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スポーツファーマシスト学習記録

スポーツファーマシスト対談2後編 薄墨聖子さん

こんにちは。スポーツファーマシストのシトロンです。
寒い時期が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

本当ならもう少しお話ししたいところなのですが、今回も内容が盛りだくさんなので前置きはこのくらいで。


本日は前回に引き続きスポーツファーマシスト薄墨さんとの対談、後半パートになります。

 

 

薄墨さんは私シトロンと同じ時期にスポーツファーマシストの資格を取得し、現在スポーツチームや大学の非常勤講師として活躍されています。

・なぜスポーツファーマシストになったのか
・現在のお仕事
・今後の目標


の3つの質問に絞って、興味深い話をいっぱいお聞きしました。

後半は・現在のお仕事・今後の目標についてです。

 

徳島大学薬学部非常勤講師
四国大学スポーツファーマシスト
FC徳島公式スポーツファーマシスト

薄墨 聖子(うすずみ しょうこ)

徳島大学薬学部薬学科卒業後、調剤薬局で勤務する傍ら、公認スポーツファーマシストとしてスポーツチームや地域の子ども向けにアンチ・ドーピング講習会や薬・健康に関する講習会の開催や、アスリートやサポートスタッフからのドーピングに関する相談に対応。また、公認スポーツファーマシストの活動から得られた知見と経験を活かし、薬剤師ができる“地域活動”や“多職種連携”について薬学部で講義を行っている。夢は、「また会いたい」「また話したい」と思ってもらえるような薬剤師・スポーツファーマシストになること。

 

 

ー現在の仕事内容について教えてください。

普段は、薬局で薬剤師をしており、その合間をぬってスポーツファーマシストの活動をしています。定期的なものとして、現在は2つの団体で活動をさせていただいています。

1つ目が、大学生アスリートへのサポートです。具体的には、2ヶ月に1回程度の部活動訪問を実施したり、部活動ごとの講習会を開催したりしています。

 

部活動訪問では、5分〜10分程度で終わるミニ講習会を行って、そこで季節に合わせたお話や市販薬のお話などをしています。

部活動訪問の目的は、まずスポーツファーマシストを知ってもらうことです。年に1回とか、たまに来る人に相談しようってなかなか思えないですよね。

部活動訪問を実施して、監督や選手の方とお話しする機会を作っていただいています。

 

 

-確かに。どんな相談をすべきかもわかんないですよね。

チームのスタッフとか普段接する人には話すとは思うんですけど、結局、スポーツファーマシストに相談しようとはやっぱり思えないんじゃないのかなと思って。

大学生ですし、スポーツファーマシストや薬剤師に親しみを持ってほしいというのもあって。大学にご理解いただいて、部活動訪問という形で私が直接練習場所へ出向く機会を設けさせてもらっています。

 

 

ー実際に訪問してよかったなと思う事例はありますか?

ある部活動を訪問した際に、女性アスリートの月経などに関する話を聞きたいという要望をいただいたので、実際に開催しました。

本当にニーズのあることや、興味を持っている内容から始めたいと思っているので、要望を直接教えていただけてありがたかったです。

 

あとは、スポーツファーマシストのことを知ってもらえて、選手の方からLINEやインスタなどで相談が来るようになりました。

大学生アスリートの皆さんにも、アンチ・ドーピングに関することだけでなく、健康や自分の体のこととかにも興味を持ってもらいたい。もちろんスポーツファーマシストが話すことも、 次は何を話してくれるんだろうとか、この人の話だったら聴いてみたいなって思ってもらえるようになりたいです。

 

 

ーもう一つの仕事についても教えてください。

地域の社会人チームの公式のスポーツファーマシストもさせていただいています。そちらでは年1回の講習会と、相談があれば随時対応しています。

 

ー実際に相談って来ますか?

薬局に来てくださった方もいますし、あとはLINEとかで相談をいただくこともあります。

 

ーそこから広げていきたいこととかありますか?

ちょっと時間はかかるかなとは思うんですけれども、 少しずつスポーツファーマシストへの相談が増えたらいいなとは思っています。あとはジュニアアスリートに対しても教育の機会を増やしたい。それから、地域活動も積極的にされている団体なので、地域に対しても一緒に何かできたらいいなと思っています。

 


ー今後 の目標を教えてください。

アスリート支援という面では、少しずつ信頼を積み重ねていって、もっと気軽に相談してもらえる存在になりたいです。

薬学教育の方に関しては、薬学部の学生に講義をすることで自分自身も成長して、またそれをアスリート支援に還元するという感じで、良い循環を回しながらやっていけたらいいなと思っています。

今後はアンチ・ドーピング活動や地域活動に興味のある学生も一緒に、現場でアスリートのサポートを学ぶ機会も作っていけるといいなと考えています。

 

 

ーいいですね!いろんなことをやっても、最終的にやりたいゴールが一貫してるなと感じます。

そうですね。スポーツファーマシストにできることを少しずつ進めながら、そこから得られた知見を薬学教育に活かす。そうして、また経験や知識をアップデートして、アスリート支援をより良いものにする。

いろいろ模索しながらも、最終的にスポーツファーマシストとして、薬剤師として、やりたいところや目指したいところに帰ってくる。そんなイメージです。

 

 

ーじゃあ、本当に地域の中でいかに人と関われるかってところが、最終目標ということでしょうか。

例えば大学も社会人チームも、選手の皆さんは全国から熱い思いを持って徳島に来られています。県外から来て、やがて地元に帰っていったり、また別の地域に行ったりされる方もたくさんいらっしゃいます。

徳島に来たことによって、スポーツファーマシストと関わる機会があって、アンチ・ドーピングに対する価値観が変わったとか、コンディショニングが上手くなったとか、何か豊かになったって思えることを一つでも増やしたいという願いはあります。あとは、もちろん徳島にずっといらっしゃる方たちに対しても、地方だけどアンチ・ドーピング教育は進んでいるという状況を作りたいです。

 


ー徳島に行ったらアンチ・ドーピング教育の機会がしっかりあるという状況、いいですね!

それが私の理想ですし、そうなるようにスポーツファーマシストとして頑張ってみたいと思います。

 

ーなんか5年後、10年後が楽しみですね。その子たち、例えば大学生の子たちが社会人になって、社会人リーグに入った時に「これ知ってるよ!」みたいな。

そうですね。もちろん次に行った先でも、全国にスポーツファーマシストはいるので、その方たちともうまく連携をとって、継続的な支援を行っていけたらいいなと思います。

 

お忙しい中ありがとうございました!

 

 

薄墨さんとはスポーツファーマシストの同期でもあります。
お話しを聞く度いろんな活動に向き合ってお仕事をされている姿を見ると、私も頑張らなきゃと刺激をもらっています。
地域での活動はまだまだ広がっていくと思いますが、薄墨さんが目標として話していた通り、全国のスポーツファーマシストが連携してスポーツ界全体のアンチドーピング教育がもっと発展していったらいいなと思います。

 

今後のご活躍も期待しております。

 

以上シトロンでした。