カウンセリングは誰かの話を聴く仕事です。この13年間ひたすら話を聴いてきました。だから休日は一人だけの時間を過ごすべくバイクを走らせ風の音を聞き最後は風になります…。
それは日常から解放され自分を見つめ問いかける時間です。
カウンセリングはこみ入った話が多く、自分一人では解決困難な問題を相談しに来られます。現代社会はこみ入った事に満ち溢れています。だから人間関係も複雑になり、こみ入ったコミュニケーションに悩むことが多くなります。人間同士がお互いに理解し合い意思疎通を図るという単純極まりないはずの関係がどんどん難しくなっているようです。
カウンセリングはこみ入った話を解きほぐし、縺れ絡まった糸をほどく作業です。私がこれまで話を聴かせていただいた方の数は7000人ほど。そこから感じたことや気づいたこと、時にはバイク旅の途上で出会った人のことや出来事をあれやこれやと書いてみたいと思います。
就職支援をするということ
仕事が決まれば他の全ても決まる、と言っても過言ではありません。それほど仕事は人生に大きな影響を与えます。また仕事がその人を作るとも言われます。長年その仕事に携わっている人は、言われなくても何となく「この人は学校の先生かな」「この人は技術者かな」などと感じることがあります。
どんな仕事に就くか(どこに就職するか)によって生活パターンのほぼすべても決まります。住む場所、朝起きる時間や食事の時間、毎日の通勤経路と所要時間、興味を持つ分野、休日の過ごし方、食事の量や献立、服装や髪形、付き合う人々、家族との関係、読む本や新聞の何欄に時間をかけるか、趣味の範囲など数え上げるときりがありません。
だからこそ仕事選びは悩み苦しむものだと思います。転職が当たり前の社会にはなりましたが、最初から転職するつもりで就職する人はほとんどありません。入社したところで頑張って長く勤めようと思う人が大半です。だからこそ『失敗したくない』という気持ちが強くなり、自分ひとりでは就職先を決めれない状態になります。就職支援は相談者が納得して決断出来るように、現実的かつタイムリーで、その人に不足している情報を提供し、信頼関係の中で十分に話し合い、客観的な視点でのアドバイスをします。決断できたならば、その決断が正しかったと自覚できるフォローをします。人生に正解がないように仕事選びにも正解はありません。自分の決断が正しかったことを努力で補う必要があります。その人の力を信じ本人に決断させること、決断後にその人が自分の力を発揮できるように見守り支援を続けることがカウンセラーの役割です。