若者の就職支援に関わって13年になります。支援内容はその方の状態や経験、年齢や希望により進め方・取り組み方は違いますが、定期的な個別相談がベースになります。この個別相談をカウンセリング(キャリア・カウンセリング)と言います。
カウンセリングといえば、心理カウンセリングやメンタルヘルス・カウンセリングなど精神的な面での相談をイメージしますが、キャリア・カウンセリングはメンタル面には積極的には関与せず、その人の将来設計、仕事を中心とした生活設計、人生についての(特に職業人生について)相談です。
とはいえ、仕事に関する悩みがある場合メンタル面は無視できないことが多いです。相談の最初に語られるのは、悩みのきっかけ、経緯や要因、その時々の感情や気持ちであり、既に休職していることもあるし通院服薬中なこともあります。人生には様々な悩みがつきまといますが、とりわけ仕事はその人の人生全般に大きな影響を及ぼします。仕事がその人の個性や人格を作ると言っても過言ではありません。だからこそ仕事の悩みは深く複雑な要素が絡み合っています。そこを解きほぐして整理し、次の新たな可能性に向かうための助言や情報提供を行うのがカウンセラーの役割なのです。
就職に悩む若者の一番の共通点は『自信がない』ということです。自信がないから動けない、失敗することが怖いからやらない、正解(失敗しないこと)を求めるあまり考えすぎて一歩を踏み出せないまま時間だけが経過してしまい、自分の成長が感じられず更に自信を失うという悪循環に陥っています。
このような状態になるとカウンセリングの効果は期待できません。ベテランのカウンセラーがテクニックや知識で解決しようとしてもあまり上手く行きません。効果があったように見える時もありますが、それはカウンセラーの力量というよりも相談者自身が持つ力、エネルギー、能力によるものと思います。他者を変える事は本当に難しいと感じます。カウンセラーに出来ることは“一緒に悩み考えること”くらいです。
②へ続く…