食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋。
いろいろな秋がありますが、香りを学ぶにも秋は最適な季節です。
さまざまな方から、アロマテラピーの講座中によく受ける質問があります。
「この香り、嗅いだことがあるのですがなんでしたっけ?何の香りだったか全くわからないです…」
アロマテラピーで使う精油は、国内産精油が知られてきたとはいえ、海外から輸入されたものが大半です。なじみのない香りを順々に嗅いでみても、なかなか覚えられないものです。
そんな方のために、今回は香りを覚えるためのちょっとしたコツをお伝えしたいと思います。
ポイント1.精油と仲良くなるには、一つずつ向き合うこと
ブレンドすることが多い精油ですが、香りを覚えたい時には一つずつ丁寧に向き合ってください。このあたりは友達作りと似ていますね。いきなり数人で会うより、一人と親密に語った方が、その人のことがよくわかるのと同じです。
ポイント2.香りをゆっくりと嗅ぐ
ムエットに精油を付けて風に乗せて香りを嗅ぎますが、この時、最初の香りのインパクトだけではなく、鼻を抜けて通っていく香りや余韻もしっかり嗅ぎましょう。ユーカリなど刺激性のある香りを嗅ぐときはご注意を。
ポイント3.香りのイメージを湧き立たせる
香りを覚えた学生時代、私はノートに「この香りはこんなイメージ」ということを書き込んでいました。私の場合は、擬人化していました。例えば、バジル精油なら草原を駆け走る白人の少年のような感じとか、イランイラン精油なら南国のミステリアスな女性だとか。人によっては色に例えたり、音に例えたり、自分が得た感覚であったり。そういった「香りと記憶をつなぐイメージ」を湧き立たせてほしいのです。こうやって覚えた香りは、似たイメージを持つ香り同士をブレンドすると違和感がないなど、後々役に立つことがあります。
ポイント4.時間差で香りを楽しむ
ムエットに付けたての香りと、1分置いた香り、30分置いた香り、1時間置いた香りでは全く違います。経過時間によって変わる香りの変化も、その香りの特徴となります。例えば、これは私の師匠のお話ですが、アロマの講座中にマートル(フトモモ科)の精油が服についてしまい、その酸っぱい香りに辟易したことがあったそうです。マートル精油にはシュウ酸が含まれているからです。しかし、講座の終了が近づいた頃、まるで気品ある香水の香りに包まれているように感じたそうです。マートルの後残りの香りは非常に素敵な凛とした香りなのです。そういった精油の時間差で現れる特徴を感じ取ると、その精油の香りは記憶に長くとどまると思います。
いかがでしょうか?どの方法も香りと向き合って仲良くなる方法と言えそうです。
自分らしい覚え方でいろいろな香りを味方につけてみましょう。