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薬剤師 吉田節子が教える!アロマテラピー

第61回 精油の覚え方

月に一度のペースでこの原稿を書かせていただいておりますが、いつの間にか60回目を越えました。ということは丸5年も続けさせていただいているのかと、時間の流れの早さを感じております。改めまして、この場をお借りして、読者の皆様と、いつも快く原稿をアップしてくださるユニヴのスタッフの皆様に篤く御礼申し上げます。

今回は「精油の覚え方」についてお話したいと思います。アロマ人口も徐々に増え、ネットでも精油が手に入るようになり、精油の名前も少しずつ浸透してきました。でも気が付いたら「同じ精油ばかりを使っている」とか「好きな精油しか覚えられず知識が偏ってしまう」という声を聞くことがあります。
そこで、精油の知識を効率良く身につけ、また間違いなくその精油の知識を引き出せる方法を3つのポイントに絞ってお伝えしたいと思います。

1.精油をペアで覚える
同じ科の似ている精油をペアにして覚えます。こうすることによって覚えられる精油が二倍になります。また、ペアにした二つの違い・特徴を意識づけて覚えることで、一つずつの精油の特徴がより一層明確になります。

例)ユーカリとティートリ―(フトモモ科)
【共通点】両方とも抗菌力が非常に高い。先住民が感染予防のために使用していた。
【違い】ユーカリは1,8-シネオールが7割。ティートリーは2割程度。
    →ユーカリの方が抗菌力は大。しかし同時に刺激性も大。

2.精油をイメージで覚える
香りは嗅覚の伝達経路からも分かるように、感情や感覚に左右します。それを利用して、香りを嗅いだときの感覚をイメージとして書き留めておけば、記憶するのに役立ちます。人によってイメージはさまざまですから、正解はありません。ご自身の思うがままに、色や人物、風景といった「イメージしやすいもの」に置き換えてみましょう。

例)イランイラン
・アジア系の40代女性のイメージ
・髪の長い、女性らしい赤紫色のドレスを着ている。

例)ネロリ
・あどけない白人の少女のイメージ
・お昼過ぎの野原で花を摘んで遊んでいる。

3.精油を購入する時には香りの系統の違う精油を選ぶ
例えば、ローズやラベンダーなどのフローラル系の香りが好きな方は、どうしてもフローラル系の香りばかりが欲しくなってしまいますよね。そうしていくうちに、同じような香りの精油ばかりが手元に揃ってしまったという経験、ありませんか? これを防ぐために、精油を購入する場合には香りの系統が違うものを順番に買うとよいでしょう。
例えば、フローラル系の精油を買った次には、柑橘系を、その次はハーバル系を……というように購入してみましょう。そうすると、香りの組み合わせの良し悪しを学ぶことができ、ブレンドの感性が養われていきますよ。時に素晴らしいブレンドを見つけることができ、そういったレシピは宝物になります。

いかがでしたでしょうか? 学び方も人それぞれですから、少しでも興味が湧いた方法があれば、ぜひご自身流にアレンジを加えてみて、よりブラッシュアップしてくださいね。