薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

カウンセライダー日並のこみコミ通信

第8回 遠くへ行けない

『遠くへ行きたい』というテレビ番組があります。初回放送が昭和45年(1970年)という長寿番組で、著名人や俳優・女優が毎週入れ替わり、日本の各地を旅します。豪華な宿や料理はほとんど出て来ません。その土地で暮らす人たちが昔から大切にしている風習や生活に焦点をあて、旅人がその中にそっと入っていくところがこの番組のいいところだと思います。

私が旅好きになったきっかけはこの番組です。今も日曜の朝に放送されていて、もう少し寝たいな~と思いつつもやっぱり起き出してテレビのスイッチを入れてしまいます。最近はまとまった休みがなくて旅に出ていませんので、番組を見る毎に行きたい場所だけがどんどん増えています。

遠くへ行きたいと思うのは、日常から出来るだけ離れたいということです。旅という非日常に身を置くと、日常の中に埋没してしまった自分の一部を見つけ出すことが出来ます。それが旅をする目的であり、旅をする意味でもあると思います。新しい自分を見つけるというのは新しい物事の見方に気づくことです。ヘンリー・ミラー(アメリカの小説家)は『目的地というのは決して場所ではなく、物事を新たな視点で捉える方法である』としています。

遠くへ行くほど日常からの解放感があると思います。でも遠くへ行くにはそれなりの時間が必要です。仕事を持っているとこれが難しい。遠くへ行きたいのに行けない事がストレスにもなります。そこでいくつか手軽に味わえる非日常を紹介します。

  • 1)休日に携帯電話を置いてどこかに出かける⇒期待できる効果:普段見えてないものが見え、携帯電話の新しい使い方に気づく…かも。
  • 2)部屋の模様替え(目につく範囲が大きいところ、例えばベットやタンスの位置を変える、絨毯やカーテンを変える)⇒期待できる効果:しばらくは毎日が非日常、時間が経つとまた日常になるけど…。
  • 3)1時間早い通勤電車に乗る⇒期待できる効果:ほぼ「初めまして」の乗客+意外な人に会うかも。
  • 4)長く会わなかった人に会う⇒期待できる効果:人は変わる・・あなた誰!(お互いに)
    要は、毎日意識すらせずに繰り返していることを意識的に変えること。この時に“ちょっとした思い切りがいること”が肝です。自分なりに思いつくことがあれば是非やってみてください。

さて私の手軽な非日常はやっぱりバイクに乗ることです。
風薫る五月の休日、躑躅を見に行きました。

兵庫県を南北の真ん中で割ったあたりです。現地でゆっくりしても半日で往復できるくらいの距離です。
帰りに愛車のオイルも交換してきました。10年来お世話になっているバイク屋さんで、経営するのはカワサキのテストライダーだった人で“カワサキのご意見番”と呼ばれています。60歳は超えているはずですが若々しくて、小さなことには拘らないけど、大事なことには凄く拘る魅力的な人です。
お店のトイレにこんなものが貼ってあります。