■女性の健康に関する知識の必要性 「もっと早く知りたかった」、この言葉は、女性特有の健康課題について講演させていただいたときに、男女問わず多くの方からお聞きする言葉です。
日本では、学校でも社会人になってからも女性の健康課題やその対策について医学的根拠に基づいた正しい情報を学ぶ機会はほとんどありません。
しかし、過去の記事を読んでいただいても分かる通り、社会の半数を占める女性の多くは月経が始まってから閉経までの間は女性のパフォーマンスに大きく影響する「月経トラブル」に振り回されたり、キャリア形成時期には「キャリアと妊娠・出産」というライフイベントの選択を迫られ悩んだり、さらに更年期には「更年期障害」という今までなかった不調に苦しむなど、ライフステージごとに女性特有の健康課題を抱えています。
このような女性特有の健康課題は、自分の力がうまく発揮できない、自分のキャリアをどのように積んでいったらよいか分からない、仕事が続けられなくなったなど、女性にとっても社会にとっても大きな課題となっています。
しかし、女性特有の健康課題の多くは解決できるようになってきています。そのためには、まずは正しく知ること、そして適切な対応が取れることが必要です。
■「女性の健康検定」で資格を得る
女性の健康に関する医学的根拠に基づいた知識を得る1つの方法に「女性の健康検定」があります。これはNPO法人女性の健康とメノポーズ協会が日本女性医学学会の後援を受け2012年から実施しているもので、年代別の女性特有の健康課題とその対策やワーク・ライフ・バランス(WLB)の基本的な知識を習得・理解された方を認定するものです。
「女性の健康検定」で認定される資格には、女性の健康に関する基本的知識を習得する「女性の健康推進員」と、女性の健康に関する知識だけでなくより良い働き方についても専門性の高い知識を習得できる「女性の健康経営アドバイザー」の2つの資格があります。
■「女性健康検定」で得られた資格を活用する
女性の健康に関しては、女性特有の健康課題を抱えていない方々も、知り理解することが、社会や組織での適切なコミュニケーションにつながることが分かってきています。
また、経済産業省ヘルスケア産業課のレポートからも、健康経営を積極的に推進する企業においては、特に女性特有の健康問題対策に高い関心が寄せられており、このような検定を人材育成に利用し、従業員のモチベーションとエンゲージメントを高め、生産性を高めることに活用する動きも出てきています。
その他、医療従事者の方々からは、女性の健康相談にも役立つとの評価を受けております。
2020年の「女性の健康検定」は6月27日(土)に東京・大阪などの各都市で実施予定ですので、ご興味のある方は受検を検討されてみてください。