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薬剤師 吉田節子が教える!アロマテラピー

第32回 冬の免疫対策アロマ&ハーブ

寒い冬がやってきました。風邪やインフルエンザなど体調を崩しやすいこの季節には、植物の力を味方につけて免疫力を高めておく必要があります。
特に皆さんは医療従事者。医療機関という感染しやすい場所でお勤めなのに、インフルエンザなどの感染症にかかっては仕事にならないという、非常に理不尽な状況にいます(私も含めてですが)。
こんな時こそ自分自身の体調管理をしっかりと行い、薬局内での二次感染を防ぐ必要があります。アロマやハーブを賢く使っていきましょう!

☆薬局内では抗菌作用があるアロマの芳香浴を
ティートゥリーの精油に含有されるテルピネン-4-オールが、インフルエンザウイルス(H1N1)の生育を阻害する作用が認められたという報告があります。さすが、アボリジニの万能薬ですね!殺菌力、また耐性菌が発生しにくいことから院内感染などへの応用にも期待できますので芳香浴には最適です。
ティートリー単体の香りが薬品臭いと感じるようなら、相性のよい柑橘類(オレンジスイートやグレープフルーツ)の精油をブレンドすると良いでしょう。柑橘類精油にも抗菌作用がありますので使わない手はないでしょう。
また、スパイス系の香りには強い抗菌作用があります。特にシナモン(ケイヒ)精油に含まれるシンナムアルデヒドにはインフルエンザウイルスを強く阻害する作用が報告されていますので、香りの引き締めとしても1滴だけ入れると良いでしょう。
精油対応の加湿器や電気式アロマポットを使うと簡単に室内清浄を兼ねた芳香浴ができます。待合室の広さなどを加味して機器を選びましょう。

☆休み時間には免疫力を高めるハーブティーでケア
ほっと一息つける時にはぜひとも甘い市販のジュースではなく、温かいハーブティーをおすすめします。エキナセアはなんといっても免疫力を高める最強ハーブですし、エルダーフラワー(西洋ニワトコの花)やリンデンフラワー(西洋ボダイジュの花)は優しく気を補ってくれます。またゴジベリー(クコの実)には強い抗酸化作用があり、免疫グロブリンG値と抗体の陽転率が上昇することが報告され、免疫力を確実にアップしてくれると言えそうです。職場にお好みのブレンドを一つ作っておくと、休み時間に簡単に使えるのでおススメです。

☆通勤時間をアロマで快適に!
通勤電車の中では咳込んでいる方が多く見受けられます。感染を防ぐためにもぜひマスク+アロマをお勧めしています。
ただし、あんまり直に滴下するのは、強い香りでむせ返り鼻が苦しくなるのでNG。外出の直前、ティッシュに精油を極少量つけてそれをマスクの内側に忍ばせましょう。爪楊枝などを使って精油を塗ると、多量に取ることがありません。
イチオシ精油はペパーミントやラベンダー、ユーカリなどは鼻もスッと通りますので最適ですが、あくまでお好きな香りを選んでくださいね。

植物の自然の力で、冬を快適に乗り切っていきましょう♪