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薬剤師 吉田節子が教える!アロマテラピー

第21回 ハーブを楽しむ

アロマの身近な使い方を中心にコラムを続けてきましたが、ここでちょっと一息。ブレイクタイムということで、今日はハーブについてお話ししたいと思います。
そもそもアロマテラピーとハーブって日本では別物のように捉えられていますよね。ハーブとは日本語にすると薬用植物という訳が正しいと思います。アロマテラピーとは薬用植物から採れた香り成分を集めた精油を使うセラピーですので、ハーブは精油の原材料ということになります。

ハーブティーの正しい作り方
ハーブの一番よく知られた使い方と言えばハーブティーとして飲むことだと思います。効果的に薬用成分が抽出できる簡単なハーブティーの淹れ方をご紹介したいと思います。

ハーブを抽出しやすいように細かくします。細かいほど断面積が大きくなるため、短時間で抽出することができます。特にドライハーブの実や根などは、予めコーヒーミルなどで細かく刻むとよいでしょう。
ティーポットに人数分のハーブを入れて熱湯を注いだら、すぐふたをして蒸気が逃げないようにします。ドライハーブの場合は一人分としてティースプーンに山盛り1杯程度が目安です。フレッシュハーブの場合はドライハーブの2~3倍量を入れます。そのまま3~5分ほど蒸らします。茶こしを使ってハーブを除きながら、温めておいたティーカップに注いで完成です。
味が苦手な方は、お好みではちみつや三温糖などを入れると飲みやすくなります。

私のオススメハーブティーはリンデンとエルダーフラワーです。二つとも気持ちを穏やかにリラックスさせてくれる作用があり、免疫力も高まります。自然な甘みと香りがあり、どんなハーブとも相性が良いです。特に味や香りが個性的なものを合わせる場合には、これらのハーブがうまく調和させてくれると思います。

ハーブの使い方あれこれ
ハーブティー以外にも、ハーブの利用法はたくさんあります。
〇入浴・部分浴に/お茶パックにハーブを詰めたものをバスタブに浮かべます。天然塩も一緒に入れると発汗作用が高まります。ハンドバスやフットバスにもハーブを取り入れると強すぎずナチュラルな香りで癒されますし、目でも楽しめます。

〇チンキ剤として/アルコールにハーブを浸出させたものをチンキ剤といいます。コスメの基材に混ぜるとナチュラルなオリジナルコスメに早変わり。シャンプー基材や液体ソープに混ぜると手軽に日常生活にハーブを取り入れることができますね。寒いこの時期にはクリーム基材や植物油にハーブチンキを加えてハンドクリームやボディーオイルも作ることができ、手作りの楽しみも広がります。

ハーブ療法の注意点
ハーブの中には強い成分が含有されているものもあり、サプリやハーブティーとして摂取した場合、副作用が出る恐れがあるものもあります。例えば、セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)は多くの薬物と相互作用がありますし、イチョウ葉など血液凝固を抑制するハーブではあざなどの出血傾向に注意が必要です。
ポイントは、数少ない注意点をしっかり押さえておくこと。そうすれば安心して様々なシーンでハーブを楽しむことができ、より心豊かな生活を提案できます。