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女性ヘルスケア専門薬剤師 松原爽が伝える 知っておきたい! 現代女性のヘルスケア

第4回「知っているようで知らない、正常な月経」

■月経のメカニズム 月経は女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)によってコントロールされています。
エストロゲンは、子宮に作用して受精卵のベッドとなる子宮内膜を厚くする働きがあります。また、プロゲステロンはエストロゲンによって厚くなった子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に整える働きがあります。
このように女性ホルモンの働きにより女性はほぼ毎月妊娠できる準備をするわけですが、妊娠しなかった場合は女性ホルモンが減少し、子宮内膜が剥がれ排出され月経が起こります。
なお、女性ホルモンは、脳からの指令により分泌されるため、カラダやココロのトラブルをきたすとホルモンバランスが崩れ月経に変化や異常が現れることがあります。

■正常な月経の目安 初経の年齢は、通常平均12歳(8歳から15歳)です。
月経の周期は、月経開始日から次の月経が始まる前の日までを言いますが、通常25日から38日です。これよりも周期が短かったり長かったりする場合は月経周期異常となります。
また、月経の持続期間は3日~7日と言われていますので、すぐ終わってしまう月経や8日を超えるようなだらだら続くような月経も月経異常となります。
月経の正常な量の目安は20~140mlと言われますが、なかなか量を判断するのは難しいものです。夜用ナプキンが昼間でも何枚も必要という場合は量が多すぎることが考えられ、月経量の異常(過多月経)が疑われます。
なお、月経と月経の間の月経の時期ではないときに起きる性器からの出血のことは不正出血と言います。

月経周期とカラダの変化

■婦人科受診の目安 月経が正常な月経の目安と違う、または月経時の痛みがつらくて生活に支障がある、月経時の痛みが以前より増してきた、出血量が以前より多くなってきた、不正出血があるなど気になることがある場合は、何らかの病気が隠れていることも考えられますので、放っておかずに婦人科を受診しましょう。
また、妊娠や閉経など理由がないのに3か月以上月経がないことを無月経と言います。
無月経は不妊の原因やエストロゲン不足による骨粗しょう症などを引き起こすことがありますので、こちらも放っておかずに婦人科を受診しましょう。

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