですが、私は本当に全くなにもそういう感じのことはしておらず普通に卒業して就職したので、大学生の頃の同級生とかが見たらびっくりするんじゃないかと思います。

 

 

ー大学の時は薬学部卒業したら何をやろうと思っていましたか?

実は卒業ぐらいの時、薬学教育に関わりたいという気持ちから大学教員になりたいなと思っていた時期がありました。なので大学院に進学することも考えていました。

ただ私の家系が代々薬剤師ということもあり、薬局薬剤師というイメージが私の中で大きく、「薬局薬剤師になって地域で仕事をする」というのも理想像でした。

 

結局、薬局に就職したのですが、教員になりたいという思いを頭の片隅に置いたまま働いていました。

今の薬局で実習生さんを集めて講義とかしているのは、薬学教育に何らかの形で関わりたいっていう思いがずっとあったからです。それが今ちょっとずつ形になってきているので、それはすごく嬉しいことだなと思います。

 


ー今大学でもお仕事されているんですよね?

そうなんです。大学の先生が講義しないかって声をかけてくださって!最初に自分が思ってた大学に残って先生になってという形とは全く違う形なんですけど、結局自分が思ってたところに別の形で辿り着けたのは、なんだか感無量でした。

 

ーそういった形もあるんですね。

そうです。今思えば自分がやりたかった薬局で働きたいっていう気持ちと、薬学教育に関わりたいっていうのが、両方のことができているので、私としてはすごく嬉しいです!

 

 

いかがでしたでしょうか?
きっかけは思いもよらないところに転がっているものなんだな、とお話を聞いて感じました。まだまだ後半戦も盛りだくさんなので、次回をお楽しみに!

 

では今回はこの辺で。


1年間お付き合いいただきありがとうございました。

来年も引き続きみなさんにとって有意義な記事をお届けできるよう頑張ります。

 

以上シトロンでした。