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女性ヘルスケア専門薬剤師 松原爽が伝える 知っておきたい! 現代女性のヘルスケア

第1回 「女性が思い描くライフキャリアの実現にヘルスケアの視点を!」

■キャリアとヘルスケア「キャリア」とは、狭い意味では仕事にまつわる役割や経験などに使われますが、広い意味では人生全体における生き方そのものである「ライフキャリア」を指しています。
例えば、10代では子供・学生、30代では職業人・配偶者・親、60代では親、子供(親の介護)として役割を担っていくなど、社会や家庭でさまざまな役割の経験を積み重ねて自身のライフキャリアが形成されていきます。
ライフキャリアは予期できないことも多いですが、意識したり知っていることで対応・予防ができることも多くあります。その一つがヘルスケアです。

■ライフステージごとの女性のカラダ女性はエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンの影響を受けており、その分泌状態によりカラダは変化します。そのため、ライフステージによって健康課題は変わっていきます。
女性の場合、キャリア探索・確立期はカラダのライフステージでは性成熟期と重なるためパフォーマンスにも影響する「月経に関連するトラブル」に苦しんだり、「妊娠・出産」というライフイベントの選択を考えさせられたりします。さらにキャリア維持期は更年期にさしかかるため、「女性特有のエイジングに伴うさまざまな健康リスク」に悩みはじめたりするため、ライフステージに合わせたヘルスケアが求められます。


思春期:卵巣からのエストロゲンの分泌が始まり、月経が始まります。
性成熟期:性機能が成熟し、卵巣機能が高まるとともにエストロゲンの分泌も順調になります。
更年期:エストロゲンの分泌が揺らぎ、月経周期がみだれ、その後エストロゲン分泌が低下し閉経に至ります。
老年期:卵巣機能がなくなりエストロゲンも分泌されなくなります。

■婦人科医のパートナードクターを持つことの大切さ女性の場合は、月経や更年期の不調などが、仕事やプライベートにまで影響を及ぼすことがありますが、その多くは婦人科医に相談することで適切に対処できることも分かっています。その他にも婦人科医はさまざまな女性特有の健康課題の相談にも乗ってくれます。健康で快適に思い描くライフキャリアを実現するためにも、ライフステージに合わせたヘルスケアを意識し、早い時期から婦人科医のパートナードクターを持つことをお勧めします。

<婦人科検索>一般社団法人日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
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NPO法人女性の健康とメノポーズ協会 医療機関のご案内
http://www.meno-sg.net/?page_id=189